ケイコの発言:
こんばんは。
雄二の発言:
こんばんは。
ケイコの発言:
今日は寒いね。
雄二の発言:
そうだね。
ケイコの発言:
今日打つの遅くない?
雄二の発言:
お菓子を食べているからさ!
ケイコの発言:
何故そんな得意気なのかは分からないけど。
雄二の発言:
おいしいからさ!
ケイコの発言:
そう。
雄二の発言:
うん。
ケイコの発言:
おいしいんだ。
雄二の発言:
おいしいよ。
ケイコの発言:
何食べてるの?
雄二の発言:
ぬれせんべい。
ケイコの発言:
何それ。
雄二の発言:
先輩のおみやげでもらったんだけど、
ケイコの発言:
うん。
雄二の発言:
ぐにゃぐにゃしてるせんべい。しょっぱいけどうまい。
ケイコの発言:
湿気てるんじゃないの。
雄二の発言:
違うよ! この能無し!
ケイコの発言:
そこまで言わなくても。
雄二の発言:
醤油がたっぷり染み込んでいて、湿っぽいんだよ。
ケイコの発言:
湿気てるんじゃん。
雄二の発言:
まあ、湿気ているか湿気ていないかの二択なら、そうだけど。
ケイコの発言:
そうじゃん。
雄二の発言:
そうだね。
ケイコの発言:
うん。
雄二の発言:
でも、わざとなんだよ。
ケイコの発言:
まあ。
雄二の発言:
わざとなのかな。
ケイコの発言:
さあ。
雄二の発言:
作ってる最中にちょっと湿気ちゃったせんべいを、ぬれせんべいとして出荷してたらやだなあ。
ケイコの発言:
ああ。
雄二の発言:
せんべい疑惑。
ケイコの発言:
まあ。
雄二の発言:
せんべいと言えば、「こわれせんべい」ってあるじゃん。大袋でよく売ってる。
ケイコの発言:
ああ、最初から割れてるやつね。石垣くずれ、とかいう名前でも売られてる。
雄二の発言:
あれも、考えてみたら、作ってる最中に割れたやつを集めてるだけじゃないか。
ケイコの発言:
まあ。
雄二の発言:
失敗作を、「ぬれせんべい」「こわれせんべい」という名前で売り出してしまう、日本人のずぶとさ。
ケイコの発言:
うーん。
雄二の発言:
そのうち、まずくできちゃったやつを「まずせんべい」とか言って売り出すかもね。
ケイコの発言:
無い無い。
雄二の発言:
カビが生えたやつを、「かびせんべい」とか。
ケイコの発言:
完全に詐欺だね。
雄二の発言:
袋だけで、「無しせんべい」とか。
ケイコの発言:
訴えられるよ。
雄二の発言:
せんべい、すごいなあ。
ケイコの発言:
まあ。
雄二の発言:
せんべい方式にならって、ほかのものもさあ、欠点を特徴としてどんどん売り出してしまえばいい。
ケイコの発言:
うーん。
雄二の発言:
「こわれ牛肉」とか、「こわれ鶏肉」とかね。
ケイコの発言:
BSEと鳥インフルエンザって言いたいわけ?
雄二の発言:
こわれせんべい感覚で、あっさりと食べちゃえるかもしれない。
ケイコの発言:
食べないよ!
雄二の発言:
おいしい! とか言ってね。脳がスポンジ状になりながら。
ケイコの発言:
笑えないよ。
雄二の発言:
電化製品でも、例えば、「ぬれテレビ」とか。
ケイコの発言:
何それ。
雄二の発言:
なんか、濡れ場ばっかり映る。
ケイコの発言:
ニーズはありそうだね。
雄二の発言:
バカ売れだよ。
ケイコの発言:
でも、それしか映らないんでしょ?
雄二の発言:
ニュースも映る。
ケイコの発言:
そうなの?
雄二の発言:
NEWS JAPANの滝川クリステルだけ映る。
ケイコの発言:
なんで。
雄二の発言:
良くわかんないけど、映る。
ケイコの発言:
へえ。
雄二の発言:
あとは、「壊れかけのRadio」とか。
ケイコの発言:
今までのって、それを言うのが目的だったの?
雄二の発言:
いや。思いつきだけど。
ケイコの発言:
そう。
雄二の発言:
いいなあ。せんべい方式。
ケイコの発言:
そう?
雄二の発言:
こわれせんべいの工場とかに勤めたいもの。
ケイコの発言:
なんで。
雄二の発言:
すんげー適当に作っていいんじゃん。どうせ、割るんだし。
ケイコの発言:
ああ。まあ。
雄二の発言:
絶対さあ、うんことかちんことかの形にして遊んでるぜ。
ケイコの発言:
ああ。
雄二の発言:
どうせ割るんだし、いろんないやらしい形作ったり。「うわあ、目もあてられない」みたいなのを。
ケイコの発言:
うーん。
雄二の発言:
「おまえ、よくそんなの作れるなあ。仮にも、口に入れるモノだぜ?」「えへへ」みたいな。
ケイコの発言:
うん。
雄二の発言:
たまーに、ウッカリ割りそびれて、すごいいやらしい形をとどめてるのが混じってたり。
ケイコの発言:
見たことないよ。
雄二の発言:
そのうち、偶然、すげえ綺麗に出来ちゃったりして、逆に割るのがすんごい惜しくなっちゃったり。
ケイコの発言:
うーん。
雄二の発言:
何回もいやらしいせんべいを作ってるうちに、エロを通り越して、芸術、みたいな域に達しちゃったんだよ。
ケイコの発言:
うん。
雄二の発言:
で、ある日突然、俺はもうせんべいを割りたくない! とか言い出したりね。こわれせんべい工場なのに。
ケイコの発言:
うん。
雄二の発言:
もう、こわすだけの生活なんでうんざりだ! とね。
ケイコの発言:
うん。
雄二の発言:
でも、せんべいをこわさなきゃ、クビなわけだよ。
ケイコの発言:
まあ、そういう仕事だからね。
雄二の発言:
「せんべいをこわすか、家庭をこわすか、どっちにするんだ?」みたいなことを社長に言われて。
ケイコの発言:
うん。
雄二の発言:
まあ、普段どおりの、せんべいをこわす生活に戻るんだけどね。
ケイコの発言:
うん。
雄二の発言:
そんな葛藤が、あるわけだよ。こわれせんべいの裏には。
ケイコの発言:
無いと思うよ。
雄二の発言:
全否定しなくても。
ケイコの発言:
だって。
雄二の発言:
まあ、寝るわ。
ケイコの発言:
うん、おやすみ。
雄二の発言:
おやすみ。
こんばんは。
雄二の発言:
こんばんは。
ケイコの発言:
今日は寒いね。
雄二の発言:
そうだね。
ケイコの発言:
今日打つの遅くない?
雄二の発言:
お菓子を食べているからさ!
ケイコの発言:
何故そんな得意気なのかは分からないけど。
雄二の発言:
おいしいからさ!
ケイコの発言:
そう。
雄二の発言:
うん。
ケイコの発言:
おいしいんだ。
雄二の発言:
おいしいよ。
ケイコの発言:
何食べてるの?
雄二の発言:
ぬれせんべい。
ケイコの発言:
何それ。
雄二の発言:
先輩のおみやげでもらったんだけど、
ケイコの発言:
うん。
雄二の発言:
ぐにゃぐにゃしてるせんべい。しょっぱいけどうまい。
ケイコの発言:
湿気てるんじゃないの。
雄二の発言:
違うよ! この能無し!
ケイコの発言:
そこまで言わなくても。
雄二の発言:
醤油がたっぷり染み込んでいて、湿っぽいんだよ。
ケイコの発言:
湿気てるんじゃん。
雄二の発言:
まあ、湿気ているか湿気ていないかの二択なら、そうだけど。
ケイコの発言:
そうじゃん。
雄二の発言:
そうだね。
ケイコの発言:
うん。
雄二の発言:
でも、わざとなんだよ。
ケイコの発言:
まあ。
雄二の発言:
わざとなのかな。
ケイコの発言:
さあ。
雄二の発言:
作ってる最中にちょっと湿気ちゃったせんべいを、ぬれせんべいとして出荷してたらやだなあ。
ケイコの発言:
ああ。
雄二の発言:
せんべい疑惑。
ケイコの発言:
まあ。
雄二の発言:
せんべいと言えば、「こわれせんべい」ってあるじゃん。大袋でよく売ってる。
ケイコの発言:
ああ、最初から割れてるやつね。石垣くずれ、とかいう名前でも売られてる。
雄二の発言:
あれも、考えてみたら、作ってる最中に割れたやつを集めてるだけじゃないか。
ケイコの発言:
まあ。
雄二の発言:
失敗作を、「ぬれせんべい」「こわれせんべい」という名前で売り出してしまう、日本人のずぶとさ。
ケイコの発言:
うーん。
雄二の発言:
そのうち、まずくできちゃったやつを「まずせんべい」とか言って売り出すかもね。
ケイコの発言:
無い無い。
雄二の発言:
カビが生えたやつを、「かびせんべい」とか。
ケイコの発言:
完全に詐欺だね。
雄二の発言:
袋だけで、「無しせんべい」とか。
ケイコの発言:
訴えられるよ。
雄二の発言:
せんべい、すごいなあ。
ケイコの発言:
まあ。
雄二の発言:
せんべい方式にならって、ほかのものもさあ、欠点を特徴としてどんどん売り出してしまえばいい。
ケイコの発言:
うーん。
雄二の発言:
「こわれ牛肉」とか、「こわれ鶏肉」とかね。
ケイコの発言:
BSEと鳥インフルエンザって言いたいわけ?
雄二の発言:
こわれせんべい感覚で、あっさりと食べちゃえるかもしれない。
ケイコの発言:
食べないよ!
雄二の発言:
おいしい! とか言ってね。脳がスポンジ状になりながら。
ケイコの発言:
笑えないよ。
雄二の発言:
電化製品でも、例えば、「ぬれテレビ」とか。
ケイコの発言:
何それ。
雄二の発言:
なんか、濡れ場ばっかり映る。
ケイコの発言:
ニーズはありそうだね。
雄二の発言:
バカ売れだよ。
ケイコの発言:
でも、それしか映らないんでしょ?
雄二の発言:
ニュースも映る。
ケイコの発言:
そうなの?
雄二の発言:
NEWS JAPANの滝川クリステルだけ映る。
ケイコの発言:
なんで。
雄二の発言:
良くわかんないけど、映る。
ケイコの発言:
へえ。
雄二の発言:
あとは、「壊れかけのRadio」とか。
ケイコの発言:
今までのって、それを言うのが目的だったの?
雄二の発言:
いや。思いつきだけど。
ケイコの発言:
そう。
雄二の発言:
いいなあ。せんべい方式。
ケイコの発言:
そう?
雄二の発言:
こわれせんべいの工場とかに勤めたいもの。
ケイコの発言:
なんで。
雄二の発言:
すんげー適当に作っていいんじゃん。どうせ、割るんだし。
ケイコの発言:
ああ。まあ。
雄二の発言:
絶対さあ、うんことかちんことかの形にして遊んでるぜ。
ケイコの発言:
ああ。
雄二の発言:
どうせ割るんだし、いろんないやらしい形作ったり。「うわあ、目もあてられない」みたいなのを。
ケイコの発言:
うーん。
雄二の発言:
「おまえ、よくそんなの作れるなあ。仮にも、口に入れるモノだぜ?」「えへへ」みたいな。
ケイコの発言:
うん。
雄二の発言:
たまーに、ウッカリ割りそびれて、すごいいやらしい形をとどめてるのが混じってたり。
ケイコの発言:
見たことないよ。
雄二の発言:
そのうち、偶然、すげえ綺麗に出来ちゃったりして、逆に割るのがすんごい惜しくなっちゃったり。
ケイコの発言:
うーん。
雄二の発言:
何回もいやらしいせんべいを作ってるうちに、エロを通り越して、芸術、みたいな域に達しちゃったんだよ。
ケイコの発言:
うん。
雄二の発言:
で、ある日突然、俺はもうせんべいを割りたくない! とか言い出したりね。こわれせんべい工場なのに。
ケイコの発言:
うん。
雄二の発言:
もう、こわすだけの生活なんでうんざりだ! とね。
ケイコの発言:
うん。
雄二の発言:
でも、せんべいをこわさなきゃ、クビなわけだよ。
ケイコの発言:
まあ、そういう仕事だからね。
雄二の発言:
「せんべいをこわすか、家庭をこわすか、どっちにするんだ?」みたいなことを社長に言われて。
ケイコの発言:
うん。
雄二の発言:
まあ、普段どおりの、せんべいをこわす生活に戻るんだけどね。
ケイコの発言:
うん。
雄二の発言:
そんな葛藤が、あるわけだよ。こわれせんべいの裏には。
ケイコの発言:
無いと思うよ。
雄二の発言:
全否定しなくても。
ケイコの発言:
だって。
雄二の発言:
まあ、寝るわ。
ケイコの発言:
うん、おやすみ。
雄二の発言:
おやすみ。
こんなのも書いたよ。