ちょっと前に、ホテルに数日間居ました。
ホテルの近くに食べ物屋がありまして、ごはんのときはそこばっかり行ってたんですけど、あのー、お会計がね、金額忘れましたけど、なんか中途半端な数で、968円、みたいな感じだったんですよ。まあ、以降、968円でいきますわ。
で、ちょうど968円ありそうだったんで、硬貨をね、ものすごくじゃらじゃらと出したんです。カジノみたいな感じで積んで。積まないですけど、積んだらカジノだな、と思いながら、10円を20枚とか。
そしたら、店員が、「あ、あと10円……」みたいなこと言うんです。あっすいません! とさらに10円をベットして、店員がそれをレジに入れる。レジはお金を数える機能がついているやつで、ザーッて流し込んでちょっと待つと金額が表示される。
待っている間、俺は、自分でよく調べずに店員の指摘に脊髄反射で10円出したことをちょっと後悔しはじめていました。脊髄こえー。何勝手にやってんだよ。10円だって立派な金だぞ。「10円と、あと5万円と通帳と印鑑」って言われても「あっすいません!」って出しそうな勢いだった。脊髄こえー。あいつに主導権握らせると何するか分かんない。通帳勝手に渡すし、毎日寿司とか食べちゃうかもしれない。「ぼくだって操縦したいのら〜! ぼくに任せるのら〜!」みたいな感じだよ、多分。あ、これ脊髄の真似です。「ぼくがうまいことやっとくのら〜! 寝てていいのら〜!」絶対任せらんない。これでレジに10円多い978円って表示されたら完全に脊髄ペナルティな。脊髄反射禁止。全部脳にやってもらう。熱いものに触っても「うん、これは、非常に熱いね!」って自分の頭で判断してから手を離す。やけどするわ。誰のペナルティだか分からなくなってきた。
そうこうしているうちに、レジに金額が表示される。958円。んー?
アホの脊髄が払った10円には飽き足らず、機械は、さらに10円足りないとぬかしてる。
店員が数え間違えたのか。それとも、機械が硬貨を読み取れなかったのか。っていうか、こうなったら、俺の最初のやつが実は合ってた、みたいな大逆転の可能性も出てきたんじゃないか。俺の主張も完全に対等ですよね。
2人と1台の意見が完全に食い違った。さあ、どうしようか。
と思ったら店員がすぐに「えっと、あと10円……」
えー! 機械の意見を即採用ー!?
お前には人間としてのプライドは無いのか! 今までお前はいくつのモノを数えてきた? 絵本のりんご、池のアヒル、給食のおかず、受験番号、経験人数、初任給、母親の白髪。僕たちは、数えて、数えられて生きてきた。そんな「数える」という能力が弾きだした解答を、こんなにも簡単に捨ててしまっていいのか。
なんとも納得いかなかったのですが、じゃあどうする、というのが思いつかない。「えっさっき数えましたよね」って言おうと思ったんだけど、そんな空気ではない。俺は1回間違えてることになってるので、なんというか、1度死んでる。そこに、さらに店員が機械にミスを指摘され、人間ってほんとあてにならないよね、テヘッ、みたいな、2人で傷をペロペロする空気になってるわけです。
なんかもうめんどくさいんで、10円出しました。10円無いんで、100円出しました。
しかし機械よ。あれはホント? ホントなの?
最初に俺が10円をスッと出したのを見て、「こ、こいつ馬鹿だ〜! チャンスだ〜!」って思ったんじゃないの? こんな感じで馬鹿っぽい客からちょっとずつお金抜いてるに違いないよ。抜いたお金で深夜とかにちょっと高めの電気食ってるんでしょ。風力うめー! みたいな。「今日は地熱仕入れてきたよー」「おおー! 幻の!」みたいな。
何の話でしたっけ。あ、そう、機械、あいつらは気を抜くとホントなめてかかってきますからね。嫁が空気清浄機に近づくとブオオオイイーン! ってフル回転されるんだけど、これも完全になめられてる。
ホテルの近くに食べ物屋がありまして、ごはんのときはそこばっかり行ってたんですけど、あのー、お会計がね、金額忘れましたけど、なんか中途半端な数で、968円、みたいな感じだったんですよ。まあ、以降、968円でいきますわ。
で、ちょうど968円ありそうだったんで、硬貨をね、ものすごくじゃらじゃらと出したんです。カジノみたいな感じで積んで。積まないですけど、積んだらカジノだな、と思いながら、10円を20枚とか。
そしたら、店員が、「あ、あと10円……」みたいなこと言うんです。あっすいません! とさらに10円をベットして、店員がそれをレジに入れる。レジはお金を数える機能がついているやつで、ザーッて流し込んでちょっと待つと金額が表示される。
待っている間、俺は、自分でよく調べずに店員の指摘に脊髄反射で10円出したことをちょっと後悔しはじめていました。脊髄こえー。何勝手にやってんだよ。10円だって立派な金だぞ。「10円と、あと5万円と通帳と印鑑」って言われても「あっすいません!」って出しそうな勢いだった。脊髄こえー。あいつに主導権握らせると何するか分かんない。通帳勝手に渡すし、毎日寿司とか食べちゃうかもしれない。「ぼくだって操縦したいのら〜! ぼくに任せるのら〜!」みたいな感じだよ、多分。あ、これ脊髄の真似です。「ぼくがうまいことやっとくのら〜! 寝てていいのら〜!」絶対任せらんない。これでレジに10円多い978円って表示されたら完全に脊髄ペナルティな。脊髄反射禁止。全部脳にやってもらう。熱いものに触っても「うん、これは、非常に熱いね!」って自分の頭で判断してから手を離す。やけどするわ。誰のペナルティだか分からなくなってきた。
そうこうしているうちに、レジに金額が表示される。958円。んー?
アホの脊髄が払った10円には飽き足らず、機械は、さらに10円足りないとぬかしてる。
店員が数え間違えたのか。それとも、機械が硬貨を読み取れなかったのか。っていうか、こうなったら、俺の最初のやつが実は合ってた、みたいな大逆転の可能性も出てきたんじゃないか。俺の主張も完全に対等ですよね。
2人と1台の意見が完全に食い違った。さあ、どうしようか。
と思ったら店員がすぐに「えっと、あと10円……」
えー! 機械の意見を即採用ー!?
お前には人間としてのプライドは無いのか! 今までお前はいくつのモノを数えてきた? 絵本のりんご、池のアヒル、給食のおかず、受験番号、経験人数、初任給、母親の白髪。僕たちは、数えて、数えられて生きてきた。そんな「数える」という能力が弾きだした解答を、こんなにも簡単に捨ててしまっていいのか。
なんとも納得いかなかったのですが、じゃあどうする、というのが思いつかない。「えっさっき数えましたよね」って言おうと思ったんだけど、そんな空気ではない。俺は1回間違えてることになってるので、なんというか、1度死んでる。そこに、さらに店員が機械にミスを指摘され、人間ってほんとあてにならないよね、テヘッ、みたいな、2人で傷をペロペロする空気になってるわけです。
なんかもうめんどくさいんで、10円出しました。10円無いんで、100円出しました。
しかし機械よ。あれはホント? ホントなの?
最初に俺が10円をスッと出したのを見て、「こ、こいつ馬鹿だ〜! チャンスだ〜!」って思ったんじゃないの? こんな感じで馬鹿っぽい客からちょっとずつお金抜いてるに違いないよ。抜いたお金で深夜とかにちょっと高めの電気食ってるんでしょ。風力うめー! みたいな。「今日は地熱仕入れてきたよー」「おおー! 幻の!」みたいな。
何の話でしたっけ。あ、そう、機械、あいつらは気を抜くとホントなめてかかってきますからね。嫁が空気清浄機に近づくとブオオオイイーン! ってフル回転されるんだけど、これも完全になめられてる。