美容室へ行ったんですけども。
あのー、俺いっつも遅刻するんですね。で、遅刻したら心象も悪いじゃないですか。忙しいのに、遅刻してくる客とかね、まあイライラしますわね。人間だもの。
で、まあ、意識的にはやってないとはいえ、こう、細かいところのこだわり? みたいなところで、差が出てくるわけじゃないですか。
まあ、よく知らないですけど、10回こうハサミを往復するべきところを7、8回になったり。
ハサミにちょっと毛が絡まったとき、普通は丁寧に解くのに、まいっかーって感じでえいって引っ張ったり。
なんか最近イテッ! みたいなことが多いんだけどこれかなー。遅刻してるからかなー。
だからもしかしたら俺の魅力的なところは、この美容師によってセーブされている可能性すらあるわけですよ。遅刻しているせいで、美容師がだらーっといろいろやるので、くたーっとした感じに仕上がり、俺の人生は全体的にどよーんとしている可能性も否定できない。
つまり、俺の人生が全体的にもやがかかっていること? この負の連鎖? の原点は、美容室に遅刻していくことなのではなかろうか、と思って、今日は遅刻しないで行きましょうかと。あのー、時間を守る英国紳士で行きましょうかと。英国紳士時間を守るか知らないですけど。
で、遅刻しまして。
完全に。完全に20分きっかり遅刻しまして。きっかりっていうか。
ああ、またもやもやした髪型にされるぞ、と。
でついたら、「えっ……、あれ? あ、じゃあ、ここ、座っといて」みたいな。
あれ、明らかに歓迎されてないあれ。でスケジュール見たら、なんか、30分間違えてた。開始時間を30分早く勘違いしていて、結果的に10分速く着いてた。これはこれで非常に迷惑というか。どんだけ楽しみなんだ、と。まあ、何をやっても裏目に出るので、わりとこういうのは慣れてるんですけど。
で、あのー、しばらくして椅子に通されて、「ちょっと待っててくださいねー」と言って、雑誌を置かれた。
Monoマガジン。表紙は、iPhoneとAndroid大特集。
うわー。なんだろ、めちゃくちゃ恥ずかしい。
いやえっと、美容師さんとはあれですよ。もう8年くらいのつきあいになりますので、俺がこういうガジェットにめちゃんこ興味あることも知ってる。
待ってる間もちょいちょいiPhoneいじってたから、まあ、なんだろ、すっごい大好物な特集じゃないですか。
いやでもなんか、あれですよ。自分サルで、飼育員にバナナを突然目の前に置かれて、「ちょっと待っててくださいねー」ってどっか行った感じですよ。
置いた側は、別室で「バナナ食べるかな? 食べるかな?」って見てるわけですよ。
何の実験だよ! 食べねえよ! そんな状況で、バナナ食べねえよ!
って思って、バナナ、我慢してたんだけど、10分くらい経った頃かな。
そもそもバナナとは何ぞやと。バナナは、食べるために存在しているのである。それを否定することに、何の意味があるのだろうか。
雑誌は、読まれるためにそこに存在しているのである。雑誌の存在意義を汚す自由が俺にあるのだろうか。そういう観点からいけば、俺が雑誌を読む、という行為は、自由というより、むしろ義務なのではないだろうか。
みたいな感じで雑誌を手に取りまして、読み始めたところに美容師さんがやってきて「あー、ヤスノリ君それ興味あると思った〜」
まあ何をやっても裏目に出るので、わりとこういうのには慣れてるんですけど。
で、その美容師さん、ちょっと人気のある美容師さんなので、俺と、あと何人か同時にやってる感じなんですね。
ちょいちょい席をはずすんですけど、あのー、途中で、その美容師さんが、新人の美容師さんに「細かい毛を落とすから先に一回頭洗っておいて。また切るから」と。
新人の美容師さんに頭を洗ってもらい、ざっと乾かしてもらったんですけど、あのー、また切るってのに、その新人さんがガチのセットを始めて。
なんか、毛先をピン! ピン! みたいな。ガチの。毛の流れを作りたいのか、ドライヤーをブオオオオオン!! 熱っち! 若干熱っち! みたいな。地肌が焦げる!
絶対慣れてないだろ! 熱いよ若干! っていうかなんでセットしてんの? 熱い!
結果、なんか、毛を前へ全部流した、みたいな、なんか前衛的なスタイルのわたくしが居て。えっ。何コレ? 何コレクション? みたいな。
あのー。わかんないですよ。わかんないですけど。その、俺の担当のベテラン美容師が帰ってきたときに、「あらっ」みたいな。「あらっ、このセット……」みたいな、そんな展開を期待して、もしかしてセットされました?
閉店後に、
「君、来週から、ハサミ持ってくること。いいわね」
「は、はいっ!」
みたいな、そんな展開を期待されました?
俺を足がかりにするな。
なんかちょい腹たったのと、あと鏡の中の前衛的な自分にも我慢ならなかったので、その新人さんがはけたあと、一生懸命普通に直しました。
ごめん。君の出世は、もうちょっと先だ。
あのー、俺いっつも遅刻するんですね。で、遅刻したら心象も悪いじゃないですか。忙しいのに、遅刻してくる客とかね、まあイライラしますわね。人間だもの。
で、まあ、意識的にはやってないとはいえ、こう、細かいところのこだわり? みたいなところで、差が出てくるわけじゃないですか。
まあ、よく知らないですけど、10回こうハサミを往復するべきところを7、8回になったり。
ハサミにちょっと毛が絡まったとき、普通は丁寧に解くのに、まいっかーって感じでえいって引っ張ったり。
なんか最近イテッ! みたいなことが多いんだけどこれかなー。遅刻してるからかなー。
だからもしかしたら俺の魅力的なところは、この美容師によってセーブされている可能性すらあるわけですよ。遅刻しているせいで、美容師がだらーっといろいろやるので、くたーっとした感じに仕上がり、俺の人生は全体的にどよーんとしている可能性も否定できない。
つまり、俺の人生が全体的にもやがかかっていること? この負の連鎖? の原点は、美容室に遅刻していくことなのではなかろうか、と思って、今日は遅刻しないで行きましょうかと。あのー、時間を守る英国紳士で行きましょうかと。英国紳士時間を守るか知らないですけど。
で、遅刻しまして。
完全に。完全に20分きっかり遅刻しまして。きっかりっていうか。
ああ、またもやもやした髪型にされるぞ、と。
でついたら、「えっ……、あれ? あ、じゃあ、ここ、座っといて」みたいな。
あれ、明らかに歓迎されてないあれ。でスケジュール見たら、なんか、30分間違えてた。開始時間を30分早く勘違いしていて、結果的に10分速く着いてた。これはこれで非常に迷惑というか。どんだけ楽しみなんだ、と。まあ、何をやっても裏目に出るので、わりとこういうのは慣れてるんですけど。
で、あのー、しばらくして椅子に通されて、「ちょっと待っててくださいねー」と言って、雑誌を置かれた。
Monoマガジン。表紙は、iPhoneとAndroid大特集。
うわー。なんだろ、めちゃくちゃ恥ずかしい。
いやえっと、美容師さんとはあれですよ。もう8年くらいのつきあいになりますので、俺がこういうガジェットにめちゃんこ興味あることも知ってる。
待ってる間もちょいちょいiPhoneいじってたから、まあ、なんだろ、すっごい大好物な特集じゃないですか。
いやでもなんか、あれですよ。自分サルで、飼育員にバナナを突然目の前に置かれて、「ちょっと待っててくださいねー」ってどっか行った感じですよ。
置いた側は、別室で「バナナ食べるかな? 食べるかな?」って見てるわけですよ。
何の実験だよ! 食べねえよ! そんな状況で、バナナ食べねえよ!
って思って、バナナ、我慢してたんだけど、10分くらい経った頃かな。
そもそもバナナとは何ぞやと。バナナは、食べるために存在しているのである。それを否定することに、何の意味があるのだろうか。
雑誌は、読まれるためにそこに存在しているのである。雑誌の存在意義を汚す自由が俺にあるのだろうか。そういう観点からいけば、俺が雑誌を読む、という行為は、自由というより、むしろ義務なのではないだろうか。
みたいな感じで雑誌を手に取りまして、読み始めたところに美容師さんがやってきて「あー、ヤスノリ君それ興味あると思った〜」
まあ何をやっても裏目に出るので、わりとこういうのには慣れてるんですけど。
で、その美容師さん、ちょっと人気のある美容師さんなので、俺と、あと何人か同時にやってる感じなんですね。
ちょいちょい席をはずすんですけど、あのー、途中で、その美容師さんが、新人の美容師さんに「細かい毛を落とすから先に一回頭洗っておいて。また切るから」と。
新人の美容師さんに頭を洗ってもらい、ざっと乾かしてもらったんですけど、あのー、また切るってのに、その新人さんがガチのセットを始めて。
なんか、毛先をピン! ピン! みたいな。ガチの。毛の流れを作りたいのか、ドライヤーをブオオオオオン!! 熱っち! 若干熱っち! みたいな。地肌が焦げる!
絶対慣れてないだろ! 熱いよ若干! っていうかなんでセットしてんの? 熱い!
結果、なんか、毛を前へ全部流した、みたいな、なんか前衛的なスタイルのわたくしが居て。えっ。何コレ? 何コレクション? みたいな。
あのー。わかんないですよ。わかんないですけど。その、俺の担当のベテラン美容師が帰ってきたときに、「あらっ」みたいな。「あらっ、このセット……」みたいな、そんな展開を期待して、もしかしてセットされました?
閉店後に、
「君、来週から、ハサミ持ってくること。いいわね」
「は、はいっ!」
みたいな、そんな展開を期待されました?
俺を足がかりにするな。
なんかちょい腹たったのと、あと鏡の中の前衛的な自分にも我慢ならなかったので、その新人さんがはけたあと、一生懸命普通に直しました。
ごめん。君の出世は、もうちょっと先だ。
こんなのも書いたよ。