半年くらい前に、会社の食堂に嫌気が差した。
あのー、まずいんですよ。本当にまずい。なんだろ、鯖味噌とか、鯖と味噌じゃないですか、不味く作るほうがスキルが要るんじゃねーか、とか思うんだけど、それを平気でやってのける天才たち、いわゆるアーティストが弊社にはおりましてですね、僕たちはその技術力に舌を巻くばかりなんですよ。
まあ、そういうわけで、多少高くなっても昼食くらいは外で美味しいものを食べようじゃないか、という機運が、こう、同期の間で巻き起こりまして、僕たちは裸足で外に飛び出したわけです。僕たちは自由だ! キャッホウ!
幸いなことに、ウチの会社のまわりというのは再開発地帯で、うちの本社が出来たのと同時にいくつか店舗が出来て、こう、本社を囲むように一通りの店が揃っている。名の通った和食チェーン、イタリアン、ファーストフードなど。
まあ、でも、逆に言えば、それだけ、なんですよ。会社の周りにぽっとできた店なんて、数ヶ月もすれば行き飽きてしまって、僕らは、さらに外、つまり敷地外へ足を伸ばそうとする。
するんだけど。あのー、再開発ってことはもともと廃れていた土地ってことで、敷地外は、しなびた商店街しかないんですわ。布団屋のとなりに布団屋、みたいな。お前ら、機能かぶってんじゃん、みたいな。布団を買い合っているんじゃないのか、みたいな。まあ、布団はどうでもいいんだけど、あの、まあ、その商店街のなかにさびれたラーメン屋が一軒あって、そこへ行くことになる。ていうか、俺たちだけでなく、すべてに飽きた人は、そこにたどり着く。約束の地、みたいな。
で、そこ、うまくもなんともないんですよ。まずくもないんですけど、うまくもなんともない。普通。普通さん。普通さんのおやじさんが、普通のラーメンさんを作っている。
でねー、ほら、俺たちと同じ思考で、社員食堂に嫌気が差し、会社の周りの店にも飽きた人たちは定期的にそのラーメン屋の門戸を叩くことになるから、あの、味に不釣合いなほど、客が居るんですよ。
で、最近、遂に、そのうまくもなんともないラーメン屋に行列ができるようになった。で、なんか、店が、椅子みたいの置き始めて。これに座ってお待ちください、みたいな。で、しかも店のオヤジ、GAPを着はじめて。GAPさんになっていて。まあ、GAPは別にいいんだけど、その、椅子? 椅子が俺はものすっごい許せなくて。だって、そんな、絶対外に椅子が置かれるような店じゃないから。なんだろ、それから、そのラーメン屋行ってない。
こう、店が勘違いする瞬間ってのがある。そういうのを見ると、ちょっと悲しくなる。
大学時代、あのー、英語の授業で、あの、講師が毎年1本外国映画を選んで、それをみんなで見るっていう講義があったんですよ。映画の感想を書けば単位もらえる、という美味しい講義だったので、かなり人気の講義だったんですけど。
でも、あの、ぶっちゃけ、その映画、英語だし意味わかんないんですよ。恐ろしいほど分からない。まあ、人が死ぬ話だなー、くらいしか分からない。
で、どうするかっていうと、ビデオ屋で探すわけですよね。字幕スーパー版を。でも、すごい古い白黒映画だったから全然見つからないんですよ。で、どうすべー、とか思っていたんですけど、そのうち、遠くの何とかっていうビデオ屋にあるらしい、みたいなウワサが流れて。
で、原付でブイーンと、行ったわけですよ。確かにあった。あったけれど、ストックは1本しかなくて、しかも貸し出し中。
あのー、古い映画だからそんな借りる人居ないし、借りてるのは絶対同じ講義の奴なんですよ。絶対なんですよ。で、俺は単位かかってるから原付でちょくちょく覗きに行きまして、まあ、何回目かにやっと借りることができて。
見たよ。なんか、想像してた話と全然違った。あれ? みたいな。死んだと思ってた人が死んでなかったり。本当にすさまじい英語力だ。人を一人殺してしまうんだから。
まあ、それはいいんだけど、めでたく感想文書き終わりまして、返しに行ったんですよ。もう、びっくりね。その、あのー、白黒映画のストックが、3本になっていた。
多分ここ数日で鬼のように貸し出されてさー、こう、店員も、人気作品だと思っちゃったんだろうなあ。なんかでブームに火がついたに違いない、みたいな。ニヤリ、みたいな。その瞬間が嫌だ。
あのー、まずいんですよ。本当にまずい。なんだろ、鯖味噌とか、鯖と味噌じゃないですか、不味く作るほうがスキルが要るんじゃねーか、とか思うんだけど、それを平気でやってのける天才たち、いわゆるアーティストが弊社にはおりましてですね、僕たちはその技術力に舌を巻くばかりなんですよ。
まあ、そういうわけで、多少高くなっても昼食くらいは外で美味しいものを食べようじゃないか、という機運が、こう、同期の間で巻き起こりまして、僕たちは裸足で外に飛び出したわけです。僕たちは自由だ! キャッホウ!
幸いなことに、ウチの会社のまわりというのは再開発地帯で、うちの本社が出来たのと同時にいくつか店舗が出来て、こう、本社を囲むように一通りの店が揃っている。名の通った和食チェーン、イタリアン、ファーストフードなど。
まあ、でも、逆に言えば、それだけ、なんですよ。会社の周りにぽっとできた店なんて、数ヶ月もすれば行き飽きてしまって、僕らは、さらに外、つまり敷地外へ足を伸ばそうとする。
するんだけど。あのー、再開発ってことはもともと廃れていた土地ってことで、敷地外は、しなびた商店街しかないんですわ。布団屋のとなりに布団屋、みたいな。お前ら、機能かぶってんじゃん、みたいな。布団を買い合っているんじゃないのか、みたいな。まあ、布団はどうでもいいんだけど、あの、まあ、その商店街のなかにさびれたラーメン屋が一軒あって、そこへ行くことになる。ていうか、俺たちだけでなく、すべてに飽きた人は、そこにたどり着く。約束の地、みたいな。
で、そこ、うまくもなんともないんですよ。まずくもないんですけど、うまくもなんともない。普通。普通さん。普通さんのおやじさんが、普通のラーメンさんを作っている。
でねー、ほら、俺たちと同じ思考で、社員食堂に嫌気が差し、会社の周りの店にも飽きた人たちは定期的にそのラーメン屋の門戸を叩くことになるから、あの、味に不釣合いなほど、客が居るんですよ。
で、最近、遂に、そのうまくもなんともないラーメン屋に行列ができるようになった。で、なんか、店が、椅子みたいの置き始めて。これに座ってお待ちください、みたいな。で、しかも店のオヤジ、GAPを着はじめて。GAPさんになっていて。まあ、GAPは別にいいんだけど、その、椅子? 椅子が俺はものすっごい許せなくて。だって、そんな、絶対外に椅子が置かれるような店じゃないから。なんだろ、それから、そのラーメン屋行ってない。
こう、店が勘違いする瞬間ってのがある。そういうのを見ると、ちょっと悲しくなる。
大学時代、あのー、英語の授業で、あの、講師が毎年1本外国映画を選んで、それをみんなで見るっていう講義があったんですよ。映画の感想を書けば単位もらえる、という美味しい講義だったので、かなり人気の講義だったんですけど。
でも、あの、ぶっちゃけ、その映画、英語だし意味わかんないんですよ。恐ろしいほど分からない。まあ、人が死ぬ話だなー、くらいしか分からない。
で、どうするかっていうと、ビデオ屋で探すわけですよね。字幕スーパー版を。でも、すごい古い白黒映画だったから全然見つからないんですよ。で、どうすべー、とか思っていたんですけど、そのうち、遠くの何とかっていうビデオ屋にあるらしい、みたいなウワサが流れて。
で、原付でブイーンと、行ったわけですよ。確かにあった。あったけれど、ストックは1本しかなくて、しかも貸し出し中。
あのー、古い映画だからそんな借りる人居ないし、借りてるのは絶対同じ講義の奴なんですよ。絶対なんですよ。で、俺は単位かかってるから原付でちょくちょく覗きに行きまして、まあ、何回目かにやっと借りることができて。
見たよ。なんか、想像してた話と全然違った。あれ? みたいな。死んだと思ってた人が死んでなかったり。本当にすさまじい英語力だ。人を一人殺してしまうんだから。
まあ、それはいいんだけど、めでたく感想文書き終わりまして、返しに行ったんですよ。もう、びっくりね。その、あのー、白黒映画のストックが、3本になっていた。
多分ここ数日で鬼のように貸し出されてさー、こう、店員も、人気作品だと思っちゃったんだろうなあ。なんかでブームに火がついたに違いない、みたいな。ニヤリ、みたいな。その瞬間が嫌だ。
こんなのも書いたよ。
最近のIT事情はほんと日進月歩でして、最近テレビで知ったんだけど、携帯で、角川文庫とかの本が読めるんですね。最近のホラーなどの本に混じって、芥川龍之介や樋口一葉などの文学作品までが、月額固定で読めてしまう。
まあ、結構前からやっているサービスらしいんだけど、ごめんね。今更取り上げてね。俺、ホントそういうの遅いからごめんね。昔から遅かったんだけど、こう、社会人になって、前にもましてスローにスローになっていった気がする。あの、ヨン様? 俺サッカー選手だと思ってたもの。なんか、アンジョンファンみたいなのだと思ってた。まあ、いいよ、スローで。チェンジアップは打ちにくいんだ。
つーか、俺も遅いから人のこと言えないんだけど、あのー、テレビ自体も、遅いじゃないですか、モノを取り上げるの。大抵、テレビで取り上げられた時点で既に第1次ブームは去っている。つまり、携帯で本を読むのって、意外と広く浸透しているのかもしれない。
ときに、携帯を手放せない人って、居るじゃないですか。まあ、いいんだけど、ちょっと、それは依存症じゃないの? みたいな人がけっこういて、好意的に捉えることができない。あのー、電車に乗ると、半数以上が携帯を常にいじっている、なんて光景も最近では珍しくなくて、お前らは、なんなんだ、っていうか、その、みんなが携帯のボタンをプッシュする力でこの電車が動いてるんじゃないか、とか、あのー、なんかだんだんエネルギーがたまってって、一定値になるとジリリリーみたく発車すんの。もっと早く! もっと力強く!
まあ、それはいいんだけど、アレかー。俺が馬鹿にしていた彼らの殆どが、実は人知れず文学作品の世界に想いを馳せていたとしたら、とか考えるとぞっとするね。ドア付近で食い入るように携帯の画面を見つめている女子高生は、実はメールしてるんじゃなくて芥川してた。その隣りのお兄ちゃんは、出会い系ではなく、ヒグチっていた。女の子を比べているのではなく、たけを比べていた。
俺が一番馬鹿じゃないか。
ほんと、こんな感じで、常にアンテナを張り巡らせていないとあっという間に置いていかれる昨今の世の中なわけで、俺の軽蔑するほかのことでも、同じようなことが起こっていたとしたら、とかふと考えるわけですよ。
パチンコ。俺はパチンコにお金をつぎ込む人の気持ちが全く分からないんだけど、あのー、うちの前がパチンコ屋なんですけど、たまに、朝、すごい長蛇の列になっていて。なんなんだ、あの長蛇の列は。絶対なにかある。例えば、中に入るとすごいおいしいお菓子がもらえて、みんなはそれを目当てに並んでるんじゃないのか、とか。知らないのは俺だけ。食べたい。
あと俺が理解しがたいものに、カラオケ、があって。カラオケ。俺は、あの良さが本当に分からないんだけど、なんだろ、別に歌うなら家で歌えばいいし、なんでお金を払ってあんなタバコ臭い部屋に、っていう思いがある。順番待ちまでして行くもんじゃねーなー、と思っているんだけど、それでも、週末の夜ともなれば、カラオケ屋の入り口付近だけ人口密度がやたら高い。撒き餌をしたように高い。ていうか、本当に撒き餌をしてるんじゃないか。10分に一回とかの割合で、飴とか都こんぶとかが撒かれるんじゃないか。お得だ。
あー、カラオケと言えば、あの、友達とかにカラオケ行こう、って言われたときとか、俺は必ず「家で歌えばいいじゃん」って言うんですよ。だって、本当にそう思うから。で、この前、まったく同じことを言っている人を見た。多分カップルだと思うんですけど、あの、男女二人で俺の前を歩いててね、女の子が、「カラオケ行こうよ」みたいなことを言ったんでしょうね、そこはあんまり聞こえなかったんですけど、男のほうが、「家で歌えばいいじゃん」と。言い慣れた言葉が、第三者から聞けるなんて!
あのー、でね、人が言っているのを聞いてはじめて気づいたんですけど、「家で歌えばいいじゃん」って、けっこうシュールだ。仮に、先のカップルが「じゃあ……家で歌う?」ってなったときのことを考えてみよう。二人がけのソファーにおもむろに腰掛け、「じゃあ、俺から」とか言って、歌い始める。伴奏は無し。彼女は、なんか、途中で「イェーイ」みたいなことを言ったり、足でリズムを取ったり。「イェーイ」って言葉、なかなか家で使わないよ?
まあ、結構前からやっているサービスらしいんだけど、ごめんね。今更取り上げてね。俺、ホントそういうの遅いからごめんね。昔から遅かったんだけど、こう、社会人になって、前にもましてスローにスローになっていった気がする。あの、ヨン様? 俺サッカー選手だと思ってたもの。なんか、アンジョンファンみたいなのだと思ってた。まあ、いいよ、スローで。チェンジアップは打ちにくいんだ。
つーか、俺も遅いから人のこと言えないんだけど、あのー、テレビ自体も、遅いじゃないですか、モノを取り上げるの。大抵、テレビで取り上げられた時点で既に第1次ブームは去っている。つまり、携帯で本を読むのって、意外と広く浸透しているのかもしれない。
ときに、携帯を手放せない人って、居るじゃないですか。まあ、いいんだけど、ちょっと、それは依存症じゃないの? みたいな人がけっこういて、好意的に捉えることができない。あのー、電車に乗ると、半数以上が携帯を常にいじっている、なんて光景も最近では珍しくなくて、お前らは、なんなんだ、っていうか、その、みんなが携帯のボタンをプッシュする力でこの電車が動いてるんじゃないか、とか、あのー、なんかだんだんエネルギーがたまってって、一定値になるとジリリリーみたく発車すんの。もっと早く! もっと力強く!
まあ、それはいいんだけど、アレかー。俺が馬鹿にしていた彼らの殆どが、実は人知れず文学作品の世界に想いを馳せていたとしたら、とか考えるとぞっとするね。ドア付近で食い入るように携帯の画面を見つめている女子高生は、実はメールしてるんじゃなくて芥川してた。その隣りのお兄ちゃんは、出会い系ではなく、ヒグチっていた。女の子を比べているのではなく、たけを比べていた。
俺が一番馬鹿じゃないか。
ほんと、こんな感じで、常にアンテナを張り巡らせていないとあっという間に置いていかれる昨今の世の中なわけで、俺の軽蔑するほかのことでも、同じようなことが起こっていたとしたら、とかふと考えるわけですよ。
パチンコ。俺はパチンコにお金をつぎ込む人の気持ちが全く分からないんだけど、あのー、うちの前がパチンコ屋なんですけど、たまに、朝、すごい長蛇の列になっていて。なんなんだ、あの長蛇の列は。絶対なにかある。例えば、中に入るとすごいおいしいお菓子がもらえて、みんなはそれを目当てに並んでるんじゃないのか、とか。知らないのは俺だけ。食べたい。
あと俺が理解しがたいものに、カラオケ、があって。カラオケ。俺は、あの良さが本当に分からないんだけど、なんだろ、別に歌うなら家で歌えばいいし、なんでお金を払ってあんなタバコ臭い部屋に、っていう思いがある。順番待ちまでして行くもんじゃねーなー、と思っているんだけど、それでも、週末の夜ともなれば、カラオケ屋の入り口付近だけ人口密度がやたら高い。撒き餌をしたように高い。ていうか、本当に撒き餌をしてるんじゃないか。10分に一回とかの割合で、飴とか都こんぶとかが撒かれるんじゃないか。お得だ。
あー、カラオケと言えば、あの、友達とかにカラオケ行こう、って言われたときとか、俺は必ず「家で歌えばいいじゃん」って言うんですよ。だって、本当にそう思うから。で、この前、まったく同じことを言っている人を見た。多分カップルだと思うんですけど、あの、男女二人で俺の前を歩いててね、女の子が、「カラオケ行こうよ」みたいなことを言ったんでしょうね、そこはあんまり聞こえなかったんですけど、男のほうが、「家で歌えばいいじゃん」と。言い慣れた言葉が、第三者から聞けるなんて!
あのー、でね、人が言っているのを聞いてはじめて気づいたんですけど、「家で歌えばいいじゃん」って、けっこうシュールだ。仮に、先のカップルが「じゃあ……家で歌う?」ってなったときのことを考えてみよう。二人がけのソファーにおもむろに腰掛け、「じゃあ、俺から」とか言って、歌い始める。伴奏は無し。彼女は、なんか、途中で「イェーイ」みたいなことを言ったり、足でリズムを取ったり。「イェーイ」って言葉、なかなか家で使わないよ?
えー。いつもの思いつきの前に、突然ではありますが、あの、まあ、ここで時々話題に上った、京急の歌を作りました。
今回は、絵入りです。

(再びダウンロードできるようになりました)
ストリーミングではありませんので、右クリック保存でもして見ていただければと思います。約6Mあります。
今のところ、WMV形式のみとなっています。
マックで、どうしても再生できない方はメールください。
さて。
行動が読めない人ってのは、俺の中で、一番怖いかもしれない。中学の時に、すげえ優しい先生が居たんですけど、その先生、たまに、ごくたまに、めちゃめちゃ怒り出して、机バーン! とか蹴ったりする。その線引き? なんつーの、怒ることと怒らないことの線が、まったく見えないんですよ。授業中煩くしても笑って「このやろー」とか言ったりする一方で、朝の自習のとき席を立って友達のところに筆記用具を返しに行ってた奴をぶん殴ったり。怖い。こう、なんだろ、常に機嫌の悪い先生とかより、よっぽどそっちのほうが怖いからね。いつ怒るか分からない。もしかしたら、黒ひげ危機一発のように、完全にアトランダムなのかもしれない。見えない恐怖。
一年前かな、こう、都会へ出てきて、なんだ、あの、俺に足りないものは何だ、みたいなことを考えたときに、ああ、英語だ、と、ふと思ったんですよ。引っ越した朝に思いました。その日の午後には、英会話の契約書に印鑑を押していました。YesYes言いながらね、まあ、某、有名英会話塾ですわ。
で、なんだ、クラス振り分けテスト? みたいなのを、最初に受けるんですよね。先生と会話して、こう、こいつはどれだけ喋れるのか、みたいなのを見る。俺は、すげえ、やりきった、みたいな、だって、どっかんどっかん笑い取りましたし、まあ、やりきった、みたいなね。そしたら、なんだ、通されたのは、下から2番目のクラス。なんか、駄目そうなおじさんと、女子高生が居ました。こいつらかー。こいつらとかー。ていうか、あれ、俺は、笑わせてたんじゃなくて、笑われてたんだー、みたいなね。で、あのー、ぶっちゃけると、そんな、英語とかその日の朝に思いついたことだから、あのー、その頃には、既に、ちょっとやる気なくなってたんですよ。英語。英語じゃねーなー、俺に足りないものは、みたいな。タップダンスかなー? とか思いはじめていた。
まあ、いいんだけど、そんなこと考えてるうちに、先生が入ってきたんですよ。すんごい、にこにこした先生。にこにこしながら、カバンからテキストやらなんかカードやらを取り出している。なんだ、なんか、楽しそうじゃないか。英語も、意外といいんじゃないか。
で、先生が、クイズを提案したんです。まあ、自己紹介として、自分のことを説明した文を3つ作れ、と。で、1つだけ、ダウトを、あのー、ウソを混ぜるんですよ。で、お互い、ウソを当てあう。
で、なんだ、俺はさ、俺には息子が居ます、みたいなことを言って。あー、でも、もしかしたら居るかもなあ、いや、でも、居ないだろ! わー、ばれちゃったー、みたいな、えー、非常に無難に乗り切りまして。で、問題は女子高生ですよ。お兄ちゃんがグレイのテル、とか言い出すんですよ。おめー、悩むまでもないじゃないか。で、しかも先生、案の定グレイ知らなくって、なんだ、なんかややこしいことになって。身の程を知れ! 僕らは、下から2番目のクラスなんだよ! お前に、グレイを説明できるのか? グレイのなんたるかを、説明できるのか? In Englishで! まあ、トップアーティストとかなんとかで通じたんですけど。
で、最後ね、先生も、自己紹介をする、と。で、先生は、どれも本当っぽいことを言って。自分はカナダ出身だ、とか、マンチェスターユナイテッドが好き、とか、実家は農家だ、とか。わー、難しい。でも、俺がダウトを当てる番だから、こう、当てずっぽうで、「マンチェスターユナイテッドが好き」がダウト、って言ったんですわ。
「NO!!」
その声は、教室中と言うより、建物中に響き渡った。
「アイラブ! マンチェスターユナーイテッド!!」
なんで、この人は、こんなに、怒っているんだろう。
俺ね、怒る人を見るのが好きってこの前言ったんですけど、こういうのは、本当に怖い。先が読めない怖さ? この人の次の行動が全く読めない。怖い。英語怖い。
あれ以来行ってないわ。英会話。なんか、恐怖を伝える英単語ばかり覚えそうで。アレだ、半年くらい通ったらさ、ネガティブな語彙ばかり豊富なの。fearとか。sufferingとか。depressionとか。偏食偏食で。
今回は、絵入りです。

(再びダウンロードできるようになりました)
ストリーミングではありませんので、右クリック保存でもして見ていただければと思います。約6Mあります。
今のところ、WMV形式のみとなっています。
マックで、どうしても再生できない方はメールください。
さて。
行動が読めない人ってのは、俺の中で、一番怖いかもしれない。中学の時に、すげえ優しい先生が居たんですけど、その先生、たまに、ごくたまに、めちゃめちゃ怒り出して、机バーン! とか蹴ったりする。その線引き? なんつーの、怒ることと怒らないことの線が、まったく見えないんですよ。授業中煩くしても笑って「このやろー」とか言ったりする一方で、朝の自習のとき席を立って友達のところに筆記用具を返しに行ってた奴をぶん殴ったり。怖い。こう、なんだろ、常に機嫌の悪い先生とかより、よっぽどそっちのほうが怖いからね。いつ怒るか分からない。もしかしたら、黒ひげ危機一発のように、完全にアトランダムなのかもしれない。見えない恐怖。
一年前かな、こう、都会へ出てきて、なんだ、あの、俺に足りないものは何だ、みたいなことを考えたときに、ああ、英語だ、と、ふと思ったんですよ。引っ越した朝に思いました。その日の午後には、英会話の契約書に印鑑を押していました。YesYes言いながらね、まあ、某、有名英会話塾ですわ。
で、なんだ、クラス振り分けテスト? みたいなのを、最初に受けるんですよね。先生と会話して、こう、こいつはどれだけ喋れるのか、みたいなのを見る。俺は、すげえ、やりきった、みたいな、だって、どっかんどっかん笑い取りましたし、まあ、やりきった、みたいなね。そしたら、なんだ、通されたのは、下から2番目のクラス。なんか、駄目そうなおじさんと、女子高生が居ました。こいつらかー。こいつらとかー。ていうか、あれ、俺は、笑わせてたんじゃなくて、笑われてたんだー、みたいなね。で、あのー、ぶっちゃけると、そんな、英語とかその日の朝に思いついたことだから、あのー、その頃には、既に、ちょっとやる気なくなってたんですよ。英語。英語じゃねーなー、俺に足りないものは、みたいな。タップダンスかなー? とか思いはじめていた。
まあ、いいんだけど、そんなこと考えてるうちに、先生が入ってきたんですよ。すんごい、にこにこした先生。にこにこしながら、カバンからテキストやらなんかカードやらを取り出している。なんだ、なんか、楽しそうじゃないか。英語も、意外といいんじゃないか。
で、先生が、クイズを提案したんです。まあ、自己紹介として、自分のことを説明した文を3つ作れ、と。で、1つだけ、ダウトを、あのー、ウソを混ぜるんですよ。で、お互い、ウソを当てあう。
で、なんだ、俺はさ、俺には息子が居ます、みたいなことを言って。あー、でも、もしかしたら居るかもなあ、いや、でも、居ないだろ! わー、ばれちゃったー、みたいな、えー、非常に無難に乗り切りまして。で、問題は女子高生ですよ。お兄ちゃんがグレイのテル、とか言い出すんですよ。おめー、悩むまでもないじゃないか。で、しかも先生、案の定グレイ知らなくって、なんだ、なんかややこしいことになって。身の程を知れ! 僕らは、下から2番目のクラスなんだよ! お前に、グレイを説明できるのか? グレイのなんたるかを、説明できるのか? In Englishで! まあ、トップアーティストとかなんとかで通じたんですけど。
で、最後ね、先生も、自己紹介をする、と。で、先生は、どれも本当っぽいことを言って。自分はカナダ出身だ、とか、マンチェスターユナイテッドが好き、とか、実家は農家だ、とか。わー、難しい。でも、俺がダウトを当てる番だから、こう、当てずっぽうで、「マンチェスターユナイテッドが好き」がダウト、って言ったんですわ。
「NO!!」
その声は、教室中と言うより、建物中に響き渡った。
「アイラブ! マンチェスターユナーイテッド!!」
なんで、この人は、こんなに、怒っているんだろう。
俺ね、怒る人を見るのが好きってこの前言ったんですけど、こういうのは、本当に怖い。先が読めない怖さ? この人の次の行動が全く読めない。怖い。英語怖い。
あれ以来行ってないわ。英会話。なんか、恐怖を伝える英単語ばかり覚えそうで。アレだ、半年くらい通ったらさ、ネガティブな語彙ばかり豊富なの。fearとか。sufferingとか。depressionとか。偏食偏食で。
こんなのも書いたよ。
俺言ったかどうか忘れたんですけど、あのー、実は俺、光を申し込んだんですよ。1月頃。俺のこう脳内カレンダーでは、遅くとも4月頃までに光の工事が終わっている予定だったのですが。
何だよ。おせーよ。光は速いけれど、工事は遅い。光は速いけれど! 工事は、遅い。それか、光が速い分、工事が遅い、のか。まあ、逆は嫌だ。逆じゃなくて良かった。やったー。
まあ、どうでもいいんですけど、でー、俺、ほんとこういうの嫌なんですけど、あのー、電話したんですよ。プロバイダに。あー、俺、ホントこういうの苦手で。何故かというと、怒れないんですよ、俺。こう、カーっとテンションを上げて、「どうなってんだオイ!」みたいなのとか、こう、俺のコマンドに無い。喜怒哀楽の「怒」が、完全に抜け落ちている。怒る振りをする時は、たまーに、あります。でも、それって振りでしかないんだよなー。心では、「わー、次何言お −。何てどなろー」とか思っている。
あのー、怒り方を知らない人、ってのは最近増えているようで、あの、駄目だと思うよ、ぶっちゃけ。怒れないのって。なんか、現代っ子みたいで気持ち悪い。怒ったほうがさっぱりして良い場合も多分にある。まあ、でも、俺は怒れないんだよなあ。
むしろ、俺、怒ってる人見ると、笑っちゃうんですよ。なんか。面白いじゃないですか。面白いなあ、怒ってる人。面白くないですか? 怒ってる人。
この前すっごい面白かったのが、あのー、うちの本社に、会議室みたいなのが3部屋くらいある階があって。で、なんか、でっかいセミナーをやる時は、そこの会議室の壁が取っ払われまして、ホールみたいになる、という、まあ、良くあるアレなんですけど。で、あのー、ちょうどその日はうちの部が企画したセミナーだったんで、こう、準備の手伝いに行ったんですよ。
で、その、壁を取っ払う仕事をしていたんですけど、あのー、壁を取って、壁置き場へ持っていくじゃないですか。そしたら、その倉庫の中から、ものすごい怒鳴り声が聞こえる。
「順番があるんだ! 順番があるんだから!」
なんか、壁をしまうプロみたいな小さなおじさんが居て、ものすんごい、怒ってるんですよ。なんか、壁の裏にね、一枚一枚番号が振ってあって、その順番とおりにしまいたいらしいんですわ。そのおじさんは。
で、間違った番号の壁を持ってくると、ものすごい怒るの。
もう、面白くて面白くて。何回も、間違った番号の壁を脇に抱えて走った。もっと怒らせたい。もっと怒らせたい。で、持っていくと、案の定怒ってくれる。わあ! 面白い! なんか、そういうおもちゃみたいで。
そんな、彼は怒られても笑っている、みたいな、なんか、一見すると宮沢賢治のような透明な響きですけど、まあ、やっていることはものすごく卑屈な遊び。
まあ、それはいいんだけど、あの、結局、怒ってる人の何が面白いって、行動が読めるところ? あー、例えばさっきのおじさんの何が本質的に面白いかって、こう、特定のインプットをすると必ず特定のアウトプットが返ってくるところ。だと思っている。
・違った番号の壁→怒る
・正しい番号の壁→受け取る
なんか、そういうゲームみたい。まあ、そんなゲーム出されても、買わないですけど。あー、今はそういうのが逆に売れるのかなあ。「壁おじさん」とか。
あー、話戻すと、怒ってる人、に限らず、そういう機械のように決まった反応をする人を見つけると、ついつい、いじりたくなる。
前住んでいた寮のおじさんが、毎朝、玄関にある事務室から、みんなに、「いってらっしゃい、いってらっしゃい」って声をかけてくれるんですよ。はじめは、すがすがしいなあ、と思っていたんだけど、あのー、すんごい良く見たら、おじさんの目が、こっちを向いていない。めざましテレビを見ている。ちかちゃんを見ている。このやろう! こいつの「いってらっしゃい」には、中身が無い。ただの、いってらっしゃいマッシーンじゃないか!
何の話だっけ。ああ、あのー、そう、だから、そのさー、おじさんは、こう、人影に反応しているだけなのよ。俺、靴を履き替えるふりをしてもう一回通ってみたんですよ。で、悲しいことに、こいつさー、ぬけぬけと普通に「いってらっしゃい」って言うのよ。見事に。あれはさすがに面白さを通り越してちょっと怒りを覚えた。あー、怒ったなあ、俺。あれはごく自然に腹が立った。現代っ子の固い扉をこじ開けるパワーを持っていた、あの寮は。
何だよ。おせーよ。光は速いけれど、工事は遅い。光は速いけれど! 工事は、遅い。それか、光が速い分、工事が遅い、のか。まあ、逆は嫌だ。逆じゃなくて良かった。やったー。
まあ、どうでもいいんですけど、でー、俺、ほんとこういうの嫌なんですけど、あのー、電話したんですよ。プロバイダに。あー、俺、ホントこういうの苦手で。何故かというと、怒れないんですよ、俺。こう、カーっとテンションを上げて、「どうなってんだオイ!」みたいなのとか、こう、俺のコマンドに無い。喜怒哀楽の「怒」が、完全に抜け落ちている。怒る振りをする時は、たまーに、あります。でも、それって振りでしかないんだよなー。心では、「わー、次何言お −。何てどなろー」とか思っている。
あのー、怒り方を知らない人、ってのは最近増えているようで、あの、駄目だと思うよ、ぶっちゃけ。怒れないのって。なんか、現代っ子みたいで気持ち悪い。怒ったほうがさっぱりして良い場合も多分にある。まあ、でも、俺は怒れないんだよなあ。
むしろ、俺、怒ってる人見ると、笑っちゃうんですよ。なんか。面白いじゃないですか。面白いなあ、怒ってる人。面白くないですか? 怒ってる人。
この前すっごい面白かったのが、あのー、うちの本社に、会議室みたいなのが3部屋くらいある階があって。で、なんか、でっかいセミナーをやる時は、そこの会議室の壁が取っ払われまして、ホールみたいになる、という、まあ、良くあるアレなんですけど。で、あのー、ちょうどその日はうちの部が企画したセミナーだったんで、こう、準備の手伝いに行ったんですよ。
で、その、壁を取っ払う仕事をしていたんですけど、あのー、壁を取って、壁置き場へ持っていくじゃないですか。そしたら、その倉庫の中から、ものすごい怒鳴り声が聞こえる。
「順番があるんだ! 順番があるんだから!」
なんか、壁をしまうプロみたいな小さなおじさんが居て、ものすんごい、怒ってるんですよ。なんか、壁の裏にね、一枚一枚番号が振ってあって、その順番とおりにしまいたいらしいんですわ。そのおじさんは。
で、間違った番号の壁を持ってくると、ものすごい怒るの。
もう、面白くて面白くて。何回も、間違った番号の壁を脇に抱えて走った。もっと怒らせたい。もっと怒らせたい。で、持っていくと、案の定怒ってくれる。わあ! 面白い! なんか、そういうおもちゃみたいで。
そんな、彼は怒られても笑っている、みたいな、なんか、一見すると宮沢賢治のような透明な響きですけど、まあ、やっていることはものすごく卑屈な遊び。
まあ、それはいいんだけど、あの、結局、怒ってる人の何が面白いって、行動が読めるところ? あー、例えばさっきのおじさんの何が本質的に面白いかって、こう、特定のインプットをすると必ず特定のアウトプットが返ってくるところ。だと思っている。
・違った番号の壁→怒る
・正しい番号の壁→受け取る
なんか、そういうゲームみたい。まあ、そんなゲーム出されても、買わないですけど。あー、今はそういうのが逆に売れるのかなあ。「壁おじさん」とか。
あー、話戻すと、怒ってる人、に限らず、そういう機械のように決まった反応をする人を見つけると、ついつい、いじりたくなる。
前住んでいた寮のおじさんが、毎朝、玄関にある事務室から、みんなに、「いってらっしゃい、いってらっしゃい」って声をかけてくれるんですよ。はじめは、すがすがしいなあ、と思っていたんだけど、あのー、すんごい良く見たら、おじさんの目が、こっちを向いていない。めざましテレビを見ている。ちかちゃんを見ている。このやろう! こいつの「いってらっしゃい」には、中身が無い。ただの、いってらっしゃいマッシーンじゃないか!
何の話だっけ。ああ、あのー、そう、だから、そのさー、おじさんは、こう、人影に反応しているだけなのよ。俺、靴を履き替えるふりをしてもう一回通ってみたんですよ。で、悲しいことに、こいつさー、ぬけぬけと普通に「いってらっしゃい」って言うのよ。見事に。あれはさすがに面白さを通り越してちょっと怒りを覚えた。あー、怒ったなあ、俺。あれはごく自然に腹が立った。現代っ子の固い扉をこじ開けるパワーを持っていた、あの寮は。
こんなのも書いたよ。
あのー、昨日から今日にかけて、めちゃめちゃ部屋を、綺麗にしたんですよ。あのー、何回も言ってますけど、俺の部屋というのは、なんつーか、あー、何ていうんだろ、混沌としている。なんつーか、カオス? ダークフォース? みたいな。光さえ届かない、みたいな。そんな感じである。そんな感じであるのだ。
それが、今はどうだ。この世に、秩序が、生まれた。生まれたのだ。服はクローゼットに。本は本棚に。ペットボトルは冷蔵庫に。彼らは、彼らの居るべき場所に戻っていった。こういう言い方するとかっこよくね? あー、はい、分かってますよ。当たり前だってこと。幼稚園児か、ってことでしょ。おかたづけ、できるかな? みたいな。いや、違う。幼稚園児と俺の決定的な違いは、片付ける場所を間違えないことだ。俺は本をクローゼットにしまったり、服を冷蔵庫にしまったりしない。そこだけは、強調したい。なんつーか、競合他社と差別化を図りたい。競合って。
まあ、それはいいや。それはいいんだけど、あのー、部屋が綺麗になったおかげで、俺は、今日一日めちゃくちゃ機嫌が良かった。社内ネットワークで見つかったウイルスが性能測定マシンを突然シャットダウンさせても「あらあら」と言った。今やってる仕事ってのはパフォーマンス測定でして、3日間アプリケーションを連続で動かして、なんだ、メモリ使用率とかを測定するんですよ。で、今日は、その3日目でしたよ。あと数時間で終わる、って頃ですわ。そんなタイミングで非情にもマシンをシャットダウンした極悪ウイルスを目の前にして、「あらあら」と言った。器、でけー。なんだろ、坂本竜馬とかちっさいちっさい。こっちはウイルスに向かって「あらあら」だよ。自分でびっくりした。あー。でも、坂本竜馬もでけーよなー。世界の海援隊とかなー。
まあ、竜馬はいいんだけど、あ、そう、あの、俺、意外に、この部屋に引っ越してから、掃除を頻繁にするようになったんですよ。この、俺が!ですよ。仙台に居た時は、アレだなー。6年間住んでいて、掃除、10回くらいしたかなー。そのくらいの。もう、なんだろ、一回、女の子が遊びに来て、扉を開けて、「うわっ」と言って、そのまま閉められたことがある。あれっ? と思って外に出たら、もう居なかった。あと、みんなで鍋をやろう、ってことになって、あの、俺の家でやることになったんですけど、一番早く来た子が、俺の部屋を見て、「臭い!」「こんな部屋でやりたくない!」とリアルで怒り出したことがある。「怖い!」と思った。そんな部屋でした。
しかし今はどうだ。毎週掃除をしているし、1ヶ月に1回は、なんだ、模様替えやら何やらで楽しくて仕方が無い。で、なんでだろう、とか考えたんですわ。何故、俺は、この部屋だと、掃除をする気になるのか。
で、あのー、結論が、「狭いから」だと思った。
なんつーか、今住んでるのってワンルーム6畳なんですけど、仙台の時は、11畳の部屋に住んでたんですよ。まあ、仙台家賃安いし。この11畳というのは、一人暮らしにしては、けっこう広い。良くも悪くも、何でも出来てしまう。で、俺は、悪いほうに進んでしまった、んですね。
空間プロデューサ、というのが仕事になっちゃうくらいだから、部屋をしっかりとしたコンセプトのもと構成するというのは、実はとても難しいことなのだ。片田舎で、畳にユニーで買ったテーブル、という部屋で育った素人、や、それ以下の男に11畳の部屋を与えたらどうなるか。想像に難くない。
色彩感覚が麻痺したような取り合わせの家具。溢れ出す服。積みあがる本。うず高い弁当の空き箱。飛び交う蟲たち。
今思い返すと、すごかったなあ、あの部屋。
なんだろ、とんでもないものを作ってしまった、と自分でも思うよ。この世に地獄を再現した、というか。恐山か、俺の部屋か、みたいな感じになっていた。あ、あのねー、もっと言うと、ウチのアパート、外観、結構お洒落だったんですよ。なんか、真っ白で、ちょっとしたペンション、みたいな。住んでる人もなんかお洒落髭をたくわえてるような人ばっかりで。まさか、その中で、一人の青年が、そんな世界を、作り出してるとは。
で、ものすごいことになってしまった11畳の部屋なんだけど、俺も、どうにかしよう、とは、何回か思いました。でもね、あのー、11畳の部屋がものすごくなるってことは、もう、モノがめちゃめちゃ多い、ってことですから、なんだろ、片付ける気力が失せるんですよ。ホントに。まじんこで。どのくらいで終わるのか、まったく見当がつかない。この、地面に層のように積みあがった服を見るだけで、気が遠くなる。なんつーか、大自然の前に己の無力さを知る、 みたいな。そんなことを考えているうちに、あ、もういいや、って。スッと、肩の力が抜けて、楽になるんですよ。決して、抜いてはいけない場面なんですけどね! 抜けて、勝手に楽になってしまった。
ところが、この、今住んでいる6畳の部屋はどうだ。
家具の配置は、狭い分限られていてとても考え易いし、いざ片付けよう、と思ったら、1時間足らずで片付いてしまう。ジャスト、俺サイズ。コンビニ世代の、俺サイズ。ちょっと家具とかランプとかにこだわってみたりする余裕まで生まれる。なんだ、俺でも、ちゃんと部屋を作れるんじゃないか。俺、ちょっと、本気で自分のこと心配してました。なんか、片付けられない病気なんじゃないか、って。なんか、ポストごみ屋敷おじさん、みたいな。なんか、取材とか来ちゃうの。そしたら、「ケチャケチャケチャ!」って言って馬鹿な振りをしようとまで決めていました。
まあ、それはいいんだけど、なんだろ、結論を言うとね、俺には、11畳は、広すぎたんだよ。俺には扱えない広さだった。かの韓信が高祖に「陛下不過将十万」と言ったように、人には「分」というものがある。俺は6畳の部屋が似合う男なのだ。6畳の部屋で、6畳ほどの幸せを、かみしめる生活。これがいい。
で、なんか、この、感情を、歌にしたいなあ、と強く思ったので、歌ってみました。
六畳マン (作詞・作曲 yasunori@)
今日はこの曲を聴きながらお別れです。
それが、今はどうだ。この世に、秩序が、生まれた。生まれたのだ。服はクローゼットに。本は本棚に。ペットボトルは冷蔵庫に。彼らは、彼らの居るべき場所に戻っていった。こういう言い方するとかっこよくね? あー、はい、分かってますよ。当たり前だってこと。幼稚園児か、ってことでしょ。おかたづけ、できるかな? みたいな。いや、違う。幼稚園児と俺の決定的な違いは、片付ける場所を間違えないことだ。俺は本をクローゼットにしまったり、服を冷蔵庫にしまったりしない。そこだけは、強調したい。なんつーか、競合他社と差別化を図りたい。競合って。
まあ、それはいいや。それはいいんだけど、あのー、部屋が綺麗になったおかげで、俺は、今日一日めちゃくちゃ機嫌が良かった。社内ネットワークで見つかったウイルスが性能測定マシンを突然シャットダウンさせても「あらあら」と言った。今やってる仕事ってのはパフォーマンス測定でして、3日間アプリケーションを連続で動かして、なんだ、メモリ使用率とかを測定するんですよ。で、今日は、その3日目でしたよ。あと数時間で終わる、って頃ですわ。そんなタイミングで非情にもマシンをシャットダウンした極悪ウイルスを目の前にして、「あらあら」と言った。器、でけー。なんだろ、坂本竜馬とかちっさいちっさい。こっちはウイルスに向かって「あらあら」だよ。自分でびっくりした。あー。でも、坂本竜馬もでけーよなー。世界の海援隊とかなー。
まあ、竜馬はいいんだけど、あ、そう、あの、俺、意外に、この部屋に引っ越してから、掃除を頻繁にするようになったんですよ。この、俺が!ですよ。仙台に居た時は、アレだなー。6年間住んでいて、掃除、10回くらいしたかなー。そのくらいの。もう、なんだろ、一回、女の子が遊びに来て、扉を開けて、「うわっ」と言って、そのまま閉められたことがある。あれっ? と思って外に出たら、もう居なかった。あと、みんなで鍋をやろう、ってことになって、あの、俺の家でやることになったんですけど、一番早く来た子が、俺の部屋を見て、「臭い!」「こんな部屋でやりたくない!」とリアルで怒り出したことがある。「怖い!」と思った。そんな部屋でした。
しかし今はどうだ。毎週掃除をしているし、1ヶ月に1回は、なんだ、模様替えやら何やらで楽しくて仕方が無い。で、なんでだろう、とか考えたんですわ。何故、俺は、この部屋だと、掃除をする気になるのか。
で、あのー、結論が、「狭いから」だと思った。
なんつーか、今住んでるのってワンルーム6畳なんですけど、仙台の時は、11畳の部屋に住んでたんですよ。まあ、仙台家賃安いし。この11畳というのは、一人暮らしにしては、けっこう広い。良くも悪くも、何でも出来てしまう。で、俺は、悪いほうに進んでしまった、んですね。
空間プロデューサ、というのが仕事になっちゃうくらいだから、部屋をしっかりとしたコンセプトのもと構成するというのは、実はとても難しいことなのだ。片田舎で、畳にユニーで買ったテーブル、という部屋で育った素人、や、それ以下の男に11畳の部屋を与えたらどうなるか。想像に難くない。
色彩感覚が麻痺したような取り合わせの家具。溢れ出す服。積みあがる本。うず高い弁当の空き箱。飛び交う蟲たち。
今思い返すと、すごかったなあ、あの部屋。
なんだろ、とんでもないものを作ってしまった、と自分でも思うよ。この世に地獄を再現した、というか。恐山か、俺の部屋か、みたいな感じになっていた。あ、あのねー、もっと言うと、ウチのアパート、外観、結構お洒落だったんですよ。なんか、真っ白で、ちょっとしたペンション、みたいな。住んでる人もなんかお洒落髭をたくわえてるような人ばっかりで。まさか、その中で、一人の青年が、そんな世界を、作り出してるとは。
で、ものすごいことになってしまった11畳の部屋なんだけど、俺も、どうにかしよう、とは、何回か思いました。でもね、あのー、11畳の部屋がものすごくなるってことは、もう、モノがめちゃめちゃ多い、ってことですから、なんだろ、片付ける気力が失せるんですよ。ホントに。まじんこで。どのくらいで終わるのか、まったく見当がつかない。この、地面に層のように積みあがった服を見るだけで、気が遠くなる。なんつーか、大自然の前に己の無力さを知る、 みたいな。そんなことを考えているうちに、あ、もういいや、って。スッと、肩の力が抜けて、楽になるんですよ。決して、抜いてはいけない場面なんですけどね! 抜けて、勝手に楽になってしまった。
ところが、この、今住んでいる6畳の部屋はどうだ。
家具の配置は、狭い分限られていてとても考え易いし、いざ片付けよう、と思ったら、1時間足らずで片付いてしまう。ジャスト、俺サイズ。コンビニ世代の、俺サイズ。ちょっと家具とかランプとかにこだわってみたりする余裕まで生まれる。なんだ、俺でも、ちゃんと部屋を作れるんじゃないか。俺、ちょっと、本気で自分のこと心配してました。なんか、片付けられない病気なんじゃないか、って。なんか、ポストごみ屋敷おじさん、みたいな。なんか、取材とか来ちゃうの。そしたら、「ケチャケチャケチャ!」って言って馬鹿な振りをしようとまで決めていました。
まあ、それはいいんだけど、なんだろ、結論を言うとね、俺には、11畳は、広すぎたんだよ。俺には扱えない広さだった。かの韓信が高祖に「陛下不過将十万」と言ったように、人には「分」というものがある。俺は6畳の部屋が似合う男なのだ。6畳の部屋で、6畳ほどの幸せを、かみしめる生活。これがいい。
で、なんか、この、感情を、歌にしたいなあ、と強く思ったので、歌ってみました。
六畳マン (作詞・作曲 yasunori@)
今日はこの曲を聴きながらお別れです。
こんなのも書いたよ。