あのー、会ってる人には話したかもしれないんですけど、あの、ノイズキャンセリングヘッドホン買ったんですわ。
スイッチを入れると、外の雑音をある程度抑えてくれる。
あれ、何。何で今まで誰も教えてくれなかったの? あんなのあるの? いやいや、今までの葛藤が何だったんだっていうね。
あの、電車の中とかホント機械音がうるさいじゃないですか。だからiPodの音量最大、みたいなことになっていて、うーん、いつか耳壊れるなあ、という不安と、でも俺今を楽しみたい! という刹那的感情との葛藤というか、ね。
っていうか俺ちょっと思ってましたもん。電車の音なんざほぼ一定なんだから、これに逆位相の波を当てたら打ち消しあって消えるんじゃないか、みたいな。電車の音を消す音を出すヘッドホンがあればいいのに、みたいな。あぶねー! 再発明するとこだったあぶねー!
や、違う、ノイズキャンセリングヘッドホンという名前は知ってたの。でも、あれだと思ったの、なんか、ライブ音源? のノイズみたいなのが消えてきれいに再生できる、みたいなのだと思ったの。どんだけニッチ商品なんだよ。ライブ音源てね。またね。かっこよろしいですなあ!
で、ノイズキャンセリングヘッドホンね。買ったんですけど。
これめちゃくちゃいいな!
音量のゲージは半分で良くなったし、電車の中は静か。渋谷の客引きには声をかけられなくなったし、まあ、これはヘッドホンなら何でも効果ありそうだけども。
ノイズキャンセリングヘッドホンというのは、さっきもちょっと言ったけど、横にこうスイッチがついててね、オンにすると、シュッと外の雑音が一定量まで消えるんです。はじめ面白くて何回もやっちゃった。
で、そう、シュって雑音が消えて、本当に聴きたい音が前面に出てくるんですけど、あのー、何回もやってるうちに、あれ、って。あれ、ってなってね。ノイズキャンセルのスイッチをオンにするとき、音楽のほうの音量が、気持ち、上がってる。や、ノイズがキャンセルされたから相対的にとかもあるんだけど、確かに、きもーちだけど、しれっと上がってるんです。
ずるい! ノイズキャンセルの効果を水増ししてる! すげえがっかり! 効果に不満は無いけど、なんかすごいがっかり! そのセコい態度で全部台無し! 優等生でやればできるのに不安感からカンニングしちゃったみたいな、何そのあれ。えー! それは会社ぐるみの犯行なの? それとも開発者が、その、開発目標達成をごまかすためにやっちゃって、そのまま発見されることなく出荷されたの? どうなの? その辺はどうなの?
とまあ、いくら外野が文句を言ったところで、雑音は消されると、いうわけでね、えー、まあ、ね。お久しぶりです。幾分時間が出来そうなのでまた更新します。
スイッチを入れると、外の雑音をある程度抑えてくれる。
あれ、何。何で今まで誰も教えてくれなかったの? あんなのあるの? いやいや、今までの葛藤が何だったんだっていうね。
あの、電車の中とかホント機械音がうるさいじゃないですか。だからiPodの音量最大、みたいなことになっていて、うーん、いつか耳壊れるなあ、という不安と、でも俺今を楽しみたい! という刹那的感情との葛藤というか、ね。
っていうか俺ちょっと思ってましたもん。電車の音なんざほぼ一定なんだから、これに逆位相の波を当てたら打ち消しあって消えるんじゃないか、みたいな。電車の音を消す音を出すヘッドホンがあればいいのに、みたいな。あぶねー! 再発明するとこだったあぶねー!
や、違う、ノイズキャンセリングヘッドホンという名前は知ってたの。でも、あれだと思ったの、なんか、ライブ音源? のノイズみたいなのが消えてきれいに再生できる、みたいなのだと思ったの。どんだけニッチ商品なんだよ。ライブ音源てね。またね。かっこよろしいですなあ!
で、ノイズキャンセリングヘッドホンね。買ったんですけど。
これめちゃくちゃいいな!
音量のゲージは半分で良くなったし、電車の中は静か。渋谷の客引きには声をかけられなくなったし、まあ、これはヘッドホンなら何でも効果ありそうだけども。
ノイズキャンセリングヘッドホンというのは、さっきもちょっと言ったけど、横にこうスイッチがついててね、オンにすると、シュッと外の雑音が一定量まで消えるんです。はじめ面白くて何回もやっちゃった。
で、そう、シュって雑音が消えて、本当に聴きたい音が前面に出てくるんですけど、あのー、何回もやってるうちに、あれ、って。あれ、ってなってね。ノイズキャンセルのスイッチをオンにするとき、音楽のほうの音量が、気持ち、上がってる。や、ノイズがキャンセルされたから相対的にとかもあるんだけど、確かに、きもーちだけど、しれっと上がってるんです。
ずるい! ノイズキャンセルの効果を水増ししてる! すげえがっかり! 効果に不満は無いけど、なんかすごいがっかり! そのセコい態度で全部台無し! 優等生でやればできるのに不安感からカンニングしちゃったみたいな、何そのあれ。えー! それは会社ぐるみの犯行なの? それとも開発者が、その、開発目標達成をごまかすためにやっちゃって、そのまま発見されることなく出荷されたの? どうなの? その辺はどうなの?
とまあ、いくら外野が文句を言ったところで、雑音は消されると、いうわけでね、えー、まあ、ね。お久しぶりです。幾分時間が出来そうなのでまた更新します。
こんなのも書いたよ。
隣にマンションが出来たんですけどね。
ああいうのって、もうなんだろ、めちゃくちゃ速いですよね、出来るの。「ああ、なんか作り始めたなあ」と思ったらいつの間にかもう出来てた。秀吉か! って言いましたもん。言いませんけどね。大人だから。
なんか、多分1LDKで、周りに高い建物も無いし、まあまあ良さそう。きょうび値段も上げられないだろうから、人気物件になるんじゃないのかな、と思ったり。
で、さっき帰りがけにそのマンションの前を通ったら、なんか、一室の明かりがついてる。
よく見たら、多分大家みたいな人と、大工さんみたいな人とかで、ワハハワハハ言いながら酒飲んでた。
あー、なんかもやもやする。
数ヶ月後、そこ借りたカップルがさ、「この部屋でごはん食べるのわたしたちがはじめてだね! 幸せ!」みたいなこと言ってるところに、手にリスのパペットをくっつけて、手だけ窓からちょこんと出して登場したい。
「この部屋ねえ、大工のおっさんたちが酒盛りやってたよ! 冬なのに裸だったよ!」
無邪気に言いたい。リスが。目がビー玉のようなリスが。カップルを逆さに映し出したい。
その足で東急行って、サンマ缶を買おうと手に取っている人の肩からリスが顔を出して、「それねえ、まずいよ! ものすごくまずいよ!」
リスが無邪気に教えてくれる。
最期は、「急な開国は尊王攘夷派の怨嗟を買うだけだよ!」と井伊直弼に無邪気に進言して斬られる。
リスじゃねえよ、何だっけ。ああ。そう。隣にマンションが出来たんですけども、一旦出来上がって工事の人居なくなったのに今日また来てて何か会議やってた。なんか忘れたのかな。
ああいうのって、もうなんだろ、めちゃくちゃ速いですよね、出来るの。「ああ、なんか作り始めたなあ」と思ったらいつの間にかもう出来てた。秀吉か! って言いましたもん。言いませんけどね。大人だから。
なんか、多分1LDKで、周りに高い建物も無いし、まあまあ良さそう。きょうび値段も上げられないだろうから、人気物件になるんじゃないのかな、と思ったり。
で、さっき帰りがけにそのマンションの前を通ったら、なんか、一室の明かりがついてる。
よく見たら、多分大家みたいな人と、大工さんみたいな人とかで、ワハハワハハ言いながら酒飲んでた。
あー、なんかもやもやする。
数ヶ月後、そこ借りたカップルがさ、「この部屋でごはん食べるのわたしたちがはじめてだね! 幸せ!」みたいなこと言ってるところに、手にリスのパペットをくっつけて、手だけ窓からちょこんと出して登場したい。
「この部屋ねえ、大工のおっさんたちが酒盛りやってたよ! 冬なのに裸だったよ!」
無邪気に言いたい。リスが。目がビー玉のようなリスが。カップルを逆さに映し出したい。
その足で東急行って、サンマ缶を買おうと手に取っている人の肩からリスが顔を出して、「それねえ、まずいよ! ものすごくまずいよ!」
リスが無邪気に教えてくれる。
最期は、「急な開国は尊王攘夷派の怨嗟を買うだけだよ!」と井伊直弼に無邪気に進言して斬られる。
リスじゃねえよ、何だっけ。ああ。そう。隣にマンションが出来たんですけども、一旦出来上がって工事の人居なくなったのに今日また来てて何か会議やってた。なんか忘れたのかな。
こんなのも書いたよ。
中世ヨーロッパの音楽家たちのクルクルした髪型はヅラである。
まあ、有名な話なんですけど、ああいうヅラをはじめて付けたのはルイ13世と言われています。
ルイ13世は若ハゲで、泣く泣くヅラをつけだしたんだけど、一人だと目立つじゃないですか。だから、「え? 何言ってんの? ファッションだよ?」とか言って、取り巻きの貴族たちと一緒につけたわけですね。
そのうち、ルイ14世の時代になると派手なヅラとかが流行しはじめて、いつのまにか宮廷の正装にまで昇格してしまった。
ハゲかくしの道具を全員に行き渡らせることによって、全員を同じステージに立たせてしまう。なんてスケールのでかいハゲの隠し方。えー、まじカッコいい。
これって何かに似てるなーとずっと思ってたんですけど、あのー、ヤマンバメイク。
今更ですけど。
何であんなの流行ったのかなーってずっと気になってたんですけど、あの、多分ですね、彼らの所属する裏社会の頂点に、その顔の人が居るんですよ。
まあ、ヤマンバでしょうね。この流れで考えれば、妖怪ヤマンバそのものがそこに居なければおかしいですよね。
話は10年ほど前にさかのぼります。
街に出た妖怪ヤマンバは、夜の若者たちをまとめ上げ、一大組織を作り上げました。
でも、ほら、妖怪だから、ぜんっぜんモテないんですよ。男に。怖いし。
でも彼氏とか欲しいじゃないですか。「シャーッ、シャーッ、わらわをモテモテにせよ、シャーッ、シャーッ」みたいなことを言うわけですよ。包丁研ぎながら。
で、取り巻きはさあ、めちゃくちゃ考えるんですね。どうしよう! ボスをモテモテにしないとマジで殺される!!! MK5! マジで殺される5秒前!
まあでも妙案なんてすぐ浮かぶもんでもないので、こう、鬱々と過ごすんですけど、ある日、世界史の授業で先生が何気なく言ったんですね。
「ルイ13世はハゲだったから、カツラを流行らせたんだぞー、ま、これはテストには出ないけどな」
ガタン!
「それだわ!」
「ど、どうした小沢」
「先生ありがとう! 今日私早退します!」
「……おーい。小沢ー」
ボスに似せた化粧をして、「え? 今こういう顔が流行ってんですけど?」とか言って、全員を同じステージに持って行く。
これがヤマンバメイク流行の真相だったのでは。
ヤマンバは一時期絶滅の危機に瀕しましたが、最近また、マンバとかセンターGUYとか、特殊なメイクをする集団が現れているようです。
完全に、新たな良からぬものが山から下りてきてるじゃないですか。なんか居るわー。ヘコむわー。
まあ、有名な話なんですけど、ああいうヅラをはじめて付けたのはルイ13世と言われています。
ルイ13世は若ハゲで、泣く泣くヅラをつけだしたんだけど、一人だと目立つじゃないですか。だから、「え? 何言ってんの? ファッションだよ?」とか言って、取り巻きの貴族たちと一緒につけたわけですね。
そのうち、ルイ14世の時代になると派手なヅラとかが流行しはじめて、いつのまにか宮廷の正装にまで昇格してしまった。
ハゲかくしの道具を全員に行き渡らせることによって、全員を同じステージに立たせてしまう。なんてスケールのでかいハゲの隠し方。えー、まじカッコいい。
これって何かに似てるなーとずっと思ってたんですけど、あのー、ヤマンバメイク。
今更ですけど。
何であんなの流行ったのかなーってずっと気になってたんですけど、あの、多分ですね、彼らの所属する裏社会の頂点に、その顔の人が居るんですよ。
まあ、ヤマンバでしょうね。この流れで考えれば、妖怪ヤマンバそのものがそこに居なければおかしいですよね。
話は10年ほど前にさかのぼります。
街に出た妖怪ヤマンバは、夜の若者たちをまとめ上げ、一大組織を作り上げました。
でも、ほら、妖怪だから、ぜんっぜんモテないんですよ。男に。怖いし。
でも彼氏とか欲しいじゃないですか。「シャーッ、シャーッ、わらわをモテモテにせよ、シャーッ、シャーッ」みたいなことを言うわけですよ。包丁研ぎながら。
で、取り巻きはさあ、めちゃくちゃ考えるんですね。どうしよう! ボスをモテモテにしないとマジで殺される!!! MK5! マジで殺される5秒前!
まあでも妙案なんてすぐ浮かぶもんでもないので、こう、鬱々と過ごすんですけど、ある日、世界史の授業で先生が何気なく言ったんですね。
「ルイ13世はハゲだったから、カツラを流行らせたんだぞー、ま、これはテストには出ないけどな」
ガタン!
「それだわ!」
「ど、どうした小沢」
「先生ありがとう! 今日私早退します!」
「……おーい。小沢ー」
ボスに似せた化粧をして、「え? 今こういう顔が流行ってんですけど?」とか言って、全員を同じステージに持って行く。
これがヤマンバメイク流行の真相だったのでは。
ヤマンバは一時期絶滅の危機に瀕しましたが、最近また、マンバとかセンターGUYとか、特殊なメイクをする集団が現れているようです。
完全に、新たな良からぬものが山から下りてきてるじゃないですか。なんか居るわー。ヘコむわー。
相鉄線のこと書いたら、前の会社の寮のこと思い出した。
自分でその土地を選んだわけじゃない。
前の会社の寮がそこにあって、新人はそこ、と決まってたから。
あの寮はひどかった。5階建てなのにエレベーターが無かった。
あと、寮長さんがカラスをいじめてからというもの、カラスが寮生全員を敵視していて。
1回、友達が階段の踊り場で威嚇されまくって階段を下れずに会社遅刻した。はじめてのおつかいかよ。
いや、分からんでも無い。カラスまじで怖いですよ。近くであのくちばし見て。あれを敵に回したら本当にまずい。ドラクエの敵に居る理由もうなずける。昔はゲームしながら「カラスかよ! 勇者じゃなくても倒せるだろ!」って思ってたけど、あれはやばい。勇気が試されるモンスターである。
何の話だっけ。ああ。寮。
あの寮はひどかったな。4.5畳、バストイレ共同。押し入れを開けたら、「昭和39年 忍耐」という落書きがあった。はじめて水虫をうつされたのもあの寮だ。風呂の入り口に敷いてあった、ヌメヌメしたバスタオル。忘れない。あれ以来、銭湯であっても、温泉であっても、出口の敷物を必ず飛び越える癖がついた。
で、なんというか、その寮がかなり山奥にあって。
バスで駅まで行くんだけど、そのバスが、朝、駅まで40分かかるのね。
そのあと電車に揺られ、乗り継ぎ、通勤時間2時間ですわ。
なんでこんなとこに寮買ったんだっつー話ですけど。
で、当時、仕事がめちゃくちゃ忙しかったんで、あの、早く家に着いて寝たかったし、遅くまで寝てたかったんですね。だから、なんとか通勤時間を削れないか、と考えたところ、バスですよ。バスがさあ、朝、ちんたら走ってるんですわ。低血圧か。
あと遅いくせにやたらと停留所が多い。
俺らは始発で乗るんですけど、次の停留所が、20メートル先なんですよ。ホントに。ホントに! 20メートル先なんですよ。何なの。それ。その20メートルに130円の価値があるの? せまいから? 道路せまいから?
俺大富豪になったらそこ1000往復する。それが夢(ドリーム)。
で、何だっけ。そう。バスが遅いので、自転車にしよう、と。
空色の自転車を買いました。
これが大正解で。速い速い。ずっと坂道なのも手伝って、40分が5分に短縮された。
通勤時間が1時間ちょっとになった。これなら、まあ、許容範囲内である。なかなか、いいじゃないか。
やあ、傍目から見れば、寮も腐っていれば街も腐ってる。娯楽も何もない、シケた土地ですわ。商店街はあるんだけど、肉屋のステンレス皿は空っぽなこともしばしば。たまに、ベーコンが2、3枚、紙くずのように置かれている。布団屋は何故か2個ある。
まあ、ホント、いつ退寮してやろう、と思ってたんですけど、自転車の出現で、一気に形勢逆転したわけです。
通勤時間は1時間。寮なので家賃が安い(確か月8000円だった)。ある程度お金貯まるまでこの寮に居てもいいかな、とまで思い始めたり。
でも、やっぱり、ダメでした。
ある朝、こう、いつものように自転車で颯爽と坂を下りていたところ、後ろから原付が来たんです。2人乗りしてたんで、「あー、ヤンキーか」と思ったんですけど、あの、フルフェイスしてるんですよ。二人とも。
交通法規を守りたいのか破りたいのかどっちなんだ! と心の中でツッコミを入れて、よし、と、今日も快調でござるぞ! と、ペダルに足をかけたとき、その原付が、歩道を歩いていたお婆さんに近づいて、鞄をギュイと掴んでブウンと走り去りました。
お婆さんは、「捕まえて! 泥棒!」と叫びながら走って、転んだ。
で、車道はバスが40分もかかるくらいの大渋滞なので、みんな窓外の異変に気づくんですね。「え? ひったくりですか?」みたいな感じで次々と窓を開けるんですけど、その頃には原付は渋滞の隙間をくぐって遙か先へ。
渋滞の盲点を突いた、この白昼堂々の犯行。人は大勢いるのに、誰も捕まえられない。
誰か追いかけられる人は……え? 俺? マジで? 何でそんな目で人を見るの。マジで言ってんの? えー、じゃあ、行ってきます!
みんなの期待を一心に背負って、ブルースカイ号は風になりました。
ひったくり犯はナイフとか持ってるかもしれんしもみ合いになるのは嫌だったので、せめてナンバーを覚えようと思いました。
でも、原付は信号無視して次の角を曲がり、見えなくなってしまいました。
お婆さんと警察行って、大したことしゃべれなくて、なんか、めちゃくちゃ悔しくて、あと、何この犯罪都市、と思って、1ヶ月後、その腐り切った街を出ました。
あと、ブルースカイ号は最近上京してきたトム&ハンクスの岩田君にあげました。
自分でその土地を選んだわけじゃない。
前の会社の寮がそこにあって、新人はそこ、と決まってたから。
あの寮はひどかった。5階建てなのにエレベーターが無かった。
あと、寮長さんがカラスをいじめてからというもの、カラスが寮生全員を敵視していて。
1回、友達が階段の踊り場で威嚇されまくって階段を下れずに会社遅刻した。はじめてのおつかいかよ。
いや、分からんでも無い。カラスまじで怖いですよ。近くであのくちばし見て。あれを敵に回したら本当にまずい。ドラクエの敵に居る理由もうなずける。昔はゲームしながら「カラスかよ! 勇者じゃなくても倒せるだろ!」って思ってたけど、あれはやばい。勇気が試されるモンスターである。
何の話だっけ。ああ。寮。
あの寮はひどかったな。4.5畳、バストイレ共同。押し入れを開けたら、「昭和39年 忍耐」という落書きがあった。はじめて水虫をうつされたのもあの寮だ。風呂の入り口に敷いてあった、ヌメヌメしたバスタオル。忘れない。あれ以来、銭湯であっても、温泉であっても、出口の敷物を必ず飛び越える癖がついた。
で、なんというか、その寮がかなり山奥にあって。
バスで駅まで行くんだけど、そのバスが、朝、駅まで40分かかるのね。
そのあと電車に揺られ、乗り継ぎ、通勤時間2時間ですわ。
なんでこんなとこに寮買ったんだっつー話ですけど。
で、当時、仕事がめちゃくちゃ忙しかったんで、あの、早く家に着いて寝たかったし、遅くまで寝てたかったんですね。だから、なんとか通勤時間を削れないか、と考えたところ、バスですよ。バスがさあ、朝、ちんたら走ってるんですわ。低血圧か。
あと遅いくせにやたらと停留所が多い。
俺らは始発で乗るんですけど、次の停留所が、20メートル先なんですよ。ホントに。ホントに! 20メートル先なんですよ。何なの。それ。その20メートルに130円の価値があるの? せまいから? 道路せまいから?
俺大富豪になったらそこ1000往復する。それが夢(ドリーム)。
で、何だっけ。そう。バスが遅いので、自転車にしよう、と。
空色の自転車を買いました。
これが大正解で。速い速い。ずっと坂道なのも手伝って、40分が5分に短縮された。
通勤時間が1時間ちょっとになった。これなら、まあ、許容範囲内である。なかなか、いいじゃないか。
やあ、傍目から見れば、寮も腐っていれば街も腐ってる。娯楽も何もない、シケた土地ですわ。商店街はあるんだけど、肉屋のステンレス皿は空っぽなこともしばしば。たまに、ベーコンが2、3枚、紙くずのように置かれている。布団屋は何故か2個ある。
まあ、ホント、いつ退寮してやろう、と思ってたんですけど、自転車の出現で、一気に形勢逆転したわけです。
通勤時間は1時間。寮なので家賃が安い(確か月8000円だった)。ある程度お金貯まるまでこの寮に居てもいいかな、とまで思い始めたり。
でも、やっぱり、ダメでした。
ある朝、こう、いつものように自転車で颯爽と坂を下りていたところ、後ろから原付が来たんです。2人乗りしてたんで、「あー、ヤンキーか」と思ったんですけど、あの、フルフェイスしてるんですよ。二人とも。
交通法規を守りたいのか破りたいのかどっちなんだ! と心の中でツッコミを入れて、よし、と、今日も快調でござるぞ! と、ペダルに足をかけたとき、その原付が、歩道を歩いていたお婆さんに近づいて、鞄をギュイと掴んでブウンと走り去りました。
お婆さんは、「捕まえて! 泥棒!」と叫びながら走って、転んだ。
で、車道はバスが40分もかかるくらいの大渋滞なので、みんな窓外の異変に気づくんですね。「え? ひったくりですか?」みたいな感じで次々と窓を開けるんですけど、その頃には原付は渋滞の隙間をくぐって遙か先へ。
渋滞の盲点を突いた、この白昼堂々の犯行。人は大勢いるのに、誰も捕まえられない。
誰か追いかけられる人は……え? 俺? マジで? 何でそんな目で人を見るの。マジで言ってんの? えー、じゃあ、行ってきます!
みんなの期待を一心に背負って、ブルースカイ号は風になりました。
ひったくり犯はナイフとか持ってるかもしれんしもみ合いになるのは嫌だったので、せめてナンバーを覚えようと思いました。
でも、原付は信号無視して次の角を曲がり、見えなくなってしまいました。
お婆さんと警察行って、大したことしゃべれなくて、なんか、めちゃくちゃ悔しくて、あと、何この犯罪都市、と思って、1ヶ月後、その腐り切った街を出ました。
あと、ブルースカイ号は最近上京してきたトム&ハンクスの岩田君にあげました。
田園都市線をもう信用しないことにした。
あいつ何なの。まじで。やれ、「信号機壊れたー」だことの、「車両点検でー」だことの言ってるけど、しょっちゅうどこかしらで何かしらなってるじゃないですか。
でね、さらに腹立つのは、あいつら、10分程度の遅延は普通だと思い込んでるふしがあって、謝らないときがあるんですよ。しれっと停車して、でも急いでるもんだからプルルルルー! とかめちゃくちゃ速く鳴らしてプシューって閉めて、普通に待ってるのに乗り遅れそうになるときがある。
プルルルルー! じゃねえよ。何で俺らを急がせることで遅れ取り戻そうとしてるんだ。めちゃくちゃ腹立つんだけど、電車の急所が分からず殴れずに居る。どこだろう。電車の急所って。連結部のビラビラかな。腹っぽいし。
で、さらに腹立つのは、その途中で、あれですよ。ちょっと体調悪い人を降ろしたとするじゃないですか。そうするとね、各駅のたびに言うんですよ。「急病の方の対応をしたため、遅れております!!!」みたいな。そういうときは言うんだ。
と思ってたら、なんだ、もう言われ尽くされてることなのね。
ホント、一回東急は解散したほうがいいよ。でもあれだ、一回解散してもっかい新たに集めたら集めたでまた同じ結果な気がする。なんでだろう。何故か分からないけどそんな気がする。
ところで、なんか日本で一番混んでる電車は田園都市線ってのがテレビでやってたみたいなんだけど、どう測定したのかは見てないので分からないけど、俺の知ってる限りでは相鉄線のほうが混んでた。
田園都市線はまだ体の向きとか変えられますけど、相鉄線の横浜近くは、もうなんか電車という生命体のいち細胞になった気分だった。隣の人と、胃が潰れるくらいくっつきすぎて、境界が曖昧になって、うっかり溶け合いそうになりましたもん。なんか取り込んだかもしれん。となりの人が持ってた財布とか取り込んだかもしれん。ただのスリですけど。それはただのスリですけど。でも捕まったときに、「くっつきすぎて境界が曖昧になって僕のかなって思った」とか言えば、「まあ、分からんでも無い」みたいな反応をされる気がする。そのくらい混んでた。
なんか一回ヤンキー(相鉄線沿線には古き良きヤンキーが居る。これはまた書く)が乗ってて、「いてえよ! おい! いてえよ!」ってキレてたんですけど、その、なんだろ、みんな痛いので、あとキレてもどうにもならないので、なんだろ、虚無に向かってキレてる感じというか、なんだろ、よく分からないけど、仏様って偉大だな、みたいなことを考えたのを思い出した。
あと相鉄線の思い出と言えば、当時唯一の友達だったCDウォークマンが圧死しました。彼の断末魔を、俺はイヤホンを通して聞いた。
キリキリ、キューッ。
今でも耳に残っていて、取れない。
いくら愉快な音楽を聴いても全然取れないし、癒されない。
あいつ何なの。まじで。やれ、「信号機壊れたー」だことの、「車両点検でー」だことの言ってるけど、しょっちゅうどこかしらで何かしらなってるじゃないですか。
でね、さらに腹立つのは、あいつら、10分程度の遅延は普通だと思い込んでるふしがあって、謝らないときがあるんですよ。しれっと停車して、でも急いでるもんだからプルルルルー! とかめちゃくちゃ速く鳴らしてプシューって閉めて、普通に待ってるのに乗り遅れそうになるときがある。
プルルルルー! じゃねえよ。何で俺らを急がせることで遅れ取り戻そうとしてるんだ。めちゃくちゃ腹立つんだけど、電車の急所が分からず殴れずに居る。どこだろう。電車の急所って。連結部のビラビラかな。腹っぽいし。
で、さらに腹立つのは、その途中で、あれですよ。ちょっと体調悪い人を降ろしたとするじゃないですか。そうするとね、各駅のたびに言うんですよ。「急病の方の対応をしたため、遅れております!!!」みたいな。そういうときは言うんだ。
と思ってたら、なんだ、もう言われ尽くされてることなのね。
ホント、一回東急は解散したほうがいいよ。でもあれだ、一回解散してもっかい新たに集めたら集めたでまた同じ結果な気がする。なんでだろう。何故か分からないけどそんな気がする。
ところで、なんか日本で一番混んでる電車は田園都市線ってのがテレビでやってたみたいなんだけど、どう測定したのかは見てないので分からないけど、俺の知ってる限りでは相鉄線のほうが混んでた。
田園都市線はまだ体の向きとか変えられますけど、相鉄線の横浜近くは、もうなんか電車という生命体のいち細胞になった気分だった。隣の人と、胃が潰れるくらいくっつきすぎて、境界が曖昧になって、うっかり溶け合いそうになりましたもん。なんか取り込んだかもしれん。となりの人が持ってた財布とか取り込んだかもしれん。ただのスリですけど。それはただのスリですけど。でも捕まったときに、「くっつきすぎて境界が曖昧になって僕のかなって思った」とか言えば、「まあ、分からんでも無い」みたいな反応をされる気がする。そのくらい混んでた。
なんか一回ヤンキー(相鉄線沿線には古き良きヤンキーが居る。これはまた書く)が乗ってて、「いてえよ! おい! いてえよ!」ってキレてたんですけど、その、なんだろ、みんな痛いので、あとキレてもどうにもならないので、なんだろ、虚無に向かってキレてる感じというか、なんだろ、よく分からないけど、仏様って偉大だな、みたいなことを考えたのを思い出した。
あと相鉄線の思い出と言えば、当時唯一の友達だったCDウォークマンが圧死しました。彼の断末魔を、俺はイヤホンを通して聞いた。
キリキリ、キューッ。
今でも耳に残っていて、取れない。
いくら愉快な音楽を聴いても全然取れないし、癒されない。
こんなのも書いたよ。