2011-02-28   思考  
そういや、箱根のケーブルカーに乗ったときの話。

駅のホームに、地元民らしき人たちが待ってたんです。明らかによそいきの格好ではない、くたびれたジャンパーを羽織っているお兄さん達。余計なお世話だけども、まあ、観光客とはちょっと違っていて、近所にちょっと来たっていう感じのね。

そうか、そうだよな。ケーブルカーって観光客のものみたいな感じだけど、ここに住んでるひとたちだって乗るわな。
3人ほど乗り込んできそうだったので、ちょっとだけ詰めて座りなおしました。

ドアが開いて、お兄さん達が乗り込んできて、逆のドアを開けて、出て行った。

一瞬なんのことやら分からなかったけど、お兄さん達は、電車を、歩道橋代わりに使っていた。
ケーブルカーは単線なので、電車を通り抜けることで、向こうの岸にたどり着くことができる。
無人駅なので、まあ、お金も掛からない。

あとでこのあたりの地図を確認したら、たしかに線路をまたぐ方法が他にない。
や、ものすごく遠くに線路を超えられそうな道はあったんだけど、赤い線のような感じで電車をつっきるのが一番簡単そう。




生活に溶け込んでる風の見事な横切り、あれは毎日やっとるね。毎日数回やっとるね。
移動する、モノを運ぶ以外の電車の使い方を初めて見た。横切る。電車にそんなコマンドあるんだ。

1時間に1回、あちらの世界へ橋が掛かる。それは、生きるための架け橋。
まあ、これはこれで、電車が生活を支える一つの形なのかもしれません。

でも、この使い方、鉄道会社は把握してるんだろうか。
鉄道会社に子供からの要望が来るんだけど、
「きょうは、ひろしくんのいえまででんしゃでいきました。でんしゃのかずがすくないので、あまりよこぎれません。もっとかずをふやして、よこぎりやすくしてください」

横切るって何!

あと、このあたりの人達が、本当の目的では電車に乗ったことが無かったら面白いなあ。
ずっと昔からこの地域の人達は電車を橋として使っていて、親には「はやく渡りきらないと異世界へ連れてかれる」みたいな感じで脅されていて、それが脈々と受け継がれていたら。
ハコ様が来たらすぐに渡らないといけない。とんでもないことが起こる。知り合いの友達のお兄さんは、ハコ様の中に取り残されてしまい、遥か遠くの箱根湯本で発見された。恐ろしや恐ろしや! や、まあ、それが本来の電車の機能なんだけども。
しかも、黒い服を着たハコ様の家来に身ぐるみ剥がされた。恐ろしや恐ろしや! まあ、電車賃なんですけども。わりと高いですからね。ケーブルカー。
雷が近くに落ちた日は、ハコ様が来ない。お怒りじゃ! ハコ様はお怒りじゃ! ただの停電なんですけど。
18歳になると、若者がハコ様にさらわれていく。まあ、就職とか進学なんですけど。


何の話でしたっけ。ケーブルカーを横切る人たちね。あの、あれです。高架橋とか作ればいいんじゃないの、と思いました。







前後に書いたやつ。
鴨居を散歩しました[2011-03-04]
ミュージション[2011-02-21]
このサイトについて。
ヤスノリさんが適当にあることないことを書くサイトです。1997年11月からあります。現在Ver.3です。

詳しいことやお仕事についてはこちら

書いてるものとか、出てるものとか

オモコロのライターやったりやらなかったりしてます。
特集一覧
日記一覧


今日の商品 というしょうもない企画がはじまりました。

オフ喜利4は7月14日(土)・新宿ロフトプラスワン!
「オフ喜利」というオンラインでテキスト書いてる人はオフラインでも面白いのかを検証する大喜利イベントをやってます。新宿ロフトプラスワンで不定期開催中。


オフ喜利のDVDが出てます。送料込み980円ダス

週刊アスキーの大喜利コーナー「Web0.2」。オフ喜利メンバーと連載中です。(ただいまヤスノリは休業中)

WEB0.2 頑固親父が威厳をなくした寝言の内容とは?
で、その悪ふざけが本になりました。あっぱれか喝かで言ったら間違いなく喝。

オモコロ! あたまゆるゆる大全
オモコロ本出ました。



あわせて読みたいブログパーツ