いつのまにか10月になってしまったんですけど。
早いなあ。半袖が長袖になってしまった。あの、いろいろあって、こんな時間空いてしまったんだけど、まあ、ぼちぼちやっていきます。
あー、半袖と言えば、あのー、今の職場って私服OKなんですけど、このせいで、去年の夏には無かった問題が発生して。
半袖をね、俺、よそ行きとして4枚しか持ってないんですわ。普通に着てると、月、火、水、木、で力尽きる。洗えばいいじゃない、って話なんだけど、俺、洗濯機持ってないんですよ。あんまり言うと「かわいそう」みたいに思われるから、なるべく同情を誘わないように明るく言うようにしている。「洗濯機無いんですよ!」 さらりと言うようにしている。 「あ、こっちにも生ひとつ、ええ、うん、あ、ていうか洗濯機無いんですよ」
いやいや、ていうかね、あのー、引っ越した部屋に、洗濯機を置く場所が無かったんですわ。比較的新しいちゃんとした部屋ならば、壁からにょきっと蛇口が出ていて、下に排水溝が付いているような一角があって、誰がどう見ても、洗濯機しか置けない場所、ってあるじゃないですか。
無かった。
で、無いことに気づいたのは、引っ越してちょっと経ってからだったんですよね。洗濯機が置けない! 騙された! 今思えば、あの不動産屋が俺をすぐベランダに案内して眺めばっかり強調したのもこのせいか、とか、わー、まじかよー。でも、今ごろ不動産屋に「洗濯機の置く場所がー」とか言うのって、自分が馬鹿なのを認めたみたいですごい嫌じゃないですか。無いことを承知で借りたことにしておきたい。俺の名誉のために。で、無理やり自分に言い聞かせてね。無くて上等! 洗濯機なんて買ったら引越ししにくくなるだけだぜ! フットワークの軽さで名高い俺にはぴったりの部屋だ! あとコインランドリーってなんかかっこいいぜ!
えー、なんつーか、引っ越した数ヶ月は色眼鏡で部屋とか新しい生活とかを見ていて、かっこいいかっこいい言ってたんですけど、10ヶ月経って冷静に考えると、明らかに、欠陥というか、欠陥でないにしても、なんだろ、駄目なアパートですよ。夜は暴走族うるせーし、住人はやくざか中国人だし。地下キャバクラだし。エレベーターすっごい香水のにおいで。あと、掃除のおばちゃんが、何だろ、妖怪っぽい。こういうことを言ってはいけないのかもしれないけど、全体的に妖怪っぽい。キシャー! みたいにいきなり動きが速くなって間合いを詰められたらどうしよう! とかいつもドキドキする。
で、自分が妖怪っぽいってこと自分でも分かってるんでしょうね、たまに、明らかに、わざと俺らを驚かそうとするんですよ。
俺、7階に住んでるんですけど、玄関出ると、たまにおばちゃんが7階の廊下を掃除していることがあるんですわ。で、挨拶して、通り過ぎますわね。そのあと、アパートに一つしかないエレベーターで1階へ降りて、ウィーンって開くとそこにまたおばちゃんが! ギャア!!!!! なんで!!!!!
おばちゃんは何事も無かったように黙々と雑巾絞ってるんだけど、あの、よく見たら、肩で息をしている。え、階段で降りてきたの? 俺より早く? 何のために?
何のためにって考えたんだけど、そんなに早く降りてきて雑巾を絞らないといけない理由なんて思いつかないし、なんだろ、俺を驚かすためにやってるとしか思えない。何やってんだ、あんた。趣味か。それが唯一の趣味か。
なんかさーもっとさー、編物とかさー。あるじゃん。チェーンステッチとか。
まあ、いいんだけど、あ、そう、話戻すと、そう、半袖が4枚しかなくて、1週間回すには1枚足りないっていう話で、まあ、洗えばいいんだけど、コインランドリーはまとめて週1回って決めている。シャツ数枚洗うためだけにコインランドリー行くようなセレブではない。まあ、シャツ数枚洗うためだけにコインランドリーに行くことがセレブかといわれれば、それもどうかと思うんだけど。
ということで、金曜日は、毎週、困るんです。毎回困る。どうにかすればいいんだけど、どうすることもできず、毎週困る。1回休んだ。着ていくものが無くて休んだ。
で、次の週は、何回も休むわけにもいかないので、パジャマで行った。けっこう、パジャマパジャマしているパジャマで、なんだろー、灰色の夏用パジャマ。とはいえ、ジーンズを履くと、なんかそれなりに見えなくもない。でもパジャマ。
なんか、すげえドキドキした。俺、今、会社をパジャマで歩いてるよ! みたいな。セキュリティールームにパジャマで入室! 厳重に隔離された部屋に、パジャマの男が! やわらかい! お客さんとパジャマで話し合い。パジャマ会談。
なんか話し合いの途中寝ても怒られなさそうじゃない? 俺寝たら、なんか、オルゴールみたいなの流れてね。もわんもわんした映像で。で、ちょっと起きて、音も止まったりするんだけど、そのうち、本格的におねむ。あらあら、みたいな感じで、お客さんも夏掛けみたいのかけてくれると思う。
早いなあ。半袖が長袖になってしまった。あの、いろいろあって、こんな時間空いてしまったんだけど、まあ、ぼちぼちやっていきます。
あー、半袖と言えば、あのー、今の職場って私服OKなんですけど、このせいで、去年の夏には無かった問題が発生して。
半袖をね、俺、よそ行きとして4枚しか持ってないんですわ。普通に着てると、月、火、水、木、で力尽きる。洗えばいいじゃない、って話なんだけど、俺、洗濯機持ってないんですよ。あんまり言うと「かわいそう」みたいに思われるから、なるべく同情を誘わないように明るく言うようにしている。「洗濯機無いんですよ!」 さらりと言うようにしている。 「あ、こっちにも生ひとつ、ええ、うん、あ、ていうか洗濯機無いんですよ」
いやいや、ていうかね、あのー、引っ越した部屋に、洗濯機を置く場所が無かったんですわ。比較的新しいちゃんとした部屋ならば、壁からにょきっと蛇口が出ていて、下に排水溝が付いているような一角があって、誰がどう見ても、洗濯機しか置けない場所、ってあるじゃないですか。
無かった。
で、無いことに気づいたのは、引っ越してちょっと経ってからだったんですよね。洗濯機が置けない! 騙された! 今思えば、あの不動産屋が俺をすぐベランダに案内して眺めばっかり強調したのもこのせいか、とか、わー、まじかよー。でも、今ごろ不動産屋に「洗濯機の置く場所がー」とか言うのって、自分が馬鹿なのを認めたみたいですごい嫌じゃないですか。無いことを承知で借りたことにしておきたい。俺の名誉のために。で、無理やり自分に言い聞かせてね。無くて上等! 洗濯機なんて買ったら引越ししにくくなるだけだぜ! フットワークの軽さで名高い俺にはぴったりの部屋だ! あとコインランドリーってなんかかっこいいぜ!
えー、なんつーか、引っ越した数ヶ月は色眼鏡で部屋とか新しい生活とかを見ていて、かっこいいかっこいい言ってたんですけど、10ヶ月経って冷静に考えると、明らかに、欠陥というか、欠陥でないにしても、なんだろ、駄目なアパートですよ。夜は暴走族うるせーし、住人はやくざか中国人だし。地下キャバクラだし。エレベーターすっごい香水のにおいで。あと、掃除のおばちゃんが、何だろ、妖怪っぽい。こういうことを言ってはいけないのかもしれないけど、全体的に妖怪っぽい。キシャー! みたいにいきなり動きが速くなって間合いを詰められたらどうしよう! とかいつもドキドキする。
で、自分が妖怪っぽいってこと自分でも分かってるんでしょうね、たまに、明らかに、わざと俺らを驚かそうとするんですよ。
俺、7階に住んでるんですけど、玄関出ると、たまにおばちゃんが7階の廊下を掃除していることがあるんですわ。で、挨拶して、通り過ぎますわね。そのあと、アパートに一つしかないエレベーターで1階へ降りて、ウィーンって開くとそこにまたおばちゃんが! ギャア!!!!! なんで!!!!!
おばちゃんは何事も無かったように黙々と雑巾絞ってるんだけど、あの、よく見たら、肩で息をしている。え、階段で降りてきたの? 俺より早く? 何のために?
何のためにって考えたんだけど、そんなに早く降りてきて雑巾を絞らないといけない理由なんて思いつかないし、なんだろ、俺を驚かすためにやってるとしか思えない。何やってんだ、あんた。趣味か。それが唯一の趣味か。
なんかさーもっとさー、編物とかさー。あるじゃん。チェーンステッチとか。
まあ、いいんだけど、あ、そう、話戻すと、そう、半袖が4枚しかなくて、1週間回すには1枚足りないっていう話で、まあ、洗えばいいんだけど、コインランドリーはまとめて週1回って決めている。シャツ数枚洗うためだけにコインランドリー行くようなセレブではない。まあ、シャツ数枚洗うためだけにコインランドリーに行くことがセレブかといわれれば、それもどうかと思うんだけど。
ということで、金曜日は、毎週、困るんです。毎回困る。どうにかすればいいんだけど、どうすることもできず、毎週困る。1回休んだ。着ていくものが無くて休んだ。
で、次の週は、何回も休むわけにもいかないので、パジャマで行った。けっこう、パジャマパジャマしているパジャマで、なんだろー、灰色の夏用パジャマ。とはいえ、ジーンズを履くと、なんかそれなりに見えなくもない。でもパジャマ。
なんか、すげえドキドキした。俺、今、会社をパジャマで歩いてるよ! みたいな。セキュリティールームにパジャマで入室! 厳重に隔離された部屋に、パジャマの男が! やわらかい! お客さんとパジャマで話し合い。パジャマ会談。
なんか話し合いの途中寝ても怒られなさそうじゃない? 俺寝たら、なんか、オルゴールみたいなの流れてね。もわんもわんした映像で。で、ちょっと起きて、音も止まったりするんだけど、そのうち、本格的におねむ。あらあら、みたいな感じで、お客さんも夏掛けみたいのかけてくれると思う。
こんなのも書いたよ。
ケイコの発言:
こんばんは。
雄二の発言:
こんばんは。
ケイコの発言:
ご飯食べた?
雄二の発言:
吉野家行ったよ。
ケイコの発言:
何食べたの?
雄二の発言:
まずいいくら鮭丼食べてきたよ。
ケイコの発言:
まずいの?
雄二の発言:
まずいね。鮭とかただのフレークだし。
ケイコの発言:
まずいなら行かなきゃいいのに。
雄二の発言:
でも、行くんだよ。
ケイコの発言:
なんで。
雄二の発言:
今まで、俺は、吉野家に本当にお世話になってきた。
ケイコの発言:
ああ。
雄二の発言:
朝まで飲んだ後、始発が出るまでの素敵な時間を提供してくれたのは、吉野家だった。
ケイコの発言:
うん。
雄二の発言:
お金がないけど肉が食べたい! そんな学生の理不尽な要求を暖かく包み込んでくれたのは、吉野家だった。
ケイコの発言:
うん。
雄二の発言:
そんな吉野家が、今、ピンチだ。
ケイコの発言:
うん。
雄二の発言:
今度は俺が、吉野家を支える番だ。
ケイコの発言:
えらいね。
雄二の発言:
吉野家に限らず、牛丼屋の売上は厳しいらしいよ。
ケイコの発言:
だろうね。
雄二の発言:
BSE、いわゆる狂牛病のせいで、
ケイコの発言:
うん。
雄二の発言:
牛丼屋はのきなみBAD、いわゆる低迷しているわけで、
ケイコの発言:
うん。
雄二の発言:
SAD、いわゆる泣いているわけですけど、
ケイコの発言:
うん。
雄二の発言:
BUT、いわゆるしかし、
ケイコの発言:
うん。
雄二の発言:
EAT、いわゆる私は食べる。
ケイコの発言:
うん。
雄二の発言:
ELT、いわゆるエブリリトルシング。
ケイコの発言:
ELTは関係ないよね。
雄二の発言:
そうだね。
ケイコの発言:
うん。
雄二の発言:
がんばってほしいよ。本当に。
ケイコの発言:
まあ、牛丼、国民食と言われるまでになったもんね。
雄二の発言:
この間、っても、まだ牛丼ある頃だけどさ、
ケイコの発言:
うん。
雄二の発言:
女子高生が、「並つゆだくギョクー」って流暢に注文してるのを見て、ちょっと感動したもの。
ケイコの発言:
もう通だけのものじゃないってことね。
雄二の発言:
でも、そのあと、つゆだくの牛丼が運ばれてきて、「なんかツユ多くない?」みたいなことを言ってて、殴りたくなった。
ケイコの発言:
自分で頼んだのにね。
雄二の発言:
まあ、それも今は昔。
ケイコの発言:
まあね。
雄二の発言:
今は、豚キムチ丼とか代替メニューで何とか乗り切るしかないんだよね。
ケイコの発言:
まあ、そうだね。
雄二の発言:
うん。
ケイコの発言:
つらいね、吉野家。
雄二の発言:
つらいのは吉野家だけじゃない。すき家とかもつらい。
ケイコの発言:
ああ。
雄二の発言:
おととい、すき家行ったんだよ。
ケイコの発言:
すき屋には、今何があるの?
雄二の発言:
ハンバーグカレー。
ケイコの発言:
え?
雄二の発言:
牛肉あるんじゃん! っていうね。
ケイコの発言:
あるね。
雄二の発言:
1ヵ月後とかに、バイトが、店に山と積まれた牛肉を見て、「あれ、これで牛丼作れば良いんじゃない?」って気づいたりして。店長も、「あ、そうかー」とか言って。
ケイコの発言:
何でそんなに馬鹿なの?
雄二の発言:
多分だけど、数ヶ月まえ、すき家で、牛丼に代わるメニューを考えよ、っていう会議をやったんだよ。
ケイコの発言:
うん。
雄二の発言:
でも、豚丼ぐらいしか意見も出ない。社長もしびれを切らして、「おい、何かないのか、この役立たずども!」
ケイコの発言:
えらい言われようだね。
雄二の発言:
だって、会社の生命線である牛肉がもうそろそろ切れるんだよ。会社の危機だし、そりゃあ声も荒げるよ。
ケイコの発言:
まあ。そうか。
雄二の発言:
そこで、なんか鼻たらしたような新人が、「ハンバーグカレーなんてどうっすかー」
ケイコの発言:
わあ。
雄二の発言:
「いいねえ!」「それだ!」「早速、ハンバーグ用の牛肉を調達しろ!」
ケイコの発言:
えー。
雄二の発言:
数日後、「社長! BSEの影響で、ハンバーグ用の牛肉が手に入りません!」
ケイコの発言:
分かってたことだよね?
雄二の発言:
「何だとう!? 神は、再び我らに試練をお与えになるのか!」
ケイコの発言:
いや、分かってたよね?
雄二の発言:
「社長、どうしますか!」
ケイコの発言:
うん。
雄二の発言:
「どんな汚い手を使ってでもハンバーグのための牛肉を手に入れろ!」
ケイコの発言:
えー。
雄二の発言:
決死の企業努力で、何とか、牛肉を手に入れることに成功したすき家。
ケイコの発言:
うん。
雄二の発言:
「やったあ! 牛肉だ!」「これで牛丼に代わるハンバーグカレーが作れるぞ!」
ケイコの発言:
おかしいよね。
雄二の発言:
そろそろ、気づく頃かな。
ケイコの発言:
うーん。
雄二の発言:
ね。
ケイコの発言:
オーストラリア産のミンチなら安く手に入ったとかそういうことじゃないの?
雄二の発言:
あー! 夢の無いことを言うなよ!
ケイコの発言:
ああ、ごめん。
雄二の発言:
お前は、なんだろーなー、もー。ほんと駄目。お前は、ほんと駄目。
ケイコの発言:
そんな言い方しなくても。
雄二の発言:
お前は、なんか、2階から剣山みたいの落ちてきて死ね。
ケイコの発言:
嫌だよ。
雄二の発言:
その時、「ぎゃふん」って言え。
ケイコの発言:
言わないよ。
雄二の発言:
で、2機目になれ。
ケイコの発言:
ゲームなの?
雄二の発言:
でも、同じところで剣山に当たって死ね。
ケイコの発言:
同じ過ちはしないよ。
雄二の発言:
まあ、いいけども。
ケイコの発言:
うん。
雄二の発言:
寝るかな。
ケイコの発言:
おやすみ。
雄二の発言:
おやすみ。
こんばんは。
雄二の発言:
こんばんは。
ケイコの発言:
ご飯食べた?
雄二の発言:
吉野家行ったよ。
ケイコの発言:
何食べたの?
雄二の発言:
まずいいくら鮭丼食べてきたよ。
ケイコの発言:
まずいの?
雄二の発言:
まずいね。鮭とかただのフレークだし。
ケイコの発言:
まずいなら行かなきゃいいのに。
雄二の発言:
でも、行くんだよ。
ケイコの発言:
なんで。
雄二の発言:
今まで、俺は、吉野家に本当にお世話になってきた。
ケイコの発言:
ああ。
雄二の発言:
朝まで飲んだ後、始発が出るまでの素敵な時間を提供してくれたのは、吉野家だった。
ケイコの発言:
うん。
雄二の発言:
お金がないけど肉が食べたい! そんな学生の理不尽な要求を暖かく包み込んでくれたのは、吉野家だった。
ケイコの発言:
うん。
雄二の発言:
そんな吉野家が、今、ピンチだ。
ケイコの発言:
うん。
雄二の発言:
今度は俺が、吉野家を支える番だ。
ケイコの発言:
えらいね。
雄二の発言:
吉野家に限らず、牛丼屋の売上は厳しいらしいよ。
ケイコの発言:
だろうね。
雄二の発言:
BSE、いわゆる狂牛病のせいで、
ケイコの発言:
うん。
雄二の発言:
牛丼屋はのきなみBAD、いわゆる低迷しているわけで、
ケイコの発言:
うん。
雄二の発言:
SAD、いわゆる泣いているわけですけど、
ケイコの発言:
うん。
雄二の発言:
BUT、いわゆるしかし、
ケイコの発言:
うん。
雄二の発言:
EAT、いわゆる私は食べる。
ケイコの発言:
うん。
雄二の発言:
ELT、いわゆるエブリリトルシング。
ケイコの発言:
ELTは関係ないよね。
雄二の発言:
そうだね。
ケイコの発言:
うん。
雄二の発言:
がんばってほしいよ。本当に。
ケイコの発言:
まあ、牛丼、国民食と言われるまでになったもんね。
雄二の発言:
この間、っても、まだ牛丼ある頃だけどさ、
ケイコの発言:
うん。
雄二の発言:
女子高生が、「並つゆだくギョクー」って流暢に注文してるのを見て、ちょっと感動したもの。
ケイコの発言:
もう通だけのものじゃないってことね。
雄二の発言:
でも、そのあと、つゆだくの牛丼が運ばれてきて、「なんかツユ多くない?」みたいなことを言ってて、殴りたくなった。
ケイコの発言:
自分で頼んだのにね。
雄二の発言:
まあ、それも今は昔。
ケイコの発言:
まあね。
雄二の発言:
今は、豚キムチ丼とか代替メニューで何とか乗り切るしかないんだよね。
ケイコの発言:
まあ、そうだね。
雄二の発言:
うん。
ケイコの発言:
つらいね、吉野家。
雄二の発言:
つらいのは吉野家だけじゃない。すき家とかもつらい。
ケイコの発言:
ああ。
雄二の発言:
おととい、すき家行ったんだよ。
ケイコの発言:
すき屋には、今何があるの?
雄二の発言:
ハンバーグカレー。
ケイコの発言:
え?
雄二の発言:
牛肉あるんじゃん! っていうね。
ケイコの発言:
あるね。
雄二の発言:
1ヵ月後とかに、バイトが、店に山と積まれた牛肉を見て、「あれ、これで牛丼作れば良いんじゃない?」って気づいたりして。店長も、「あ、そうかー」とか言って。
ケイコの発言:
何でそんなに馬鹿なの?
雄二の発言:
多分だけど、数ヶ月まえ、すき家で、牛丼に代わるメニューを考えよ、っていう会議をやったんだよ。
ケイコの発言:
うん。
雄二の発言:
でも、豚丼ぐらいしか意見も出ない。社長もしびれを切らして、「おい、何かないのか、この役立たずども!」
ケイコの発言:
えらい言われようだね。
雄二の発言:
だって、会社の生命線である牛肉がもうそろそろ切れるんだよ。会社の危機だし、そりゃあ声も荒げるよ。
ケイコの発言:
まあ。そうか。
雄二の発言:
そこで、なんか鼻たらしたような新人が、「ハンバーグカレーなんてどうっすかー」
ケイコの発言:
わあ。
雄二の発言:
「いいねえ!」「それだ!」「早速、ハンバーグ用の牛肉を調達しろ!」
ケイコの発言:
えー。
雄二の発言:
数日後、「社長! BSEの影響で、ハンバーグ用の牛肉が手に入りません!」
ケイコの発言:
分かってたことだよね?
雄二の発言:
「何だとう!? 神は、再び我らに試練をお与えになるのか!」
ケイコの発言:
いや、分かってたよね?
雄二の発言:
「社長、どうしますか!」
ケイコの発言:
うん。
雄二の発言:
「どんな汚い手を使ってでもハンバーグのための牛肉を手に入れろ!」
ケイコの発言:
えー。
雄二の発言:
決死の企業努力で、何とか、牛肉を手に入れることに成功したすき家。
ケイコの発言:
うん。
雄二の発言:
「やったあ! 牛肉だ!」「これで牛丼に代わるハンバーグカレーが作れるぞ!」
ケイコの発言:
おかしいよね。
雄二の発言:
そろそろ、気づく頃かな。
ケイコの発言:
うーん。
雄二の発言:
ね。
ケイコの発言:
オーストラリア産のミンチなら安く手に入ったとかそういうことじゃないの?
雄二の発言:
あー! 夢の無いことを言うなよ!
ケイコの発言:
ああ、ごめん。
雄二の発言:
お前は、なんだろーなー、もー。ほんと駄目。お前は、ほんと駄目。
ケイコの発言:
そんな言い方しなくても。
雄二の発言:
お前は、なんか、2階から剣山みたいの落ちてきて死ね。
ケイコの発言:
嫌だよ。
雄二の発言:
その時、「ぎゃふん」って言え。
ケイコの発言:
言わないよ。
雄二の発言:
で、2機目になれ。
ケイコの発言:
ゲームなの?
雄二の発言:
でも、同じところで剣山に当たって死ね。
ケイコの発言:
同じ過ちはしないよ。
雄二の発言:
まあ、いいけども。
ケイコの発言:
うん。
雄二の発言:
寝るかな。
ケイコの発言:
おやすみ。
雄二の発言:
おやすみ。
ケイコの発言:
こんばんは。
雄二の発言:
こんばんは。
ケイコの発言:
今日は早いね。
雄二の発言:
電車がすいてたからね。
ケイコの発言:
電車がすいてても、家に帰る時間は変わらないよね。
雄二の発言:
そうだね。
ケイコの発言:
うん。
雄二の発言:
うん。
ケイコの発言:
今帰ったばかり?
雄二の発言:
そうだよ。ほやほや。
ケイコの発言:
ほやほや。
雄二の発言:
そう、ほやほやだ。
ケイコの発言:
私風邪で学校休んだ。
雄二の発言:
まじで? 大丈夫なの。
ケイコの発言:
もう平気なんだけど。
雄二の発言:
風邪よくひくよね。
ケイコの発言:
そうだね。雄二はひかないの。
雄二の発言:
もうなんだろ、10年くらいひいてない。
ケイコの発言:
うそだ。
雄二の発言:
ホントに。
ケイコの発言:
なんで?
雄二の発言:
なんでだろう。
ケイコの発言:
さあ。
雄二の発言:
強いて言えば。
ケイコの発言:
うん。聞きたい。
雄二の発言:
手をあまり洗わないからかな。
ケイコの発言:
え?
雄二の発言:
手をあまり、洗わないからかな。
ケイコの発言:
一般的な風邪の予防対策と間逆だよね。
雄二の発言:
そうだね。でも、それでもみんな風邪ひくってことは、その予防対策が間違っている、と考えたほうがいいんじゃないか。
ケイコの発言:
えー。
雄二の発言:
現に俺は、手を洗わないことで、風邪をひいてないよ。
ケイコの発言:
そうなの。
雄二の発言:
今も、電車の中でつり革つかまってきた手でパン食べてる。
ケイコの発言:
汚いなあ。
雄二の発言:
あのねー、みんな、手を洗いすぎなんだよ。
ケイコの発言:
そう?
雄二の発言:
で、体に、あまりばい菌が入らなくなってきている。
ケイコの発言:
うん。
雄二の発言:
で、そのうち、体が弱っちゃうんだよ。あー。ばい菌入って来ないし、いっか、みたいな感じで、なまってくる。
ケイコの発言:
まあ、除菌商品が増えてから、免疫力が弱くなってる、みたいなことは言われてるよね。
雄二の発言:
そうそう、それと同じ。手の洗いすぎによって、みんな、体が弱くなってるんだよ。
ケイコの発言:
そうなの?
雄二の発言:
これからは、手洗いは制限されなければならない。
ケイコの発言:
えー。
雄二の発言:
今後、このことに気づいたお役所が、手洗い禁止条例、みたいなのを作ってくると思うよ。
ケイコの発言:
無い無い。
雄二の発言:
まあ、手洗い全体を禁止するのは行き過ぎだとしても、石鹸は制限されると思うよ。
ケイコの発言:
うーん。
雄二の発言:
石鹸のパッケージに、「手の洗いすぎは、あなたの健康を損ねる恐れがあります」みたいな注意書きが。
ケイコの発言:
えー。
雄二の発言:
税がかかって、やたら高くなる石鹸。
ケイコの発言:
うーん。
雄二の発言:
20歳まで、石鹸での手洗いは禁止になる。
ケイコの発言:
なんで!
雄二の発言:
20歳までは、免疫力を高めなければならないから、みたいな感じじゃないの?
ケイコの発言:
ないの? て。投げやりだなあ。
雄二の発言:
石鹸は20歳以上じゃないと買えなくなる。
ケイコの発言:
えー。
雄二の発言:
新年会とかで、親戚の悪いおじさんが、酔った勢いで「ほら、手洗ってみるか、ほら」みたいに石鹸を薦めてくる。
ケイコの発言:
酒感覚だね。
雄二の発言:
小学生の間では、「石鹸で手を洗う感触は、カマキリの卵を手でつぶす時と似てるらしい」みたいな噂が飛び交い、みんな必死でカマキリを探す。
ケイコの発言:
カマキリも災難だね。
雄二の発言:
でも中学生にもなると、もう、なんだろ、そんなカマキリとかじゃ収まらなくなって、はやく本物の石鹸で手を洗いたい。大人になりたい。
ケイコの発言:
うん。
雄二の発言:
で、校舎の裏とかに集まって、手を洗おうとするんだけど。
ケイコの発言:
ああ。
雄二の発言:
でも、初めてだから、こう、どうしていいか分かんないの。「何、これ、こすればいいわけ?」「馬鹿、泡立てんだよ!」
ケイコの発言:
楽しそうだね。
雄二の発言:
「意外と、大したことなかったな」「ああ。どこが良いのか全然わかんねえ」
ケイコの発言:
まだ良さが分からないんだ。
雄二の発言:
でも、話はそこで終わらなくて、校舎の裏に捨てられた石鹸の空き箱を教師が拾って、そのことで臨時集会が開かれる。
ケイコの発言:
ああ。
雄二の発言:
「この中に、校舎の裏で、石鹸で手を洗ったものが居る」
ケイコの発言:
いいよね。別に。
雄二の発言:
「先生は、知ってのとおり、ヘビーウォッシャーだから、説得力は無いかもしれない。でも、これだけは言える。手洗いは、大人になってもできる。お前たちは、今出来ることをやれ」
ケイコの発言:
ヘビーウォッシャー。新しい言葉が出てきた。
雄二の発言:
まあ、そんな忠告もむなしく、不良たちは石鹸で手を洗いまくる。
ケイコの発言:
なんかとても変な感じだけど。
雄二の発言:
高校生になるとさらにエスカレートして、渋谷の女子高生のインタビューで、「え? ミューズ? 私はやらないけど、友達にやってる子いるー」
ケイコの発言:
ミューズ悪いの?
雄二の発言:
当たり前だろ。普通の石鹸が規制されてるのに、薬用石鹸ミューズなんて、違法だよ。
ケイコの発言:
そうなんだ。
雄二の発言:
「今日、先輩の部屋でミューズパーティーやるんだけど」みたいな誘いを受けたり。
ケイコの発言:
そのパーティーは何するの?
雄二の発言:
除菌しまくりの洗いまくりだよ。もう、生きた菌なんて一匹もいやしない、恐ろしいパーティーだよ。
ケイコの発言:
そうなんだ。
雄二の発言:
でも、そこに警察がなだれ込んで、一網打尽。
ケイコの発言:
あーあ。
雄二の発言:
高校生のミューズパーティーの実態! みたいな感じで、マスコミは騒ぎ立てる。
ケイコの発言:
うん。
雄二の発言:
高校生のミューズパーティーを根こそぎ洗い出せ! みたいな感じで。
ケイコの発言:
言い直さなくていいよ。
雄二の発言:
そういう奴は、更生施設に入れられるんだ。
ケイコの発言:
うん。
雄二の発言:
そこで、石鹸で手を洗いすぎることの怖さを、嫌というほど思い知る。
ケイコの発言:
うーん。
雄二の発言:
で、必ずこう言うんだ。
ケイコの発言:
何。
雄二の発言:
「もう、手を洗うことから、足を洗います」
ケイコの発言:
うまくないよ。
雄二の発言:
あれ?
ケイコの発言:
うまくないよ。
雄二の発言:
そう?
ケイコの発言:
うん。
雄二の発言:
うん。
ケイコの発言:
うん。
雄二の発言:
あそう。
ケイコの発言:
うん。終わり?
雄二の発言:
うん。
ケイコの発言:
うん。
雄二の発言:
つーか、風邪ひいてるんでしょ。
ケイコの発言:
うん。
雄二の発言:
早く寝ないと。
ケイコの発言:
ああ。そっか。寝ようかな。
雄二の発言:
うん。そうしな。
ケイコの発言:
おやすみ。
雄二の発言:
おやすみ。
こんばんは。
雄二の発言:
こんばんは。
ケイコの発言:
今日は早いね。
雄二の発言:
電車がすいてたからね。
ケイコの発言:
電車がすいてても、家に帰る時間は変わらないよね。
雄二の発言:
そうだね。
ケイコの発言:
うん。
雄二の発言:
うん。
ケイコの発言:
今帰ったばかり?
雄二の発言:
そうだよ。ほやほや。
ケイコの発言:
ほやほや。
雄二の発言:
そう、ほやほやだ。
ケイコの発言:
私風邪で学校休んだ。
雄二の発言:
まじで? 大丈夫なの。
ケイコの発言:
もう平気なんだけど。
雄二の発言:
風邪よくひくよね。
ケイコの発言:
そうだね。雄二はひかないの。
雄二の発言:
もうなんだろ、10年くらいひいてない。
ケイコの発言:
うそだ。
雄二の発言:
ホントに。
ケイコの発言:
なんで?
雄二の発言:
なんでだろう。
ケイコの発言:
さあ。
雄二の発言:
強いて言えば。
ケイコの発言:
うん。聞きたい。
雄二の発言:
手をあまり洗わないからかな。
ケイコの発言:
え?
雄二の発言:
手をあまり、洗わないからかな。
ケイコの発言:
一般的な風邪の予防対策と間逆だよね。
雄二の発言:
そうだね。でも、それでもみんな風邪ひくってことは、その予防対策が間違っている、と考えたほうがいいんじゃないか。
ケイコの発言:
えー。
雄二の発言:
現に俺は、手を洗わないことで、風邪をひいてないよ。
ケイコの発言:
そうなの。
雄二の発言:
今も、電車の中でつり革つかまってきた手でパン食べてる。
ケイコの発言:
汚いなあ。
雄二の発言:
あのねー、みんな、手を洗いすぎなんだよ。
ケイコの発言:
そう?
雄二の発言:
で、体に、あまりばい菌が入らなくなってきている。
ケイコの発言:
うん。
雄二の発言:
で、そのうち、体が弱っちゃうんだよ。あー。ばい菌入って来ないし、いっか、みたいな感じで、なまってくる。
ケイコの発言:
まあ、除菌商品が増えてから、免疫力が弱くなってる、みたいなことは言われてるよね。
雄二の発言:
そうそう、それと同じ。手の洗いすぎによって、みんな、体が弱くなってるんだよ。
ケイコの発言:
そうなの?
雄二の発言:
これからは、手洗いは制限されなければならない。
ケイコの発言:
えー。
雄二の発言:
今後、このことに気づいたお役所が、手洗い禁止条例、みたいなのを作ってくると思うよ。
ケイコの発言:
無い無い。
雄二の発言:
まあ、手洗い全体を禁止するのは行き過ぎだとしても、石鹸は制限されると思うよ。
ケイコの発言:
うーん。
雄二の発言:
石鹸のパッケージに、「手の洗いすぎは、あなたの健康を損ねる恐れがあります」みたいな注意書きが。
ケイコの発言:
えー。
雄二の発言:
税がかかって、やたら高くなる石鹸。
ケイコの発言:
うーん。
雄二の発言:
20歳まで、石鹸での手洗いは禁止になる。
ケイコの発言:
なんで!
雄二の発言:
20歳までは、免疫力を高めなければならないから、みたいな感じじゃないの?
ケイコの発言:
ないの? て。投げやりだなあ。
雄二の発言:
石鹸は20歳以上じゃないと買えなくなる。
ケイコの発言:
えー。
雄二の発言:
新年会とかで、親戚の悪いおじさんが、酔った勢いで「ほら、手洗ってみるか、ほら」みたいに石鹸を薦めてくる。
ケイコの発言:
酒感覚だね。
雄二の発言:
小学生の間では、「石鹸で手を洗う感触は、カマキリの卵を手でつぶす時と似てるらしい」みたいな噂が飛び交い、みんな必死でカマキリを探す。
ケイコの発言:
カマキリも災難だね。
雄二の発言:
でも中学生にもなると、もう、なんだろ、そんなカマキリとかじゃ収まらなくなって、はやく本物の石鹸で手を洗いたい。大人になりたい。
ケイコの発言:
うん。
雄二の発言:
で、校舎の裏とかに集まって、手を洗おうとするんだけど。
ケイコの発言:
ああ。
雄二の発言:
でも、初めてだから、こう、どうしていいか分かんないの。「何、これ、こすればいいわけ?」「馬鹿、泡立てんだよ!」
ケイコの発言:
楽しそうだね。
雄二の発言:
「意外と、大したことなかったな」「ああ。どこが良いのか全然わかんねえ」
ケイコの発言:
まだ良さが分からないんだ。
雄二の発言:
でも、話はそこで終わらなくて、校舎の裏に捨てられた石鹸の空き箱を教師が拾って、そのことで臨時集会が開かれる。
ケイコの発言:
ああ。
雄二の発言:
「この中に、校舎の裏で、石鹸で手を洗ったものが居る」
ケイコの発言:
いいよね。別に。
雄二の発言:
「先生は、知ってのとおり、ヘビーウォッシャーだから、説得力は無いかもしれない。でも、これだけは言える。手洗いは、大人になってもできる。お前たちは、今出来ることをやれ」
ケイコの発言:
ヘビーウォッシャー。新しい言葉が出てきた。
雄二の発言:
まあ、そんな忠告もむなしく、不良たちは石鹸で手を洗いまくる。
ケイコの発言:
なんかとても変な感じだけど。
雄二の発言:
高校生になるとさらにエスカレートして、渋谷の女子高生のインタビューで、「え? ミューズ? 私はやらないけど、友達にやってる子いるー」
ケイコの発言:
ミューズ悪いの?
雄二の発言:
当たり前だろ。普通の石鹸が規制されてるのに、薬用石鹸ミューズなんて、違法だよ。
ケイコの発言:
そうなんだ。
雄二の発言:
「今日、先輩の部屋でミューズパーティーやるんだけど」みたいな誘いを受けたり。
ケイコの発言:
そのパーティーは何するの?
雄二の発言:
除菌しまくりの洗いまくりだよ。もう、生きた菌なんて一匹もいやしない、恐ろしいパーティーだよ。
ケイコの発言:
そうなんだ。
雄二の発言:
でも、そこに警察がなだれ込んで、一網打尽。
ケイコの発言:
あーあ。
雄二の発言:
高校生のミューズパーティーの実態! みたいな感じで、マスコミは騒ぎ立てる。
ケイコの発言:
うん。
雄二の発言:
高校生のミューズパーティーを根こそぎ洗い出せ! みたいな感じで。
ケイコの発言:
言い直さなくていいよ。
雄二の発言:
そういう奴は、更生施設に入れられるんだ。
ケイコの発言:
うん。
雄二の発言:
そこで、石鹸で手を洗いすぎることの怖さを、嫌というほど思い知る。
ケイコの発言:
うーん。
雄二の発言:
で、必ずこう言うんだ。
ケイコの発言:
何。
雄二の発言:
「もう、手を洗うことから、足を洗います」
ケイコの発言:
うまくないよ。
雄二の発言:
あれ?
ケイコの発言:
うまくないよ。
雄二の発言:
そう?
ケイコの発言:
うん。
雄二の発言:
うん。
ケイコの発言:
うん。
雄二の発言:
あそう。
ケイコの発言:
うん。終わり?
雄二の発言:
うん。
ケイコの発言:
うん。
雄二の発言:
つーか、風邪ひいてるんでしょ。
ケイコの発言:
うん。
雄二の発言:
早く寝ないと。
ケイコの発言:
ああ。そっか。寝ようかな。
雄二の発言:
うん。そうしな。
ケイコの発言:
おやすみ。
雄二の発言:
おやすみ。
ケイコの発言:
こんばんは。
雄二の発言:
こんばんは。
ケイコの発言:
今日は寒いね。
雄二の発言:
そうだね。
ケイコの発言:
今日打つの遅くない?
雄二の発言:
お菓子を食べているからさ!
ケイコの発言:
何故そんな得意気なのかは分からないけど。
雄二の発言:
おいしいからさ!
ケイコの発言:
そう。
雄二の発言:
うん。
ケイコの発言:
おいしいんだ。
雄二の発言:
おいしいよ。
ケイコの発言:
何食べてるの?
雄二の発言:
ぬれせんべい。
ケイコの発言:
何それ。
雄二の発言:
先輩のおみやげでもらったんだけど、
ケイコの発言:
うん。
雄二の発言:
ぐにゃぐにゃしてるせんべい。しょっぱいけどうまい。
ケイコの発言:
湿気てるんじゃないの。
雄二の発言:
違うよ! この能無し!
ケイコの発言:
そこまで言わなくても。
雄二の発言:
醤油がたっぷり染み込んでいて、湿っぽいんだよ。
ケイコの発言:
湿気てるんじゃん。
雄二の発言:
まあ、湿気ているか湿気ていないかの二択なら、そうだけど。
ケイコの発言:
そうじゃん。
雄二の発言:
そうだね。
ケイコの発言:
うん。
雄二の発言:
でも、わざとなんだよ。
ケイコの発言:
まあ。
雄二の発言:
わざとなのかな。
ケイコの発言:
さあ。
雄二の発言:
作ってる最中にちょっと湿気ちゃったせんべいを、ぬれせんべいとして出荷してたらやだなあ。
ケイコの発言:
ああ。
雄二の発言:
せんべい疑惑。
ケイコの発言:
まあ。
雄二の発言:
せんべいと言えば、「こわれせんべい」ってあるじゃん。大袋でよく売ってる。
ケイコの発言:
ああ、最初から割れてるやつね。石垣くずれ、とかいう名前でも売られてる。
雄二の発言:
あれも、考えてみたら、作ってる最中に割れたやつを集めてるだけじゃないか。
ケイコの発言:
まあ。
雄二の発言:
失敗作を、「ぬれせんべい」「こわれせんべい」という名前で売り出してしまう、日本人のずぶとさ。
ケイコの発言:
うーん。
雄二の発言:
そのうち、まずくできちゃったやつを「まずせんべい」とか言って売り出すかもね。
ケイコの発言:
無い無い。
雄二の発言:
カビが生えたやつを、「かびせんべい」とか。
ケイコの発言:
完全に詐欺だね。
雄二の発言:
袋だけで、「無しせんべい」とか。
ケイコの発言:
訴えられるよ。
雄二の発言:
せんべい、すごいなあ。
ケイコの発言:
まあ。
雄二の発言:
せんべい方式にならって、ほかのものもさあ、欠点を特徴としてどんどん売り出してしまえばいい。
ケイコの発言:
うーん。
雄二の発言:
「こわれ牛肉」とか、「こわれ鶏肉」とかね。
ケイコの発言:
BSEと鳥インフルエンザって言いたいわけ?
雄二の発言:
こわれせんべい感覚で、あっさりと食べちゃえるかもしれない。
ケイコの発言:
食べないよ!
雄二の発言:
おいしい! とか言ってね。脳がスポンジ状になりながら。
ケイコの発言:
笑えないよ。
雄二の発言:
電化製品でも、例えば、「ぬれテレビ」とか。
ケイコの発言:
何それ。
雄二の発言:
なんか、濡れ場ばっかり映る。
ケイコの発言:
ニーズはありそうだね。
雄二の発言:
バカ売れだよ。
ケイコの発言:
でも、それしか映らないんでしょ?
雄二の発言:
ニュースも映る。
ケイコの発言:
そうなの?
雄二の発言:
NEWS JAPANの滝川クリステルだけ映る。
ケイコの発言:
なんで。
雄二の発言:
良くわかんないけど、映る。
ケイコの発言:
へえ。
雄二の発言:
あとは、「壊れかけのRadio」とか。
ケイコの発言:
今までのって、それを言うのが目的だったの?
雄二の発言:
いや。思いつきだけど。
ケイコの発言:
そう。
雄二の発言:
いいなあ。せんべい方式。
ケイコの発言:
そう?
雄二の発言:
こわれせんべいの工場とかに勤めたいもの。
ケイコの発言:
なんで。
雄二の発言:
すんげー適当に作っていいんじゃん。どうせ、割るんだし。
ケイコの発言:
ああ。まあ。
雄二の発言:
絶対さあ、うんことかちんことかの形にして遊んでるぜ。
ケイコの発言:
ああ。
雄二の発言:
どうせ割るんだし、いろんないやらしい形作ったり。「うわあ、目もあてられない」みたいなのを。
ケイコの発言:
うーん。
雄二の発言:
「おまえ、よくそんなの作れるなあ。仮にも、口に入れるモノだぜ?」「えへへ」みたいな。
ケイコの発言:
うん。
雄二の発言:
たまーに、ウッカリ割りそびれて、すごいいやらしい形をとどめてるのが混じってたり。
ケイコの発言:
見たことないよ。
雄二の発言:
そのうち、偶然、すげえ綺麗に出来ちゃったりして、逆に割るのがすんごい惜しくなっちゃったり。
ケイコの発言:
うーん。
雄二の発言:
何回もいやらしいせんべいを作ってるうちに、エロを通り越して、芸術、みたいな域に達しちゃったんだよ。
ケイコの発言:
うん。
雄二の発言:
で、ある日突然、俺はもうせんべいを割りたくない! とか言い出したりね。こわれせんべい工場なのに。
ケイコの発言:
うん。
雄二の発言:
もう、こわすだけの生活なんでうんざりだ! とね。
ケイコの発言:
うん。
雄二の発言:
でも、せんべいをこわさなきゃ、クビなわけだよ。
ケイコの発言:
まあ、そういう仕事だからね。
雄二の発言:
「せんべいをこわすか、家庭をこわすか、どっちにするんだ?」みたいなことを社長に言われて。
ケイコの発言:
うん。
雄二の発言:
まあ、普段どおりの、せんべいをこわす生活に戻るんだけどね。
ケイコの発言:
うん。
雄二の発言:
そんな葛藤が、あるわけだよ。こわれせんべいの裏には。
ケイコの発言:
無いと思うよ。
雄二の発言:
全否定しなくても。
ケイコの発言:
だって。
雄二の発言:
まあ、寝るわ。
ケイコの発言:
うん、おやすみ。
雄二の発言:
おやすみ。
こんばんは。
雄二の発言:
こんばんは。
ケイコの発言:
今日は寒いね。
雄二の発言:
そうだね。
ケイコの発言:
今日打つの遅くない?
雄二の発言:
お菓子を食べているからさ!
ケイコの発言:
何故そんな得意気なのかは分からないけど。
雄二の発言:
おいしいからさ!
ケイコの発言:
そう。
雄二の発言:
うん。
ケイコの発言:
おいしいんだ。
雄二の発言:
おいしいよ。
ケイコの発言:
何食べてるの?
雄二の発言:
ぬれせんべい。
ケイコの発言:
何それ。
雄二の発言:
先輩のおみやげでもらったんだけど、
ケイコの発言:
うん。
雄二の発言:
ぐにゃぐにゃしてるせんべい。しょっぱいけどうまい。
ケイコの発言:
湿気てるんじゃないの。
雄二の発言:
違うよ! この能無し!
ケイコの発言:
そこまで言わなくても。
雄二の発言:
醤油がたっぷり染み込んでいて、湿っぽいんだよ。
ケイコの発言:
湿気てるんじゃん。
雄二の発言:
まあ、湿気ているか湿気ていないかの二択なら、そうだけど。
ケイコの発言:
そうじゃん。
雄二の発言:
そうだね。
ケイコの発言:
うん。
雄二の発言:
でも、わざとなんだよ。
ケイコの発言:
まあ。
雄二の発言:
わざとなのかな。
ケイコの発言:
さあ。
雄二の発言:
作ってる最中にちょっと湿気ちゃったせんべいを、ぬれせんべいとして出荷してたらやだなあ。
ケイコの発言:
ああ。
雄二の発言:
せんべい疑惑。
ケイコの発言:
まあ。
雄二の発言:
せんべいと言えば、「こわれせんべい」ってあるじゃん。大袋でよく売ってる。
ケイコの発言:
ああ、最初から割れてるやつね。石垣くずれ、とかいう名前でも売られてる。
雄二の発言:
あれも、考えてみたら、作ってる最中に割れたやつを集めてるだけじゃないか。
ケイコの発言:
まあ。
雄二の発言:
失敗作を、「ぬれせんべい」「こわれせんべい」という名前で売り出してしまう、日本人のずぶとさ。
ケイコの発言:
うーん。
雄二の発言:
そのうち、まずくできちゃったやつを「まずせんべい」とか言って売り出すかもね。
ケイコの発言:
無い無い。
雄二の発言:
カビが生えたやつを、「かびせんべい」とか。
ケイコの発言:
完全に詐欺だね。
雄二の発言:
袋だけで、「無しせんべい」とか。
ケイコの発言:
訴えられるよ。
雄二の発言:
せんべい、すごいなあ。
ケイコの発言:
まあ。
雄二の発言:
せんべい方式にならって、ほかのものもさあ、欠点を特徴としてどんどん売り出してしまえばいい。
ケイコの発言:
うーん。
雄二の発言:
「こわれ牛肉」とか、「こわれ鶏肉」とかね。
ケイコの発言:
BSEと鳥インフルエンザって言いたいわけ?
雄二の発言:
こわれせんべい感覚で、あっさりと食べちゃえるかもしれない。
ケイコの発言:
食べないよ!
雄二の発言:
おいしい! とか言ってね。脳がスポンジ状になりながら。
ケイコの発言:
笑えないよ。
雄二の発言:
電化製品でも、例えば、「ぬれテレビ」とか。
ケイコの発言:
何それ。
雄二の発言:
なんか、濡れ場ばっかり映る。
ケイコの発言:
ニーズはありそうだね。
雄二の発言:
バカ売れだよ。
ケイコの発言:
でも、それしか映らないんでしょ?
雄二の発言:
ニュースも映る。
ケイコの発言:
そうなの?
雄二の発言:
NEWS JAPANの滝川クリステルだけ映る。
ケイコの発言:
なんで。
雄二の発言:
良くわかんないけど、映る。
ケイコの発言:
へえ。
雄二の発言:
あとは、「壊れかけのRadio」とか。
ケイコの発言:
今までのって、それを言うのが目的だったの?
雄二の発言:
いや。思いつきだけど。
ケイコの発言:
そう。
雄二の発言:
いいなあ。せんべい方式。
ケイコの発言:
そう?
雄二の発言:
こわれせんべいの工場とかに勤めたいもの。
ケイコの発言:
なんで。
雄二の発言:
すんげー適当に作っていいんじゃん。どうせ、割るんだし。
ケイコの発言:
ああ。まあ。
雄二の発言:
絶対さあ、うんことかちんことかの形にして遊んでるぜ。
ケイコの発言:
ああ。
雄二の発言:
どうせ割るんだし、いろんないやらしい形作ったり。「うわあ、目もあてられない」みたいなのを。
ケイコの発言:
うーん。
雄二の発言:
「おまえ、よくそんなの作れるなあ。仮にも、口に入れるモノだぜ?」「えへへ」みたいな。
ケイコの発言:
うん。
雄二の発言:
たまーに、ウッカリ割りそびれて、すごいいやらしい形をとどめてるのが混じってたり。
ケイコの発言:
見たことないよ。
雄二の発言:
そのうち、偶然、すげえ綺麗に出来ちゃったりして、逆に割るのがすんごい惜しくなっちゃったり。
ケイコの発言:
うーん。
雄二の発言:
何回もいやらしいせんべいを作ってるうちに、エロを通り越して、芸術、みたいな域に達しちゃったんだよ。
ケイコの発言:
うん。
雄二の発言:
で、ある日突然、俺はもうせんべいを割りたくない! とか言い出したりね。こわれせんべい工場なのに。
ケイコの発言:
うん。
雄二の発言:
もう、こわすだけの生活なんでうんざりだ! とね。
ケイコの発言:
うん。
雄二の発言:
でも、せんべいをこわさなきゃ、クビなわけだよ。
ケイコの発言:
まあ、そういう仕事だからね。
雄二の発言:
「せんべいをこわすか、家庭をこわすか、どっちにするんだ?」みたいなことを社長に言われて。
ケイコの発言:
うん。
雄二の発言:
まあ、普段どおりの、せんべいをこわす生活に戻るんだけどね。
ケイコの発言:
うん。
雄二の発言:
そんな葛藤が、あるわけだよ。こわれせんべいの裏には。
ケイコの発言:
無いと思うよ。
雄二の発言:
全否定しなくても。
ケイコの発言:
だって。
雄二の発言:
まあ、寝るわ。
ケイコの発言:
うん、おやすみ。
雄二の発言:
おやすみ。
こんなのも書いたよ。
ケイコの発言:
こんばんは。
雄二の発言:
あー。
ケイコの発言:
久しぶり。
雄二の発言:
まあ、久しぶりではあるよね。
ケイコの発言:
何かあった?
雄二の発言:
何が。
ケイコの発言:
いや、なんか面白いこととか。
雄二の発言:
今日、会社へ行った。
ケイコの発言:
それは、面白いの?
雄二の発言:
面白いよー。カニ歩きで行った。
ケイコの発言:
へー。
雄二の発言:
かさかさ、かさかさかさ。おはようございまーす。かさかさ。
ケイコの発言:
うん。
雄二の発言:
そしたら、先輩はいもむしで出社してきた。
ケイコの発言:
うん。
雄二の発言:
ごろんごろーん! とかいって、転がりながら。
ケイコの発言:
わー。
雄二の発言:
まだまだ先輩にはかなわないや。
ケイコの発言:
会社、楽しそうでいいね。
雄二の発言:
でしょー。
ケイコの発言:
うん。
雄二の発言:
でも、そこに社長が象の真似しながら来るんだ。
ケイコの発言:
うわあ。
雄二の発言:
ぱおーん! ぱっおーん!
ケイコの発言:
うん。
雄二の発言:
鼻で、そこらへんの書類とかめちゃめちゃにしちゃうの。
ケイコの発言:
鼻というか手ね。
雄二の発言:
俺たちも、いもむしとカニで応戦するんだけど、破壊力が違う。
ケイコの発言:
まあね。
雄二の発言:
ごろんごろーん! かさかさかさかさ。ぱおーん! ぱっおーん!
ケイコの発言:
うん。
雄二の発言:
いやあ、やっぱり社長はすごいや。あっはっはっは。
ケイコの発言:
うん。
雄二の発言:
ようし、昼飯にするか!
ケイコの発言:
え、午前中ずっとそれやってたの?
雄二の発言:
そうだよ。
ケイコの発言:
仕事しなよ。
雄二の発言:
まあ。
ケイコの発言:
うん。
雄二の発言:
午後は午後で、続きをやるんだけどね。
ケイコの発言:
仕事は?
雄二の発言:
まあ、言ってみればそれが仕事かな。
ケイコの発言:
えー。
雄二の発言:
文句でも?
ケイコの発言:
そういうの仕事って言わなくない?
雄二の発言:
赤ちゃんは、寝るのが仕事だよ。
ケイコの発言:
まあ。赤ちゃんはそれでいいけど。
雄二の発言:
俺たちは俺たちでめっちゃ頑張ってるよ。汗かくし。
ケイコの発言:
生産性が全然無いよね。
雄二の発言:
思い出が、残るよ。
ケイコの発言:
へえ。まあいいけど。
雄二の発言:
社長には脱帽だよ。この前はヤギに扮した社長に重要書類全部食べられちゃった。めー。
ケイコの発言:
仕事に支障は無いの?
雄二の発言:
無いと言えば嘘になるけど、背に腹は変えられないからなあ。めー。
ケイコの発言:
その会社辞めたほうがいいよ。
雄二の発言:
え、そうかな?
ケイコの発言:
そうだよ。だって頭使ってないもの。
雄二の発言:
馬鹿、何いってんの。明日何の動物で行くか、すげえ考えるよ。
ケイコの発言:
そうなの?
雄二の発言:
カニ歩きしながら、明日やる予定のらくだのことを考えているもの。
ケイコの発言:
へえ。
雄二の発言:
好きな男に抱かれながらも、違う男の夢を見るもの。
ケイコの発言:
ジュディ・オングね。
雄二の発言:
ビジネスにおいて、常に一手先を考えておけ、という、社長の教えがそこにあると思うんだよ。
ケイコの発言:
うーん。
雄二の発言:
身をもって、教えてくれているわけだ。
ケイコの発言:
そうなんだ。
雄二の発言:
社長のような、立派なビジネスマンになりたいと本気で思う。
ケイコの発言:
ビジネスマンであるかどうかは甚だ疑問だよ。
雄二の発言:
あと、社長はすげーやさしい。
ケイコの発言:
人の話聞いてないでしょ。
雄二の発言:
やさしい。
ケイコの発言:
どういう風に。
雄二の発言:
やっぱり俺とかぺーぺーだから、たくさん叱られるんだけど、
ケイコの発言:
うん。
雄二の発言:
叱った数だけ、クッキーを焼いてくれるんだ。
ケイコの発言:
へえ。
雄二の発言:
あれ?
ケイコの発言:
とても分かりやすいアメとムチだね。
雄二の発言:
社長の悪口を言うな!
ケイコの発言:
まあ。
雄二の発言:
うん。
ケイコの発言:
うん。
雄二の発言:
まあ、でも、社長でもかなわない人が一人居るんだ。
ケイコの発言:
誰。
雄二の発言:
会長だよ。
ケイコの発言:
会長は、何で来るわけ?
雄二の発言:
チューリップだよ。
ケイコの発言:
え? 植物?
雄二の発言:
うん。
ケイコの発言:
象のほうが破壊力抜群そうだけど。
雄二の発言:
はじめは、そうだったよ。ぱおーん、ぱっおーん! と、会長のノートパソコンを机からガタガターって叩き落す社長。
ケイコの発言:
ひどい。
雄二の発言:
多分、会長も、なんか、マジでちょっと怒ったんだろうね。「あー、もう、光合成してやんない」
ケイコの発言:
ん?
雄二の発言:
それを聞いた僕らは、一斉に、「うー。くるしいー。くるしいー」
ケイコの発言:
えー。
雄二の発言:
いくら体は小さくても、酸素作成というコアな技術を握っている奴が、一番強い。俺は、身をもって会長から教わったよ。
ケイコの発言:
うーん。
雄二の発言:
だから次の日、俺は、ブタクサで出社したんだ。
ケイコの発言:
うん。
雄二の発言:
そしたら先輩はシロツメクサで、社長はひまわりだった。
ケイコの発言:
植物ばっかり。
雄二の発言:
すんげー、動き無いよ。
ケイコの発言:
無いだろうね。
雄二の発言:
たまに、社長の向いてる方向が変わってるくらい。
ケイコの発言:
ひまわりだからね。
雄二の発言:
いくらコアな技術でも、みんな真似をしてしまったら、そこに価値は無くなってしまうんだ。ビジネスにおいても、それは同じ。
ケイコの発言:
うーん。
雄二の発言:
勉強、勉強の毎日さ。
ケイコの発言:
へえ。
雄二の発言:
うん。
ケイコの発言:
がんばってね。
雄二の発言:
明日早いし、寝るよ。
ケイコの発言:
ああ、おやすみ。明日は何で行くの?
雄二の発言:
nokko
ケイコの発言:
のっこ?
雄二の発言:
のっこだよ。
ケイコの発言:
全然想像がつかないけど、がんばって。
雄二の発言:
うん。勝算はある。
ケイコの発言:
おやすみ。
雄二の発言:
おやすみ。
こんばんは。
雄二の発言:
あー。
ケイコの発言:
久しぶり。
雄二の発言:
まあ、久しぶりではあるよね。
ケイコの発言:
何かあった?
雄二の発言:
何が。
ケイコの発言:
いや、なんか面白いこととか。
雄二の発言:
今日、会社へ行った。
ケイコの発言:
それは、面白いの?
雄二の発言:
面白いよー。カニ歩きで行った。
ケイコの発言:
へー。
雄二の発言:
かさかさ、かさかさかさ。おはようございまーす。かさかさ。
ケイコの発言:
うん。
雄二の発言:
そしたら、先輩はいもむしで出社してきた。
ケイコの発言:
うん。
雄二の発言:
ごろんごろーん! とかいって、転がりながら。
ケイコの発言:
わー。
雄二の発言:
まだまだ先輩にはかなわないや。
ケイコの発言:
会社、楽しそうでいいね。
雄二の発言:
でしょー。
ケイコの発言:
うん。
雄二の発言:
でも、そこに社長が象の真似しながら来るんだ。
ケイコの発言:
うわあ。
雄二の発言:
ぱおーん! ぱっおーん!
ケイコの発言:
うん。
雄二の発言:
鼻で、そこらへんの書類とかめちゃめちゃにしちゃうの。
ケイコの発言:
鼻というか手ね。
雄二の発言:
俺たちも、いもむしとカニで応戦するんだけど、破壊力が違う。
ケイコの発言:
まあね。
雄二の発言:
ごろんごろーん! かさかさかさかさ。ぱおーん! ぱっおーん!
ケイコの発言:
うん。
雄二の発言:
いやあ、やっぱり社長はすごいや。あっはっはっは。
ケイコの発言:
うん。
雄二の発言:
ようし、昼飯にするか!
ケイコの発言:
え、午前中ずっとそれやってたの?
雄二の発言:
そうだよ。
ケイコの発言:
仕事しなよ。
雄二の発言:
まあ。
ケイコの発言:
うん。
雄二の発言:
午後は午後で、続きをやるんだけどね。
ケイコの発言:
仕事は?
雄二の発言:
まあ、言ってみればそれが仕事かな。
ケイコの発言:
えー。
雄二の発言:
文句でも?
ケイコの発言:
そういうの仕事って言わなくない?
雄二の発言:
赤ちゃんは、寝るのが仕事だよ。
ケイコの発言:
まあ。赤ちゃんはそれでいいけど。
雄二の発言:
俺たちは俺たちでめっちゃ頑張ってるよ。汗かくし。
ケイコの発言:
生産性が全然無いよね。
雄二の発言:
思い出が、残るよ。
ケイコの発言:
へえ。まあいいけど。
雄二の発言:
社長には脱帽だよ。この前はヤギに扮した社長に重要書類全部食べられちゃった。めー。
ケイコの発言:
仕事に支障は無いの?
雄二の発言:
無いと言えば嘘になるけど、背に腹は変えられないからなあ。めー。
ケイコの発言:
その会社辞めたほうがいいよ。
雄二の発言:
え、そうかな?
ケイコの発言:
そうだよ。だって頭使ってないもの。
雄二の発言:
馬鹿、何いってんの。明日何の動物で行くか、すげえ考えるよ。
ケイコの発言:
そうなの?
雄二の発言:
カニ歩きしながら、明日やる予定のらくだのことを考えているもの。
ケイコの発言:
へえ。
雄二の発言:
好きな男に抱かれながらも、違う男の夢を見るもの。
ケイコの発言:
ジュディ・オングね。
雄二の発言:
ビジネスにおいて、常に一手先を考えておけ、という、社長の教えがそこにあると思うんだよ。
ケイコの発言:
うーん。
雄二の発言:
身をもって、教えてくれているわけだ。
ケイコの発言:
そうなんだ。
雄二の発言:
社長のような、立派なビジネスマンになりたいと本気で思う。
ケイコの発言:
ビジネスマンであるかどうかは甚だ疑問だよ。
雄二の発言:
あと、社長はすげーやさしい。
ケイコの発言:
人の話聞いてないでしょ。
雄二の発言:
やさしい。
ケイコの発言:
どういう風に。
雄二の発言:
やっぱり俺とかぺーぺーだから、たくさん叱られるんだけど、
ケイコの発言:
うん。
雄二の発言:
叱った数だけ、クッキーを焼いてくれるんだ。
ケイコの発言:
へえ。
雄二の発言:
あれ?
ケイコの発言:
とても分かりやすいアメとムチだね。
雄二の発言:
社長の悪口を言うな!
ケイコの発言:
まあ。
雄二の発言:
うん。
ケイコの発言:
うん。
雄二の発言:
まあ、でも、社長でもかなわない人が一人居るんだ。
ケイコの発言:
誰。
雄二の発言:
会長だよ。
ケイコの発言:
会長は、何で来るわけ?
雄二の発言:
チューリップだよ。
ケイコの発言:
え? 植物?
雄二の発言:
うん。
ケイコの発言:
象のほうが破壊力抜群そうだけど。
雄二の発言:
はじめは、そうだったよ。ぱおーん、ぱっおーん! と、会長のノートパソコンを机からガタガターって叩き落す社長。
ケイコの発言:
ひどい。
雄二の発言:
多分、会長も、なんか、マジでちょっと怒ったんだろうね。「あー、もう、光合成してやんない」
ケイコの発言:
ん?
雄二の発言:
それを聞いた僕らは、一斉に、「うー。くるしいー。くるしいー」
ケイコの発言:
えー。
雄二の発言:
いくら体は小さくても、酸素作成というコアな技術を握っている奴が、一番強い。俺は、身をもって会長から教わったよ。
ケイコの発言:
うーん。
雄二の発言:
だから次の日、俺は、ブタクサで出社したんだ。
ケイコの発言:
うん。
雄二の発言:
そしたら先輩はシロツメクサで、社長はひまわりだった。
ケイコの発言:
植物ばっかり。
雄二の発言:
すんげー、動き無いよ。
ケイコの発言:
無いだろうね。
雄二の発言:
たまに、社長の向いてる方向が変わってるくらい。
ケイコの発言:
ひまわりだからね。
雄二の発言:
いくらコアな技術でも、みんな真似をしてしまったら、そこに価値は無くなってしまうんだ。ビジネスにおいても、それは同じ。
ケイコの発言:
うーん。
雄二の発言:
勉強、勉強の毎日さ。
ケイコの発言:
へえ。
雄二の発言:
うん。
ケイコの発言:
がんばってね。
雄二の発言:
明日早いし、寝るよ。
ケイコの発言:
ああ、おやすみ。明日は何で行くの?
雄二の発言:
nokko
ケイコの発言:
のっこ?
雄二の発言:
のっこだよ。
ケイコの発言:
全然想像がつかないけど、がんばって。
雄二の発言:
うん。勝算はある。
ケイコの発言:
おやすみ。
雄二の発言:
おやすみ。
こんなのも書いたよ。