風邪をひいた。
お腹痛いので、胃腸風邪といわれるやつかもしれない。
ただまあ、こういう日に限って会議が2個も入っているわけで、あれですよ、先週はハサミで紙をどこまで小さく出来るか、みたいなことをずーっとやってたのに。こういうときに風邪になればいいのに。
でまあ、うつったらゴメン! と思いつつ、風邪薬をガバガバ飲んで、マスクして出かけたわけです。
で、2個目の会議行ったら、3人全員マスクしてるの。
「あ、風邪ですか?」
「そうなんすよ。咳が止まらなくて」
「そうなんすか。僕あれですよ。おなかめちゃくちゃ痛いですよ」
どうやら3人それぞれが違う風邪を引いてるっぽい。
ということは、気を抜くと、別の風邪をもらう可能性がある。やだなー。
ただまあ、今俺が引いてる風邪は多分けっこう強い。肌で感じる強さ、みたいなのあるじゃないですか。ゾクッとする。よほど高等な人間から貰った風邪なのだろう。
これだけ強いと、隣の人の風邪が俺にちょっかい出そうとしたら「これは俺の獲物だ……ひねり潰されたいのか?」みたいなこと言ってる可能性がある。
なんか、そう考えると胃腸風邪がちょっと頼もしい。うしおととらみたい。
目に見えないところで、風邪を携えた者同士の戦いが始まっている。行くぞ! 胃腸風邪! 俺とお前のコンビならきっとやれるさ!
隣の弱小風邪は完全に抑えたとして、正面の風邪。完全に目が死んでる。コントロールされているのか? 見るからに、別格。格が違う。
「気をつけろ……こいつ、強いぞ!」
胃腸風邪から初めて聞くネガティブな言葉。胃腸風邪のこんな姿は見たことがない。
正面が口を開ける。
「来るぞッ!」
構える。
「すいません、みなさん体調悪いみたいなんで、今日ちゃちゃっと終わりにしません?」
賛成でーす。
あと、次の日病院行ったらインフルでした。最強!
お腹痛いので、胃腸風邪といわれるやつかもしれない。
ただまあ、こういう日に限って会議が2個も入っているわけで、あれですよ、先週はハサミで紙をどこまで小さく出来るか、みたいなことをずーっとやってたのに。こういうときに風邪になればいいのに。
でまあ、うつったらゴメン! と思いつつ、風邪薬をガバガバ飲んで、マスクして出かけたわけです。
で、2個目の会議行ったら、3人全員マスクしてるの。
「あ、風邪ですか?」
「そうなんすよ。咳が止まらなくて」
「そうなんすか。僕あれですよ。おなかめちゃくちゃ痛いですよ」
どうやら3人それぞれが違う風邪を引いてるっぽい。
ということは、気を抜くと、別の風邪をもらう可能性がある。やだなー。
ただまあ、今俺が引いてる風邪は多分けっこう強い。肌で感じる強さ、みたいなのあるじゃないですか。ゾクッとする。よほど高等な人間から貰った風邪なのだろう。
これだけ強いと、隣の人の風邪が俺にちょっかい出そうとしたら「これは俺の獲物だ……ひねり潰されたいのか?」みたいなこと言ってる可能性がある。
なんか、そう考えると胃腸風邪がちょっと頼もしい。うしおととらみたい。
目に見えないところで、風邪を携えた者同士の戦いが始まっている。行くぞ! 胃腸風邪! 俺とお前のコンビならきっとやれるさ!
隣の弱小風邪は完全に抑えたとして、正面の風邪。完全に目が死んでる。コントロールされているのか? 見るからに、別格。格が違う。
「気をつけろ……こいつ、強いぞ!」
胃腸風邪から初めて聞くネガティブな言葉。胃腸風邪のこんな姿は見たことがない。
正面が口を開ける。
「来るぞッ!」
構える。
「すいません、みなさん体調悪いみたいなんで、今日ちゃちゃっと終わりにしません?」
賛成でーす。
あと、次の日病院行ったらインフルでした。最強!
こんなのも書いたよ。
コート。
私服用のもこもこしたコートと、スーツ用のビシッとしたコートを持っているんだけど、どう考えても、私服用のもこもこしたコートのほうが暖かい。
で、普段は私服だからもこもこしたコートを着ていくので良いんだけど、たまーにスーツが必要になって、そのときに、スーツ用のコートを着ていくのがどうも納得いかない。だって、最近むちゃくちゃ寒いでしょ。死ぬレベルの。そんな時に、どうして、二番目のコートを着て外へ出なきゃならないんだっつー、そういう。国家の危機に、なんでナンバー2なんだ、っていう。
じゃあ、あれですよ。かっこわるいけど一番性能のいい宇宙服と、かっこいいけど二番目に性能の良い宇宙服があったとするじゃないですか。で、記念撮影のために、二番目に性能の良い宇宙服で外へ出ますか、っていう話ですよ。何だよ二番目に性能が良いって。怖い。一番目よこせよ。
要は、死ぬレベルの話のときに、外見とか、そういうの、もう関係ないじゃないですか。死なないこと、それが大事。
という論理武装まではするんだけど、まあ、多分分かってもらえないだろうなあ、という想像ができる天才なので、僕は。着てきますけどね。スーツ用のを。
で、風邪引いた。誰にぶつければ良い。
私服用のもこもこしたコートと、スーツ用のビシッとしたコートを持っているんだけど、どう考えても、私服用のもこもこしたコートのほうが暖かい。
で、普段は私服だからもこもこしたコートを着ていくので良いんだけど、たまーにスーツが必要になって、そのときに、スーツ用のコートを着ていくのがどうも納得いかない。だって、最近むちゃくちゃ寒いでしょ。死ぬレベルの。そんな時に、どうして、二番目のコートを着て外へ出なきゃならないんだっつー、そういう。国家の危機に、なんでナンバー2なんだ、っていう。
じゃあ、あれですよ。かっこわるいけど一番性能のいい宇宙服と、かっこいいけど二番目に性能の良い宇宙服があったとするじゃないですか。で、記念撮影のために、二番目に性能の良い宇宙服で外へ出ますか、っていう話ですよ。何だよ二番目に性能が良いって。怖い。一番目よこせよ。
要は、死ぬレベルの話のときに、外見とか、そういうの、もう関係ないじゃないですか。死なないこと、それが大事。
という論理武装まではするんだけど、まあ、多分分かってもらえないだろうなあ、という想像ができる天才なので、僕は。着てきますけどね。スーツ用のを。
で、風邪引いた。誰にぶつければ良い。
こんなのも書いたよ。
ケイコの発言:
こんばんは。
雄二の発言:
こんばんは。
ケイコの発言:
今日は早いね。
雄二の発言:
電車がすいてたからね。
ケイコの発言:
電車がすいてても、家に帰る時間は変わらないよね。
雄二の発言:
そうだね。
ケイコの発言:
うん。
雄二の発言:
うん。
ケイコの発言:
今帰ったばかり?
雄二の発言:
そうだよ。ほやほや。
ケイコの発言:
ほやほや。
雄二の発言:
そう、ほやほやだ。
ケイコの発言:
私風邪で学校休んだ。
雄二の発言:
まじで? 大丈夫なの。
ケイコの発言:
もう平気なんだけど。
雄二の発言:
風邪よくひくよね。
ケイコの発言:
そうだね。雄二はひかないの。
雄二の発言:
もうなんだろ、10年くらいひいてない。
ケイコの発言:
うそだ。
雄二の発言:
ホントに。
ケイコの発言:
なんで?
雄二の発言:
なんでだろう。
ケイコの発言:
さあ。
雄二の発言:
強いて言えば。
ケイコの発言:
うん。聞きたい。
雄二の発言:
手をあまり洗わないからかな。
ケイコの発言:
え?
雄二の発言:
手をあまり、洗わないからかな。
ケイコの発言:
一般的な風邪の予防対策と間逆だよね。
雄二の発言:
そうだね。でも、それでもみんな風邪ひくってことは、その予防対策が間違っている、と考えたほうがいいんじゃないか。
ケイコの発言:
えー。
雄二の発言:
現に俺は、手を洗わないことで、風邪をひいてないよ。
ケイコの発言:
そうなの。
雄二の発言:
今も、電車の中でつり革つかまってきた手でパン食べてる。
ケイコの発言:
汚いなあ。
雄二の発言:
あのねー、みんな、手を洗いすぎなんだよ。
ケイコの発言:
そう?
雄二の発言:
で、体に、あまりばい菌が入らなくなってきている。
ケイコの発言:
うん。
雄二の発言:
で、そのうち、体が弱っちゃうんだよ。あー。ばい菌入って来ないし、いっか、みたいな感じで、なまってくる。
ケイコの発言:
まあ、除菌商品が増えてから、免疫力が弱くなってる、みたいなことは言われてるよね。
雄二の発言:
そうそう、それと同じ。手の洗いすぎによって、みんな、体が弱くなってるんだよ。
ケイコの発言:
そうなの?
雄二の発言:
これからは、手洗いは制限されなければならない。
ケイコの発言:
えー。
雄二の発言:
今後、このことに気づいたお役所が、手洗い禁止条例、みたいなのを作ってくると思うよ。
ケイコの発言:
無い無い。
雄二の発言:
まあ、手洗い全体を禁止するのは行き過ぎだとしても、石鹸は制限されると思うよ。
ケイコの発言:
うーん。
雄二の発言:
石鹸のパッケージに、「手の洗いすぎは、あなたの健康を損ねる恐れがあります」みたいな注意書きが。
ケイコの発言:
えー。
雄二の発言:
税がかかって、やたら高くなる石鹸。
ケイコの発言:
うーん。
雄二の発言:
20歳まで、石鹸での手洗いは禁止になる。
ケイコの発言:
なんで!
雄二の発言:
20歳までは、免疫力を高めなければならないから、みたいな感じじゃないの?
ケイコの発言:
ないの? て。投げやりだなあ。
雄二の発言:
石鹸は20歳以上じゃないと買えなくなる。
ケイコの発言:
えー。
雄二の発言:
新年会とかで、親戚の悪いおじさんが、酔った勢いで「ほら、手洗ってみるか、ほら」みたいに石鹸を薦めてくる。
ケイコの発言:
酒感覚だね。
雄二の発言:
小学生の間では、「石鹸で手を洗う感触は、カマキリの卵を手でつぶす時と似てるらしい」みたいな噂が飛び交い、みんな必死でカマキリを探す。
ケイコの発言:
カマキリも災難だね。
雄二の発言:
でも中学生にもなると、もう、なんだろ、そんなカマキリとかじゃ収まらなくなって、はやく本物の石鹸で手を洗いたい。大人になりたい。
ケイコの発言:
うん。
雄二の発言:
で、校舎の裏とかに集まって、手を洗おうとするんだけど。
ケイコの発言:
ああ。
雄二の発言:
でも、初めてだから、こう、どうしていいか分かんないの。「何、これ、こすればいいわけ?」「馬鹿、泡立てんだよ!」
ケイコの発言:
楽しそうだね。
雄二の発言:
「意外と、大したことなかったな」「ああ。どこが良いのか全然わかんねえ」
ケイコの発言:
まだ良さが分からないんだ。
雄二の発言:
でも、話はそこで終わらなくて、校舎の裏に捨てられた石鹸の空き箱を教師が拾って、そのことで臨時集会が開かれる。
ケイコの発言:
ああ。
雄二の発言:
「この中に、校舎の裏で、石鹸で手を洗ったものが居る」
ケイコの発言:
いいよね。別に。
雄二の発言:
「先生は、知ってのとおり、ヘビーウォッシャーだから、説得力は無いかもしれない。でも、これだけは言える。手洗いは、大人になってもできる。お前たちは、今出来ることをやれ」
ケイコの発言:
ヘビーウォッシャー。新しい言葉が出てきた。
雄二の発言:
まあ、そんな忠告もむなしく、不良たちは石鹸で手を洗いまくる。
ケイコの発言:
なんかとても変な感じだけど。
雄二の発言:
高校生になるとさらにエスカレートして、渋谷の女子高生のインタビューで、「え? ミューズ? 私はやらないけど、友達にやってる子いるー」
ケイコの発言:
ミューズ悪いの?
雄二の発言:
当たり前だろ。普通の石鹸が規制されてるのに、薬用石鹸ミューズなんて、違法だよ。
ケイコの発言:
そうなんだ。
雄二の発言:
「今日、先輩の部屋でミューズパーティーやるんだけど」みたいな誘いを受けたり。
ケイコの発言:
そのパーティーは何するの?
雄二の発言:
除菌しまくりの洗いまくりだよ。もう、生きた菌なんて一匹もいやしない、恐ろしいパーティーだよ。
ケイコの発言:
そうなんだ。
雄二の発言:
でも、そこに警察がなだれ込んで、一網打尽。
ケイコの発言:
あーあ。
雄二の発言:
高校生のミューズパーティーの実態! みたいな感じで、マスコミは騒ぎ立てる。
ケイコの発言:
うん。
雄二の発言:
高校生のミューズパーティーを根こそぎ洗い出せ! みたいな感じで。
ケイコの発言:
言い直さなくていいよ。
雄二の発言:
そういう奴は、更生施設に入れられるんだ。
ケイコの発言:
うん。
雄二の発言:
そこで、石鹸で手を洗いすぎることの怖さを、嫌というほど思い知る。
ケイコの発言:
うーん。
雄二の発言:
で、必ずこう言うんだ。
ケイコの発言:
何。
雄二の発言:
「もう、手を洗うことから、足を洗います」
ケイコの発言:
うまくないよ。
雄二の発言:
あれ?
ケイコの発言:
うまくないよ。
雄二の発言:
そう?
ケイコの発言:
うん。
雄二の発言:
うん。
ケイコの発言:
うん。
雄二の発言:
あそう。
ケイコの発言:
うん。終わり?
雄二の発言:
うん。
ケイコの発言:
うん。
雄二の発言:
つーか、風邪ひいてるんでしょ。
ケイコの発言:
うん。
雄二の発言:
早く寝ないと。
ケイコの発言:
ああ。そっか。寝ようかな。
雄二の発言:
うん。そうしな。
ケイコの発言:
おやすみ。
雄二の発言:
おやすみ。
こんばんは。
雄二の発言:
こんばんは。
ケイコの発言:
今日は早いね。
雄二の発言:
電車がすいてたからね。
ケイコの発言:
電車がすいてても、家に帰る時間は変わらないよね。
雄二の発言:
そうだね。
ケイコの発言:
うん。
雄二の発言:
うん。
ケイコの発言:
今帰ったばかり?
雄二の発言:
そうだよ。ほやほや。
ケイコの発言:
ほやほや。
雄二の発言:
そう、ほやほやだ。
ケイコの発言:
私風邪で学校休んだ。
雄二の発言:
まじで? 大丈夫なの。
ケイコの発言:
もう平気なんだけど。
雄二の発言:
風邪よくひくよね。
ケイコの発言:
そうだね。雄二はひかないの。
雄二の発言:
もうなんだろ、10年くらいひいてない。
ケイコの発言:
うそだ。
雄二の発言:
ホントに。
ケイコの発言:
なんで?
雄二の発言:
なんでだろう。
ケイコの発言:
さあ。
雄二の発言:
強いて言えば。
ケイコの発言:
うん。聞きたい。
雄二の発言:
手をあまり洗わないからかな。
ケイコの発言:
え?
雄二の発言:
手をあまり、洗わないからかな。
ケイコの発言:
一般的な風邪の予防対策と間逆だよね。
雄二の発言:
そうだね。でも、それでもみんな風邪ひくってことは、その予防対策が間違っている、と考えたほうがいいんじゃないか。
ケイコの発言:
えー。
雄二の発言:
現に俺は、手を洗わないことで、風邪をひいてないよ。
ケイコの発言:
そうなの。
雄二の発言:
今も、電車の中でつり革つかまってきた手でパン食べてる。
ケイコの発言:
汚いなあ。
雄二の発言:
あのねー、みんな、手を洗いすぎなんだよ。
ケイコの発言:
そう?
雄二の発言:
で、体に、あまりばい菌が入らなくなってきている。
ケイコの発言:
うん。
雄二の発言:
で、そのうち、体が弱っちゃうんだよ。あー。ばい菌入って来ないし、いっか、みたいな感じで、なまってくる。
ケイコの発言:
まあ、除菌商品が増えてから、免疫力が弱くなってる、みたいなことは言われてるよね。
雄二の発言:
そうそう、それと同じ。手の洗いすぎによって、みんな、体が弱くなってるんだよ。
ケイコの発言:
そうなの?
雄二の発言:
これからは、手洗いは制限されなければならない。
ケイコの発言:
えー。
雄二の発言:
今後、このことに気づいたお役所が、手洗い禁止条例、みたいなのを作ってくると思うよ。
ケイコの発言:
無い無い。
雄二の発言:
まあ、手洗い全体を禁止するのは行き過ぎだとしても、石鹸は制限されると思うよ。
ケイコの発言:
うーん。
雄二の発言:
石鹸のパッケージに、「手の洗いすぎは、あなたの健康を損ねる恐れがあります」みたいな注意書きが。
ケイコの発言:
えー。
雄二の発言:
税がかかって、やたら高くなる石鹸。
ケイコの発言:
うーん。
雄二の発言:
20歳まで、石鹸での手洗いは禁止になる。
ケイコの発言:
なんで!
雄二の発言:
20歳までは、免疫力を高めなければならないから、みたいな感じじゃないの?
ケイコの発言:
ないの? て。投げやりだなあ。
雄二の発言:
石鹸は20歳以上じゃないと買えなくなる。
ケイコの発言:
えー。
雄二の発言:
新年会とかで、親戚の悪いおじさんが、酔った勢いで「ほら、手洗ってみるか、ほら」みたいに石鹸を薦めてくる。
ケイコの発言:
酒感覚だね。
雄二の発言:
小学生の間では、「石鹸で手を洗う感触は、カマキリの卵を手でつぶす時と似てるらしい」みたいな噂が飛び交い、みんな必死でカマキリを探す。
ケイコの発言:
カマキリも災難だね。
雄二の発言:
でも中学生にもなると、もう、なんだろ、そんなカマキリとかじゃ収まらなくなって、はやく本物の石鹸で手を洗いたい。大人になりたい。
ケイコの発言:
うん。
雄二の発言:
で、校舎の裏とかに集まって、手を洗おうとするんだけど。
ケイコの発言:
ああ。
雄二の発言:
でも、初めてだから、こう、どうしていいか分かんないの。「何、これ、こすればいいわけ?」「馬鹿、泡立てんだよ!」
ケイコの発言:
楽しそうだね。
雄二の発言:
「意外と、大したことなかったな」「ああ。どこが良いのか全然わかんねえ」
ケイコの発言:
まだ良さが分からないんだ。
雄二の発言:
でも、話はそこで終わらなくて、校舎の裏に捨てられた石鹸の空き箱を教師が拾って、そのことで臨時集会が開かれる。
ケイコの発言:
ああ。
雄二の発言:
「この中に、校舎の裏で、石鹸で手を洗ったものが居る」
ケイコの発言:
いいよね。別に。
雄二の発言:
「先生は、知ってのとおり、ヘビーウォッシャーだから、説得力は無いかもしれない。でも、これだけは言える。手洗いは、大人になってもできる。お前たちは、今出来ることをやれ」
ケイコの発言:
ヘビーウォッシャー。新しい言葉が出てきた。
雄二の発言:
まあ、そんな忠告もむなしく、不良たちは石鹸で手を洗いまくる。
ケイコの発言:
なんかとても変な感じだけど。
雄二の発言:
高校生になるとさらにエスカレートして、渋谷の女子高生のインタビューで、「え? ミューズ? 私はやらないけど、友達にやってる子いるー」
ケイコの発言:
ミューズ悪いの?
雄二の発言:
当たり前だろ。普通の石鹸が規制されてるのに、薬用石鹸ミューズなんて、違法だよ。
ケイコの発言:
そうなんだ。
雄二の発言:
「今日、先輩の部屋でミューズパーティーやるんだけど」みたいな誘いを受けたり。
ケイコの発言:
そのパーティーは何するの?
雄二の発言:
除菌しまくりの洗いまくりだよ。もう、生きた菌なんて一匹もいやしない、恐ろしいパーティーだよ。
ケイコの発言:
そうなんだ。
雄二の発言:
でも、そこに警察がなだれ込んで、一網打尽。
ケイコの発言:
あーあ。
雄二の発言:
高校生のミューズパーティーの実態! みたいな感じで、マスコミは騒ぎ立てる。
ケイコの発言:
うん。
雄二の発言:
高校生のミューズパーティーを根こそぎ洗い出せ! みたいな感じで。
ケイコの発言:
言い直さなくていいよ。
雄二の発言:
そういう奴は、更生施設に入れられるんだ。
ケイコの発言:
うん。
雄二の発言:
そこで、石鹸で手を洗いすぎることの怖さを、嫌というほど思い知る。
ケイコの発言:
うーん。
雄二の発言:
で、必ずこう言うんだ。
ケイコの発言:
何。
雄二の発言:
「もう、手を洗うことから、足を洗います」
ケイコの発言:
うまくないよ。
雄二の発言:
あれ?
ケイコの発言:
うまくないよ。
雄二の発言:
そう?
ケイコの発言:
うん。
雄二の発言:
うん。
ケイコの発言:
うん。
雄二の発言:
あそう。
ケイコの発言:
うん。終わり?
雄二の発言:
うん。
ケイコの発言:
うん。
雄二の発言:
つーか、風邪ひいてるんでしょ。
ケイコの発言:
うん。
雄二の発言:
早く寝ないと。
ケイコの発言:
ああ。そっか。寝ようかな。
雄二の発言:
うん。そうしな。
ケイコの発言:
おやすみ。
雄二の発言:
おやすみ。
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