そういや、箱根のケーブルカーに乗ったときの話。
駅のホームに、地元民らしき人たちが待ってたんです。明らかによそいきの格好ではない、くたびれたジャンパーを羽織っているお兄さん達。余計なお世話だけども、まあ、観光客とはちょっと違っていて、近所にちょっと来たっていう感じのね。
そうか、そうだよな。ケーブルカーって観光客のものみたいな感じだけど、ここに住んでるひとたちだって乗るわな。
3人ほど乗り込んできそうだったので、ちょっとだけ詰めて座りなおしました。
ドアが開いて、お兄さん達が乗り込んできて、逆のドアを開けて、出て行った。
一瞬なんのことやら分からなかったけど、お兄さん達は、電車を、歩道橋代わりに使っていた。
ケーブルカーは単線なので、電車を通り抜けることで、向こうの岸にたどり着くことができる。
無人駅なので、まあ、お金も掛からない。
あとでこのあたりの地図を確認したら、たしかに線路をまたぐ方法が他にない。
や、ものすごく遠くに線路を超えられそうな道はあったんだけど、赤い線のような感じで電車をつっきるのが一番簡単そう。
生活に溶け込んでる風の見事な横切り、あれは毎日やっとるね。毎日数回やっとるね。
移動する、モノを運ぶ以外の電車の使い方を初めて見た。横切る。電車にそんなコマンドあるんだ。
1時間に1回、あちらの世界へ橋が掛かる。それは、生きるための架け橋。
まあ、これはこれで、電車が生活を支える一つの形なのかもしれません。
でも、この使い方、鉄道会社は把握してるんだろうか。
鉄道会社に子供からの要望が来るんだけど、
「きょうは、ひろしくんのいえまででんしゃでいきました。でんしゃのかずがすくないので、あまりよこぎれません。もっとかずをふやして、よこぎりやすくしてください」
横切るって何!
あと、このあたりの人達が、本当の目的では電車に乗ったことが無かったら面白いなあ。
ずっと昔からこの地域の人達は電車を橋として使っていて、親には「はやく渡りきらないと異世界へ連れてかれる」みたいな感じで脅されていて、それが脈々と受け継がれていたら。
ハコ様が来たらすぐに渡らないといけない。とんでもないことが起こる。知り合いの友達のお兄さんは、ハコ様の中に取り残されてしまい、遥か遠くの箱根湯本で発見された。恐ろしや恐ろしや! や、まあ、それが本来の電車の機能なんだけども。
しかも、黒い服を着たハコ様の家来に身ぐるみ剥がされた。恐ろしや恐ろしや! まあ、電車賃なんですけども。わりと高いですからね。ケーブルカー。
雷が近くに落ちた日は、ハコ様が来ない。お怒りじゃ! ハコ様はお怒りじゃ! ただの停電なんですけど。
18歳になると、若者がハコ様にさらわれていく。まあ、就職とか進学なんですけど。
何の話でしたっけ。ケーブルカーを横切る人たちね。あの、あれです。高架橋とか作ればいいんじゃないの、と思いました。
駅のホームに、地元民らしき人たちが待ってたんです。明らかによそいきの格好ではない、くたびれたジャンパーを羽織っているお兄さん達。余計なお世話だけども、まあ、観光客とはちょっと違っていて、近所にちょっと来たっていう感じのね。
そうか、そうだよな。ケーブルカーって観光客のものみたいな感じだけど、ここに住んでるひとたちだって乗るわな。
3人ほど乗り込んできそうだったので、ちょっとだけ詰めて座りなおしました。
ドアが開いて、お兄さん達が乗り込んできて、逆のドアを開けて、出て行った。
一瞬なんのことやら分からなかったけど、お兄さん達は、電車を、歩道橋代わりに使っていた。
ケーブルカーは単線なので、電車を通り抜けることで、向こうの岸にたどり着くことができる。
無人駅なので、まあ、お金も掛からない。
あとでこのあたりの地図を確認したら、たしかに線路をまたぐ方法が他にない。
や、ものすごく遠くに線路を超えられそうな道はあったんだけど、赤い線のような感じで電車をつっきるのが一番簡単そう。
生活に溶け込んでる風の見事な横切り、あれは毎日やっとるね。毎日数回やっとるね。
移動する、モノを運ぶ以外の電車の使い方を初めて見た。横切る。電車にそんなコマンドあるんだ。
1時間に1回、あちらの世界へ橋が掛かる。それは、生きるための架け橋。
まあ、これはこれで、電車が生活を支える一つの形なのかもしれません。
でも、この使い方、鉄道会社は把握してるんだろうか。
鉄道会社に子供からの要望が来るんだけど、
「きょうは、ひろしくんのいえまででんしゃでいきました。でんしゃのかずがすくないので、あまりよこぎれません。もっとかずをふやして、よこぎりやすくしてください」
横切るって何!
あと、このあたりの人達が、本当の目的では電車に乗ったことが無かったら面白いなあ。
ずっと昔からこの地域の人達は電車を橋として使っていて、親には「はやく渡りきらないと異世界へ連れてかれる」みたいな感じで脅されていて、それが脈々と受け継がれていたら。
ハコ様が来たらすぐに渡らないといけない。とんでもないことが起こる。知り合いの友達のお兄さんは、ハコ様の中に取り残されてしまい、遥か遠くの箱根湯本で発見された。恐ろしや恐ろしや! や、まあ、それが本来の電車の機能なんだけども。
しかも、黒い服を着たハコ様の家来に身ぐるみ剥がされた。恐ろしや恐ろしや! まあ、電車賃なんですけども。わりと高いですからね。ケーブルカー。
雷が近くに落ちた日は、ハコ様が来ない。お怒りじゃ! ハコ様はお怒りじゃ! ただの停電なんですけど。
18歳になると、若者がハコ様にさらわれていく。まあ、就職とか進学なんですけど。
何の話でしたっけ。ケーブルカーを横切る人たちね。あの、あれです。高架橋とか作ればいいんじゃないの、と思いました。
こんなのも書いたよ。