2011-07-13   思考  
メーラーの「迷惑メール」フォルダ。
あれ大発明だと思う。

メールを長いこと返し忘れてたときとか、「なんか、迷惑メールに振り分けられてて、テヘーッ!」って言える。
でなんか、向こうも、「そんなわけあるか」とか思ってるんだろうけど、「ああ、そうですか」ってなって、こう、やりとりが再開できたりする。
大発明だと思う。迷惑メールフォルダの存在が、どれだけの崩れかかった関係をつなぎ止めたか。その経済効果は計り知れないと思う。

こう、なんだろ、日本独特かどうかは分からないけど、理由が建前であれ何であれ、「仕方が無いもの」に転嫁することで、お互い前進できたりする。

病気の「ストレスでも発症する」っていう発動条件は、これと同じような建前のように働くことがある。
例えば、痔が、あの、痔ってそうじゃないんであれですよ、例えですよ、あの、痔の理由としてね、「おしりをちゃんと拭かないと炎症を起こす」っていう、救いようのない理由ただ一つしか存在してなかったとしたら、これ病院行くのめちゃんこ恥ずかしい。
待合室でも、
「ヤスノリさ〜ん! おしりをちゃんと拭かなかったヤスノリさ〜ん!」
って呼ばれる。呼ばれないけど。呼ばれているようなもんだわ。
行かない。絶対病院行かない。

ところがですよ。「ストレスでも発症する」という一文が付け加えられていたらどうだろう。

医者「あー、まあ、ストレスでもなりますからねー」
患者「そうですかねー。ああ、ストレスですかねー」

「ストレス」という、なんだか掴みどころのないものに転嫁できた上に、なんか頑張ってる感とか、ガラスのハート感とか、いろいろなポイントアップ要素が加わる。痔になったのが微妙にかっこいいことになる。
あの、ストレスをバカにしてるわけじゃないので。ねんのため。ただただおしりをちゃんと拭かないで炎症になった人も、なんか「ストレス」に乗っかれる、というね。

なんつーか、こういう逃げ道をもっともっと作ってあげることが、この世の中を円滑にぶん回す手段のひとつにならないか、と思ってる。厳しく追求してもされても、お互いなんも得しない。その時間があったら新しい漢字考えてたほうがいい。

例えば、遅刻なんてのは、もっと逃げ道があったほうがいい。
1車両くらい座席ベッタベタなやつがあって、うっかり乗るとくっついて降りられない車両があったらいい。
や、誰も引っかからないですよ、こんなの。でも、あるだけでいいんです。あるだけで、引っかかる可能性が生まれる。迷惑フォルダの存在と一緒で、普通のビジネスメールが振り分けられることなんか無いけど、そこに可能性があるだけでいいんです。
客先に遅刻したら堂々と「いやー、もうめちゃくちゃ混んでてベッタベタの席しか開いてなくて、仕方なく座ったんスけど、やっぱベッタベタでしたわー」って言えばいい。

失言、みたいなのも、もっと逃げ道があっても良いと思う。
優しい人は憑依されやすい、みたいなのがめちゃくちゃ一般化したらいい。
「さっきのは霊が言ったの」「あーアコちゃんて霊呼んじゃうからねー優しいからー」みたいなことになる。

いや、いちいちこうケースごとに逃げ道を考察していても埒があかない。
どんな責任でも一時的に転嫁できるなんか共通の妖怪みたいのをつくりだしてしまったらどうでしょうね。マルチ妖怪。まあ、なんでもいいけど、ヌッパとか。「ヌッパさんにやられましたわー」「そうかー、出たかー。じゃあ仕方ねえわー」みたいな。

日本もだいぶヌッパさんにやられましたわー。
今までのやつは全部ヌッパさんのせいにして、あした。







2011-06-07   思考  
郵便が不安。

郵便って、50円とか80円とかでどこにも届いちゃうからとんでもなく便利なんだけど、なんつーか、果たしてどのくらいの確率で届いてるんだろう、みたいな不安をいつも持ってる。いや、まあ、今まで届かなかったことは一度も無いんだけど。

いやね、あのー、今って、郵便を使う回数って確実に減ってる。いろんなものをわりとメールで済ませちゃってる。一方で、保険とか銀行とか税務とか行政とかの超重要書類だけが未だに郵便だったりする。結果、いつのまにか郵便が俺の重要情報だけを扱うインフラになってる、という事実。
そうなったとき、果たしてヤツはそれを受け入れるだけの懐を持ってるのだろうか。
500円出すから桐の箱に入れて確実に届けて欲しい、と思うことがある。区役所くらいだったら自分で届けに行く。

何よりもまずポストが不安。
超重要書類をあの中に入れて大丈夫なのか。

1)そもそもそのポストは本物か。誰かの贋作ではないか
2)局員さんはちゃんと取りに来てくれるのか
3)うっかり局員さんが袋を出すときにポロッ、フワ〜みたいなことにならないのか
4)金額の不足があったりしないだろうか

ポストに入れるだけで、これだけ心配事が増える。
少なくとも郵便局に直接行けば上記4つの心配は無くなるので、普段は成功確率を上げるために郵便局へ足を運んでいる。
でも先日、まあ、どうしても郵便局へ行く時間がなかったので、オフィス近くのポストに出すことにした。

心配である。このポストが本物か心配である。
こんなの誰でもそれっぽいの置けますからね。ここに俺の実印つきの個人情報を託して大丈夫なのか。

まず、外観を眺める。10万円貯まるでっかい貯金箱なのではないか、などを確かめる。
軽くポンポンと叩いてみる。そのあと、あたりを見まわし、支柱に軽く蹴りを入れる。倒れない。よし。

回収の時刻を見る。15:00。あー、えー! 15:00かー!
15:00とかメルヘンな時刻は、子供の工作である可能性が高いのだ。ものすごく怪しい。
どうなんだろー。ものすごく怪しいわー。このポスト信用ならないわー。

いや出したんだけど。数日後ちゃんと返事が来たので、多分本物だったんだけど。

まあそれはいいんだけど、話を戻すと、重要書類を投函するたびに、「これが届かなかったらどうしよう」という不安が襲うのは事実。
で、なぜ不安なのか、を考えたんだけど、奴の実力をよく知らないからだ。
どのくらい「届かない」のか。その情報が無いから、必要以上に不安になる。

どっかに出てるんだろうか。ちょっと探したけど見つからなかった。
ここによれば、エラー率は2004年で0.0015% だそうです。ホントなら思ってたよりめちゃくちゃ少ない! でも、バイトとかの手も入るシステムで、このエラー率は無理だと思うんだけどなあ。なんとなく。
ここの回答によると1〜3%とある。それは多すぎな気がする。年賀状100枚書いたら1〜3枚届いてないってことでしょ。それはさすがに無いような気はする。や、もしそうだとしたら、やっぱり重要書類に普通郵便を使っちゃダメってことになる。

ホントの郵便のエラー率を知りたい。

エラー率って、別にネガティブな言葉じゃない。
きょうび、エラーのないサービスは無いことは、もうみんな知ってるんじゃない? 逆に、エラーに気を配りすぎて無駄な経費増やしてサービスの値段をあげないでくれとか、そのくらいフラットに構えているよ。我々は。

エラー率の公表、サーバー会社とかではわりと普通ですかね。稼働率99.99%(1年間で50分くらい停止するかもだけどごめんねー、という意味)とかを普通に公表してる。
サーバーとかウェブサイトって「繋がらないことがある」というのが体感も含めて周知の事実としてあるので、受入れられやすいのかもしれない。
パソコンの初期不良率なんかも、メーカーごと公表されてたりしますね。いまだと大体1%くらい? 100台に1台壊れてる。ちょっと多めに見えるけど、部品の数だけ確率はあがってくので、こんなもんなんじゃないの。知らないけど。
郵便もエラー率の公表、胸を張ってやって良いと思うんだよなー。「エラーをゼロにしろ!」とか言う困ったクレーマーには、「自分で届けろ! ばか!」と言い放っていいと思う。

もっと言えば、エラー率に準じた段階的なサービスが欲しい。

例えば、
・50円で全国に郵便が届くワイワイコース、エラー率0.05%
・1000円で超確実に郵便が届くしっかりコース エラー率0.0001%
・50000円で必ず届くニンニンコース エラー率0.0000001%
・5円で届くかもしれないドキドキコース エラー率12%

みたいな。

ワイワイコースは、いつもの50円のやつ。郵便局員さんが平和に届ける。

しっかりコースをお願いすると、奥からなんかビシィーッとしたスーツの人がやってきて、てきぱきとジュラルミンケースに郵便物を詰めていく。そのまま颯爽と空港へ向かう。

ニンニンコースは、書状を10通用意する必要がある。それを10名の忍者が懐に入れ、四方八方に散っていく。
10人全員殺されない限り、相手に届く。忍者は、クロネコや飛脚の攻撃をかいくぐって命がけで手紙を届ける。

一方、ドキドキコースのほうは、局員に渡した瞬間「てぇーい!」って後ろのカゴにノールックで放り投げられる。入らなかったら、そこで試合終了である。誰も拾わないので、ばたばた走る局員の足跡とかが封筒にガンガン付いていく。我々は、窓口のこっち側からそれを見つめることしかできない。

運良くカゴに入ったドキドキコースの郵便物は、一旦袋にまとめられる。良く訓練されたヤギがそれを背負い、手紙を食べながら目的地を目指す。運搬物自体がガソリンなので、コストがかからない。これが安い所以である。

袋の底のほうにあると食べられる確率が減るので、「朝出すと食べられない」「いや、一旦カゴをひっくり返して袋に詰めるので郵便局が閉まるギリギリに出したほうが良い」とかそういうテクみたいなのもインターネットで議論される。

離島宛ての手紙は、殆ど食べ尽くされる。毎回、空っぽの袋をかついだガリガリのヤギが到着する。


何の話でしたっけ。

そう。郵便のエラー率を知りたい。で、0.01%とか納得出来る値ならば、俺はもっと安心して使う。
あと、偽ポストの確率も知りたい。絶対あるでしょ。15:00とか絶対ウソでしょ。その時間は局員さんも局でおやつ食べてるでしょ。








2011-05-12   思考  
GW終わった。
やっぱり終わった。続かないとは思ってましたけど、万が一、みたいなところで、時空の歪み? みたいなやつで、なんかの加減でずっと続くとかあるんじゃないか、とか思ったんですけど、でもやっぱり終わりました。

まったくこの、融通の効かないシステム。世界は実はプログラムで出来てるんじゃないか、みたいな話はよく言われますけど、だとしたらこれ絶対アメリカ製だよ。この、「君たちユーザはシステムに合わせて業務を行え」感。物理法則のゆるがなさ。絶対アメリカ製だよ。
これが日本だったらあれだよ。サポートの電話番号がちゃんと書いてあって、そこに電話して「GWをリピートし続けて欲しいんですけど」って言うと向こうの営業が「できます!!!」って即答するよ。あとで内部のプログラマに袋叩きに合うんだろうけど。

つーかサポートに電話したい。この世界、いろいろ直してほしいところがある。

まず、雨は無いわ。上から水が降ってくるとか無いよ。ドリフじゃないんだから。設計者はいかりや長介の何かか?
まあ、でも、雨とか雲とか蒸発とか、あのへんかなり辻褄が合っちゃってるから、雨を今更やめるとけっこう大掛かりな修正になっちゃうじゃん。むしろあのへんの物理法則って、雨ありきで考えた、みたいなところあるでしょ。
だから、あれだわ。雨の前にダイアログ出して。「はい/いいえ」のダイアログ出してよ。あー、「いいえ」があるとみんな「いいえ」押しちゃうから、「はい」だけでいいわ。タイミングだけ、こっちが決める感じ。それだけでいいわ。
押し忘れたりして。押し忘れると干ばつ起こるから注意しないとだけど。ずーっとダイアログ出っぱなしで裏でゲームとかやってると大干ばつだけど。それはまあ、がんばりますんで。信用してもらって。

あと雹は無いよ。当たると死ぬから。あれはナシで。それくらい、あれでしょ。ちゃちゃっとできるでしょ?

あと夏にすぐ腐るやつが多すぎる。あれはもうちょっと期限を延ばして欲しい。

あとクリスマスと正月の間隔短すぎ。あ、それはシステムじゃなくてこっち側の責任なの? そうなの。どうすればいいの? 区役所みたいなとこに言えばいいの? それも知らない? あそう。

ところで、世界がプログラムだとしたら、絶対バグはある。
なんか、昔の都市伝説で、特殊な番号に電話をかけて、何分だか待って、部屋を開けて、みたいな手順を踏むとすごいことが起こる、みたいなやつ知ってます? あれとか、昔、可能性ゼロではないなあ、とか思ってた。
例えば、この「世界プログラム」では、電話を発明されることが想定外だったとしたら。例えばバカなプログラマが、声はかならず空気を伝わるものであんまり遠くの人には聞こえない、みたいな固定概念でいろいろな機能をハードコーディングしちゃってたりしてたとしたら。
例えば、音の聞こえ方の計算が大変だから、遠くに居る人同士の計算はしてない、とか。
電話が発明されたとたん、ほかの何かと矛盾が生じて、うっかり変なことがおこる、みたいなバグがあってもおかしくはない。

だから、なんだろ、システムの想定から外れた行動をすることで、もしかしたらシステムの誤作動を誘うことができるかもしれない。こんなことは誰でも想像つくので、多くの人がいろいろなパターンを試しているんじゃなかろうか。
あどけない女の子に路上で突然おちんちん見せちゃうおっさんとかは、もしかしたらそういった類の研究をしているハッカーなのかもしれない。

あと絶対バグだわ、と思うのは、電車乗ってるとたまに駅が飛ぶ。絶対無かった。電光板では止まったことになってるけど、絶対止まってない。
処理が追いついてなくて、ところどころ飛んでるんじゃないかな。人口がそろそろ70億人になるらしいので、負荷関連の障害ではないかと考えている。
対策としては、どうでもいいところの処理を、もっと減らしたらいいんじゃないでしょうか。
例えば、なんだろ、まだ横浜には居る暴走族とか、処理カクカクでいいよ。
ブンブンブンブ……ブ……ブン……みたいな。読込中のクルクルマークでも出しとけばいい。







2011-04-26   思考  
春か秋かと言われたら、俺は断然春。春だった。

好きな季節は? と聞かれたとき、インドア派が答える季節は春か秋と相場は決まっている。
海水浴だことのスキーだことの、そういう高度な社会的イベントの魅力によるゲタを一切はかせずにただただ「過ごしやすいかどうか」という生物学的な判断をすると、自然と春か秋になる。

では、春と秋はどちらが優秀か。

これはいろいろな考え方が出来るけれど、俺の場合は、じゃあ夏と冬どっちが嫌いか、という軸で考えてる。
夏と冬。これは、断然冬が憎い。冬は寒い。寒いとマジで死ぬ。まあ夏も熱射病とかで死ぬけど、じゃあどっちが死ぬか、っていうと、多分日本では冬のほうがリアルにやばい。
秋は冬に近い。秋は冬を希釈したやつだと思うと、途端に秋が愛せなくなる。秋を許すから冬が来る。みんなで秋にNOをつきつけたら、冬は来ないんじゃないかとも思う。次秋が来たら栗投げつけてやるんだわ。

というわけで、春は良いよね。春は良い。
と思ってたら、今年花粉症になりました。

あの、花粉症って、突然なるんですよね。なんかよくある説明に、花粉が溜まるバケツみたいなのが体内にあって、吸った花粉がどんどん溜まっていって、それが満杯になったら発症する、みたいなやつがあるけど、まあ、一杯になったんでしょうなあ。俺の器はこの程度だったんだろうなあ。っていうか10代20代で既に花粉症の人とかのおちょこっぷりから比べたら、まあ、俺の器は45Lのゴミ入れくらいはあったんじゃないですかね。

そうなると、死ぬまで花粉症にならない人とかどんだけの器なんだっつー話ですけどね。果てしないんだろうなー。小宇宙レベルかもしれん。
っていうか、日本人の46%が花粉症の現代において、器が小宇宙つーのはもはや超能力だと思う。そういう人にこの世の花粉を積極的に全部吸ってもらうのとかどうでしょうね。
花粉吸引師。花粉をすべて吸い込み山を浄化することができる。春になるとシャーン! シャーン! みたいな感じで錫杖をつきながら山に現れて、浄化してくれるの。

なんか漫画にできそう。

俺の名前は春野伊吹。最年少の特級花粉吸引師だ。
裏山の一番奥にある飛騨の千年杉。今まで多くの花粉吸引師を花粉症に追いやってきた。
そして、遂にこの村最強のじいちゃんまで……。
じいちゃんの鼻水は俺の涙! この鼻で絶対平和を取り戻す!
来週もまた見てくれよな! 吸引ッ!

ほんと頑張って欲しいわー。すげえ前のめりで応援する。

何の話でしたっけ。
あー、秋、良いですよね。







2011-04-15   思考  
超汚いお店。

飲食店で、超汚いお店ってあるじゃないですか。なんというか、年季入ってて床の油染みが取れない、とかそういう汚さではなくて、もう絶対ここ掃除してねえだろ! 的な。完全に怠惰が原因の。
昔仕事で早稲田にいたんですけど、学生街にはそういう積極的汚さを維持しているお店がいくつもある。

で、すごいなあと思ったのは、3年くらい居たんだけど、食中毒で店を閉じている、とかいう風景に出会うことは無かった。

いや、何を当たり前のことを、って思ってるかもしれないですけど、汚部屋クリエイターの我々の思考からすれば、この現象は本当に驚きですよ。
え、汚部屋クリエイターです。かくいう俺も、放っておくと汚部屋の最上級であるところの魔窟を生成する能力を有しておりましたが、今は嫁が居るということと、6帖という身分相応な部屋を与えられていること、これらが相まって、そこまで能力を出さずに済んでいます。あれですけどね。若いうちは「汚い!」と言われて「エッヘッへー」で済んでますけど、40過ぎるとただのごみ屋敷おじさんですからね。更生できて良かった。

で、元・汚部屋クリエイターである俺が、あの、元泥棒が明かす空き巣に狙われやすい家、みたいな感じでしゃべりますけど、いいですか、あの、えっと、はい、汚部屋クリエイターです。職業です。え? 大部屋じゃないです。汚部屋、汚いって書いて汚部屋。はい。あ、ちゃんと声替えてもらってます? 親とか見てるかもしれないんで。これ夕方のニュースですよね? そうですか、じゃあしゃべります。
えー。そうじをしない、という選択は、「すべてがめんどくさい」という時に生まれます。
「それどころじゃない」という時にもそうじをしないという選択は生まれますが、大抵「それどころじゃない」の先にあるものは、「それ」どころ程度のものです。その思いは「それ」を過大評価、もしくは今まで放っておいてたことを棚にあげて自分は忙しい、掃除している場合じゃない、という自分への嘘から生まれています。そしてその嘘は「めんどくさい」から生まれていますので、やっぱり「すべてがめんどくさい」時に生まれています。

したがって、めんどくさいの塊になったとき、部屋が汚れます。
これ言い出すとなんか道徳の授業みたくなってしまうんで言いたかないんですけど、部屋が汚れているときは確実に本人やる気ないってのは真理ですよね。ありゃ真理だ。部屋の乱れは心の乱れ。ああ、うまいこと言ったもんです。そのとおりでさあ!(折れた傘で空ペットボトルを回しながら)

で、もし俺が飲食店の店主で、店の顔とも言える店内の掃除がめんどくさくなっちゃってたとしたら、食器洗うのもめんどくさいし、素材切るのもめんどくさい。めーんどーくさーい! そして近い将来、めんどくさいの雪崩が、食中毒事件を必ずや起こすはずなのです。

しかし、1件も起きなかった。
あんまり詳しくないですけど、まな板とふきんを洗わないでいたら、夏場とか、わりと食中毒って簡単に起こると言います。
ということは、「そこ」だけはちゃんとやってたってこと?
なんでなんで? お店の運営自体がめんどくさくなってるのに、食品の衛生を最終防衛ラインのように守るのは何なの? そこに何があるの? せめて他人には迷惑をかけまいとする心? すべてを失っても、それだけは残っていたというの?

昔の記憶をたどると、ひとつ思い当たるふしがあります。
学生時代、汚部屋仲間の一人が観葉植物を育てていまして、まあ全く「観葉」になってなかったんですけど、水だけはきっちりあげてた。これには俺も言葉を失いました。なぜそんなことをするんだい? もうお前の部屋は死んでるんだぜ?
彼は「だってかわいそうだろ」と答えました。そうか。こいつは、すべてがめんどくさくなっても、それがもとで植物が死ぬのは嫌なんだ。

汚部屋の澱みに食い殺される前の、最後の人間らしさ。一筋の光に手をかざす姿が、そこにはあったのかもしれません。
彼は観葉植物の生命を維持することを最終防衛ラインにしていたのかもしれない。
そして、汚いお店の店主たちも。食の安全を守ることだけ、それだけを、最終防衛ラインにしていたのかもしれない。

みたいな話を以前後輩にしたところ
「食中毒云々の前に、あの店に人が入ってるの見たことあります?」


ないわい。







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