2011-02-07   創作  
ぶつけられた豆がラップに包まれてた。




悪い予感はしてたの。俺そういうとき、右の角の付け根がうずくから。キーンて。

今日の昼くらいかな。
ここの家の奥さんがね、急にインターネットで豆について検索してるから、俺めちゃくちゃ焦って。
遂に来たか、と。遂にこの家から追い出される日が来たか、と。

例えば水飴とピーナッツで豆をあえてカリッカリにしたら、ピーナッツのとこものすごい痛い。殺人豆、や、殺鬼豆が出来上がるわけですよ。
あと単純に油でカラッと揚げたやつでも、できたてめっちゃ熱いからね。あれマジで。マックでポテトの揚げたて食べたことある? あの揚げたてを、クルーが変なヘラでザーってすくってそのままヤー! って投げつけてきたらどう? 熱くて死ぬよね。
だからまあ、俺らを追い出す方法は実際あるわけよ。

で、そう。奥さんがインターネットで豆について調べてた。遂に来たか、と。国家レベルの機密情報がすんなりネットで暴露される時代ですよ。殺傷能力を高める豆の作り方なんてそりゃ出回りますわな。俺ら鬼は、テクノロジーに負けたんだな、と、覚悟を決めたわけ。

でも、画面覗いたらさ、なんか違うのよ。なんか。
クッキー。余った豆でクッキー、みたいな、レシピサイトを見とるわけですよ。

余る?

え、じゃあ例えば戦場で、余った銃弾でネックレス作ろうかな、っていう想像する?
必死でしょ? 生き残るために必死でぶっ放すでしょ?
余った豆でクッキー!? はあ!?

いやもうわけわかんなくて、えー? って思ってたんですけど、はあはあ、あれだ。これは、心理戦だ、と。既に戦いは始まっていた。
多分俺がこう見てること分かってて、こいつわざとやってやがる。
クッキーで油断させといて、いざとなったらものすごいもの投げてくるつもりだ。
気づいてよかった。
今年は何か違う。こちらもそれ相応の準備をせねばなるまい。

と思って、俺もパンツ2重に履いて臨んだのね。

そしたら。

おにわーそと! パシュ。
おにわーそと! パシュ。

なんか、あれ? え、豆全然効かねえ? みたいな。
パンツ2重に履いたから全然効かないのか、と思ったんだけど、なんかおかしい。

で、その、下を見たら、豆がさ、20粒ぐらいずつのラップに包まれて落ちてるのね。

えー!
片付ける気満々じゃーん!

じゃあさ、あれだよ。お前、誕生日にいきなり職場で「おめでとー!」みたいなことになったあと「パンパーン!」ってクラッカーの音が鳴って、「やー、ありがとうー」とか言うんだけど、あれ? 全然紙テープが見当たらないな? って気づいたとき、どう思う?

あー、音だけのやつ買ったんだー。あとで片付けが楽なように、散らからないやつ買ったんだー。って思うわな。

はあ、これが人間お得意の知性ですか。人間って、一刻の感情に流されず、後のこともきちんと考えてる。
鬼も倒せて後片付けもらくちん。しかも拾って食べれる。良いアイデアじゃない。お利口お利口。

おにわーそと! パシュ。
おにわーそと! パシュ。

パシュ、は4回で止んだ。

4個しか包まなかったんだろうな。あとで拾って、広げて、クッキー焼くんだろうな。しかも焼いて食べたあと「あれ、豆無いほうがうまくない?」「ほんとだ豆いらねー」とかキャイのキャイの言うんでしょ!!

で、なんかもう、そういういろんな思いがワーッ! てなって、家を出たよ。飛び出した。怖い。ホント怖い。人間が一番怖い。
あー、だからまあ、鬼を追い出すという点においては、成功してるんだけどね。良かったね。








2011-02-04   あたらしい散歩  
今週は溝の口を散歩しました。




田園都市線と、南武線の武蔵溝ノ口がすぐ近くにあります。
駅を降りると、こう、でっかい商業ビルがあって華やか。





でも、逆側の口は、わりと古い街の名残があったりするんす。





駅から20mしかきてないのにこの感じはなかなか出せない。





タイ料理のお店。コ・ピーピー!!! 言いたい。コ・ピーピー!!!!!





商店街の壁の向こうは南武線。




商店街抜けた。
遠くに、逆の駅口の商業ビルがずどーんと立っている。このギャップ。





なんか引っかかると思って見てたんですけど、



「:」のマークがなんか不自然に使われている。
多分、こんな具合だと思う。
1)4:00〜6:30 みたいに全部書くとおさまらなかったので、きっかりのときは00を書くのをやめることにし、「4〜6:30」のように書くことにして看板を発注した。
2)出来上がりを見たら午前の部が「10〜1」って書かれていて、まあそう発注したんだからそうなんだけど、なんだかわけわからんよね、となった。
3)時刻だよ、って表すために「:」を手でつけて、今に至る。

まあ、どうでもいいんですけど。



大山街道の説明。
大山街道といえば、お江戸から大山詣でへ行くための道で、溝の口は宿場町として栄えたそう。




現在の大山街道。





いい感じの川。







人格?





ビルのつたが、となりの民家をも取り込もうとしている。



とか歩いてたら、となりの高津駅についてしまったので、違う道から戻ってみる。





そんなキャッチフレーズでうなぎは食べたくならない。





マスコミで有名な写真館?




ここで写真を撮ると合格するそうです。



面接、履歴書の指導も!?
たしかに、履歴書の写真を撮りにくるんだから、そこにそういうサービスがあってもいいよなと思った。



このまま行ってもなんかなんもなさそうだったので、大山街道から帰ってみる。


灰吹屋。大山街道に唯一あった薬屋さんで、大変繁盛したそうです。



今もやってる。


大山街道ふるさと館、という建物があったので入る。





大山街道付近の偉人が紹介されていました。



うーん。半数が岡本家。



マンション建設予定地らしい。






なんで絵にアリをはわせたんだろう。


夜の溝の口駅周辺の商店街。



わくわくしてくるね!!!


というわけで、溝の口の「じゃないほう」の口、通称逆の口を散歩してみました。

逆の口は、大山街道めぐり、みたいなやつに市が力を入れているのか、至る所にうんちくつきの看板が立ってます。
これを読み歩くけでも、わりと1日潰れます。

本気の人は、渋谷から大山街道をずっと歩いたりしてるみたいですけど、まあ、いつかやってみても良いかな。

というわけで、溝の口でした。また来週!






2011-02-02   思考  
15年ぶりに歯医者へ行きました。

虫歯にならない人はならないっていうのは本当にあって、まさに俺のことなんだけど、どうやってもならない。こうなったら、どんだけならないのか試したい。就寝中、パカーンって空いた口に液状チョコレートを常になみなみと注ぎ続けてもらいたい。しないけど。死ぬし。

ただまあ15年という歳月は、丁寧に歯を磨いていたとしても歯石が完全に歯間を固め尽くすには十分な時間で、口の中と外の間にガッチリと壁を作ってしまった。聖書っぽく言うと、歯石は口を外の世界と中の世界に分けてしまわれた。

しかし、世界を分けたからといって特に不自由は無い。
むしろ好都合なこともあるかもしれない。
俺は昔、下の前歯がなんとなくグラついていたんだけど、今、そのグラつきって無い。
で、その理由って、もしかして、歯石さんたちがガッチリと歯を固定しているからなのでは、という持論がありましてですね。いや、歯医者にこれを言ったら、はあ? とバカにされるんで絶対言わないですけど、言わないですけど、そういう自分だけ分かる変な持論あるじゃないですか。

うちの父親は腹式呼吸をすると腹痛が治る、という持論があって。
まあ、よく腹痛になるので、そのなかであみ出した自分の方法なんだと思います。
昔、父親の腹の痛がり方が尋常じゃないので救急車を呼んだことがあります。
まあ全然大丈夫だったんですけど、その時に、医者に「いやあ、腹式呼吸をしても全然治らなくてですね」とか言ってて、医者は「はあ」みたいな。
父親は、あれ、通じなかったのかな? みたいな感じで、「腹式呼吸は何回もやったんですけどね、治らなくて救急車呼んじゃいました」「はあ」みたいな。

いや、全面的に医者が正しいぞ。

民間療法よりもタチの悪い個人療法。そんなものを医者に言ったところで、「はあ」という顔をされる。
絶対に持論は他人に言うまい、と。

で、そう。俺の歯の話にもどりますと、歯石によって我が歯はカッチリ立っている、沖ノ鳥島状態であることは俺だけのヒミツ。
そういう持論もあって、歯石問題については目をつぶったまま、15年の歳月が流れたのでございます。

気になりだしたのは、最近食後になんか歯がしみたこと。
いや、知覚過敏ってほどでは無いと思うんだけど、まあー、そういや、そろそろ歯周病みたいなのも気になる年頃であるわけです。

で、何気なくネットで検索した歯周病の悲惨さ。
あと歯石を溜めることの恐怖。歯石が歯肉の中にまでつきはじめると、歯肉を一旦ぺろんとめくって除去しなければならないとか言ってて、ギャン! と飛び上がり、着地までに当日予約完了した。口内のベルリンの壁が崩壊した瞬間でした。

歯医者で待つ。

歯医者って怖い場所、という認識はあるんだけど、15年も行ってないと、その感情も完全に麻痺しているので、ものすごく自然体。こんな温和な患者見たことない! 麻酔なしで華佗に治療される関羽か俺かだ。

で、呼ばれまして、歯科助手さんに早速変な尖った器具でガリガリやられるんですけど、歯肉と歯の僅かな隙間、ギリギリのところに、ものすごい速度でスッと器具が当てられる。え、ちょっと、もっと繊細に! スポーツカーみたく扱ってえ! ブロロロローン!

すごく神経質な作業なので、患部に当たる瞬間は、ものすごく丁寧に当ててくれるものだと予想してた。
現実は違った。器具を当てる思い切りの良さといったら、流れ来るクリームパンに卵黄を塗る人のそれと同じ。等速にポンポンと器具を当て、キーンキーンガリガリと削っていく。大丈夫か。

それともこの人はハンダ付けの名人のように、瞬時に器具を患部に当てられる特殊能力を持っているのか。
いや、それは無い、だって、対象は、俺、人間だもの。人間は動く。人間は動くのである。動物だから動く。それも、逃げるように動く。熟練工といえども、小刻みに逃げる基板に高速でハンダ付けできるものか。

何なんだ、と。この粗雑さは何なんだ、とずっと考えてたんですけど、出た結論としては、多分、歯と歯茎の間って、実はそんなに神経質になる部分ではなくて、ちょっとうっかり手がすべって血が出てもどうってことないんだろう。

分かっている人ほど、粗雑に扱うように見えることってある。

例えばコンタクトをしている人は、普通に指を目に入れることができて、白目は触ってもまあ大丈夫なことを体感で知ってる。でも、コンタクト未経験者の嫁に、「白目ってば触っても大丈夫なんだよ」とか言うと、「フギャアアアゴウ!」とか未体験の声を上げる。

これはひとえに、コンタクト未経験者の無知がそうさせている。
無知は、できることの範囲を狭め、何かを神格化し、恐れを連れてくる。

粗雑に扱っているのではなく、俺が無知なだけなんだ。

なるほどそうと分かる至極気が楽になって、心が定まった。
キーンキーンガリガリガリ、という音の後ろで、遠くから寺の鐘の音が聴こえてくる。
多分ブッダが歯科治療したらこんな感じ。歯茎から血がだらだら出ているのにすっごい穏やか!


やり残した部分があるので次週また来るように言われました。
次週は院長先生がやってくれました。


全然血が出ない。コラア!!!!







2011-02-01   特集  
今年の合格祈願グッズも大体出そろった感がありますので、ほうぼうで撮ったやつをまとめてみました。


近くのスーパーには、合格祈願コーナーができるほどの盛況ぶり。
スーパーも全力で受験生を応援してるんだぜ!!




というわけで、早速行ってみる。



◆これはもう定番部門



今年も出ましたキットカット。
「キット勝っと」と読めるということから、お守りに使われ出したのが合格祈願系お菓子の始まり言われてますが、意外にも、本家のパッケージには「キット勝っと」という文字はありません。
余計なダジャレは印刷しない、王者の貫禄。





うカール。これももう定番でしょう。カールおじさんが目を瞑って祈っていますが、こいつはたしか切り株の上で居眠りをこいてるときも同じ表情をしていたので、寝ているだけの可能性もあります。





トッパ。大吉以上のおみくじってのが気になる。そんなのおみくじでも何でもない。





あんかけ風で願掛け焼きそば。
それだけでなく、写真では小さくなっちゃったけど、しょうが味、の部分も「勝」にかけてきてる。
ものすごく無理やりっぽいんだけど、そのくらいのハングリー精神で受験にもぶつかっていけ! 1点でも多く獲れ! っていう教えなのだと解釈します。





麺づくりで点づくり。っていうかさっきの「しょうが」でむりやりかけてきたんだから、「ごま」でも何かやんなよ。ごまかせ! カンニング! とか。




◆あー、俺好きだよ? 部門

あー、うまいんじゃないの、というやつ。




桜咲く咲くサクサクパン。これ言いたい。桜咲く咲くサクサクパン。





スープでパスだ。いやまあ、良いと思いますよ。考えたのは多分可愛いOL。




◆カツ部門

カツを扱ってたら、思わずやってしまいますよね。




チーズハム勝つ。はい1カツ。





試験にカツ。はい2カツ。





おい、やれよ。世界の山ちゃん。まさかコンボが2で終わるとは思わなかった。




◆え? もっかい言ってみて? 部門

え、何何? っていうやつ。




ウカルック。「ル」だけだよな。





森のたまごうかく。「ご」だけだよな。




◆真面目に応援してます部門

そういえば、ダジャレに走らなければならないルールなどないのです!




コアラは寝てても木から落ちない。試験では寝ないように。





休息のご褒美ハーゲンダッツ。たまにはプチ贅沢。





おかめがフレーフレーって言ってる。





カントリーマアムは紅白でめでたい。





ミルキーも紅白。




◆増量でフレーフレー部門




焼おにぎり。1個増量で受験生でなくても普通に嬉しい。





ネスカフェゴールドブレンド。2本増量で受験生でなくても普通に嬉しい。




◆今はちょっと部門




いやなんか。今は遠ざけたい。





なんとなくね。信じないけどね、こんなのね。でも、もしもってことあるから、今は遠ざけたい。





いや、いいんですけど。重宝してますけど。なんとなくです。





ちなみにキングも居る。



とまあ、近所はこんな感じでした。

まあ、俺の大学受験というと、もう10年以上前になりますけども、まあー、なんつーか、やりたいことがあるのなら、数カ月間くらい頑張って勉強するのもいいんじゃないかな、と思います。頑張れ受験生。近所のスーパーもこんなに応援してるぜ!




あと、さっき同じスーパーへ行ったら、合格祈願グッズのコーナーが全部節分に変わってた。




お前売れるんなら何でもいいんだな!!! まだ受験終わってねえよ!!!








2011-01-31   思考  
昔、よくしていただいてたコピーライターに言われてガツンときた言葉。

「キャッチフレーズつけるってことは、商品に魅力が無いんだろ? 既にちょい負けてんのな」

学生時代、イベントのフライヤーを作る仕事をもらって。
すっげえかっこいいキャッチフレーズを思いついちゃって、主催者もこれでいいっていうから、ほくほくしてたくさん刷ったんだけど、うっかりプロに見せたところこれを言われて、めちゃんこ恥ずかしくなった。

そのイベントは、大学生がパフォーマーとして演奏やダンスをはじめ、紙をやぶるだけとかよくわかんないパフォーマンスをノンジャンルで披露するっていう新しいイベントだったので、そこに十分ニュース性があった。だから、イベント名と「初」ってところを押すだけでよかったんだ。それが一番伝えたい事であったはずだった。
それなのに、変なキャッチフレーズをバーンと乗っけたことで、そのフライヤーが醸しだす世界がなんだかよく分からん感じになってることに、言われて初めて気づいた。キャッチフレーズバーン! のところから、汚泥がどろどろと流れている。出演者がアップアップしてる。くさいよう、くさいよう!

言われてみれば、商品が伝わりやすいものだったら、キャッチフレーズってまったくもって要らないよな。
まずは企画ありきで、その企画が新しければ、そこをストレートに押すだけで良い。
でも、なんとなく素人の我々は、なんかキャッチフレーズは作らなければいけないもの、みたいなアレがあって。

形から入るときって、そういう、よくわかんないけど真似しちゃうものってある。

文化祭で占いの店を出したときに、うっかりポイントカード作っちゃった。
いやなんか。喫茶店のカードを真似してカードを作ってたら、裏にハンコ押す欄があって、それごと真似しちゃった。
よく考えたらハンコ欄要らない。非常に要らない。次押すの来年になる。あと来年この学校に居ない。






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オフ喜利4は7月14日(土)・新宿ロフトプラスワン!
「オフ喜利」というオンラインでテキスト書いてる人はオフラインでも面白いのかを検証する大喜利イベントをやってます。新宿ロフトプラスワンで不定期開催中。


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