2008-10-02   思考  
中世ヨーロッパの音楽家たちのクルクルした髪型はヅラである。

まあ、有名な話なんですけど、ああいうヅラをはじめて付けたのはルイ13世と言われています。
ルイ13世は若ハゲで、泣く泣くヅラをつけだしたんだけど、一人だと目立つじゃないですか。だから、「え? 何言ってんの? ファッションだよ?」とか言って、取り巻きの貴族たちと一緒につけたわけですね。

そのうち、ルイ14世の時代になると派手なヅラとかが流行しはじめて、いつのまにか宮廷の正装にまで昇格してしまった。

ハゲかくしの道具を全員に行き渡らせることによって、全員を同じステージに立たせてしまう。なんてスケールのでかいハゲの隠し方。えー、まじカッコいい。

これって何かに似てるなーとずっと思ってたんですけど、あのー、ヤマンバメイク。
今更ですけど。
何であんなの流行ったのかなーってずっと気になってたんですけど、あの、多分ですね、彼らの所属する裏社会の頂点に、その顔の人が居るんですよ。

まあ、ヤマンバでしょうね。この流れで考えれば、妖怪ヤマンバそのものがそこに居なければおかしいですよね。

話は10年ほど前にさかのぼります。

街に出た妖怪ヤマンバは、夜の若者たちをまとめ上げ、一大組織を作り上げました。
でも、ほら、妖怪だから、ぜんっぜんモテないんですよ。男に。怖いし。
でも彼氏とか欲しいじゃないですか。「シャーッ、シャーッ、わらわをモテモテにせよ、シャーッ、シャーッ」みたいなことを言うわけですよ。包丁研ぎながら。

で、取り巻きはさあ、めちゃくちゃ考えるんですね。どうしよう! ボスをモテモテにしないとマジで殺される!!! MK5! マジで殺される5秒前!

まあでも妙案なんてすぐ浮かぶもんでもないので、こう、鬱々と過ごすんですけど、ある日、世界史の授業で先生が何気なく言ったんですね。
「ルイ13世はハゲだったから、カツラを流行らせたんだぞー、ま、これはテストには出ないけどな」
ガタン!
「それだわ!」
「ど、どうした小沢」
「先生ありがとう! 今日私早退します!」
「……おーい。小沢ー」

ボスに似せた化粧をして、「え? 今こういう顔が流行ってんですけど?」とか言って、全員を同じステージに持って行く。

これがヤマンバメイク流行の真相だったのでは。

ヤマンバは一時期絶滅の危機に瀕しましたが、最近また、マンバとかセンターGUYとか、特殊なメイクをする集団が現れているようです。

完全に、新たな良からぬものが山から下りてきてるじゃないですか。なんか居るわー。ヘコむわー。





前後に書いたやつ。
オフ喜利Fの告知[2008-11-07]
寮と空色の自転車のこと[2008-09-22]
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