2004-03-02   思考  
 動物園へ行ってきました。まあ、着いたのが4時で、終わるのが4時半というとても素敵な日程だったので、動物は2,3匹しか見てないんですけど。殆どの動物が飼育小屋に返されてしまっていて、オリは空っぽ。あのー、よく、南米とかの鳥で、あれ? どこに居るのかな? みたいな感じで木に紛れ込んじゃう鳥とか居るじゃないですか。俺なんかもう、「あー、あれかな?」とか言って鳥小屋の前でめっちゃ探したんだけど、結局、既に居なかった、という。空っぽの鳥小屋で「あれかな?」とか言っちゃった。恥ずかしい!

 まあ、それはいいんですけど、あのー、動物園に欠かせないのが、まあ、動物の説明板ですわ。へえ、こんなに大きいんだ! へえ、すごい珍しいんだなあ! と、僕たちをわくわくさせてくれる、スパイス的存在なのですが、あのー、ズーラシアへ入ってから、なんかね、こう、説明版に、妙な違和感があったんですよ。何だろう、何だろう、と思いながら、半ば動物そっちのけで考えていたんですけど。


 写真1 オランウータン(クリックで拡大)


 写真2 スマトラトラ(クリックで拡大)

 なんかね、この、説明が、あのー、ものすごい、飼育員目線なんですよ。オランウータンの説明(写真1)では、まあ、本文をよく読めば、握力が強い、とか、体重は100キロにもなる、とか、ちょっとはそれっぽい情報が入っているのですが、どう見てもメインは、オランウータンのやぐらの補修が大変だった、っていう苦労話です。その証拠に、説明板に使われている写真はオランウータンではなく、やぐらです。
 スマトラトラの説明(写真2)に至っては、有益な情報はまったく出てきません。新しい飼育員とスマトラトラの奮闘記になっています。最後なんか、今日のわんこ風の終わり方です。

 書いているうちに、なんかノリノリになってしまったのか何なのか、主役が明らかに動物から自分に変わってしまっている。こう、日記になってしまっている。
 まあ、30分しかなかったので、結局入り口付近の説明板しか見ることができなかったのですが、入り口であの調子だと、奥はもっとすごいことになっているかもしれない。

 ニホンザル
 意外と握力の強いサルは、小学校の時に居た金田君にそっくり。金田君は2年生のときにおもらしをしてしまったのですが、明らかに椅子の下に水溜りがあるのに、「おもらししてない」の一点張り。友人の「下の水は?」の問いにも首をかしげて「分かんねー」「知らねー」とシラを切りとおすその姿に、男とは何か、改めて考えさせられました。

 アライグマ
 私はアライグマがここに来た時のことをとてもよく覚えています。あれは確か夏の暑い日。前日に突然彼に別れを告げられた私は結局一睡も出来ず、目を腫らしながら出勤したのでした。私の彼は大手商社に勤めるやり手ビジネスマンで、まあ、ちょっと冷たいところはあったけれど、それは物事に取り組む際の彼の厳格さの裏返しだと思って、我慢していました。でも、それは違ったんです。

 ホッキョクグマ
 彼は、私のことなんてちっとも考えていなかったんです。彼は、自分に酔っていただけなんです。彼女と一緒に遊ぶ自分。一流企業に勤める自分。仕事をバリバリこなす自分。だから、役割が終わったら捨てられる。それだけでした。私は、彼の頭の中で繰り広げられる退屈でつまらないストーリーの脇役でしかなかったのです。

 ヒグマ
 「別れてせいせいした!」 「まー、でも、いい男と言えばいい男だったよねー」 「順子ー、もう、忘れたいんだからやめてよねー!」 「週末合コンだけど来るー?」 「わたし行かない」 「えー!? いこーよー! ね? ホンダだよ?」 「行く」 「わー。ちょっと引いた。その変わり身の早さに」 「行く」 「分かった、分かったから!」

 近いうちにもう一回行きたい。ズーラシア。





2004-02-20   思考  
 リクルートのCMで笑った奴は負け組。

 駅のアナウンスの声を、上り側と下り側で分けていることがあります。例えばウチの近くの駅では、1番線を男性、2番線を女性と分けているのですが、これ、同時にアナウンスが入った場合にも非常に聞き取り易い。ホント、よく考えたなあ、と思います。

 まあ、そこまではいいんですよ。あのー、駅のアナウンスって、録音と生と二種類あるじゃないですか。例えば「まもなく、2番線に、上り列車が参ります」とかいう定型文は録音で、「えー、お下がりください、お下がりください」とか状況に合わせてリアルタイムで言うのが生だったりするわけですけど、俺の記憶では、ちょっと前までは、ウチの近くの駅、生の声も女性だったんですよ。ちゃんと。でも最近、その女性が辞めたのか何なのか知らないですけど、2番線の生声担当が男性になってしまった。

 なんだろね、で、その男性も、すんごい考えた、と思うんですよ。男子禁制、脈々と女子にのみ受け継がれてきたこの仕事を、私なんかが引き受けていいものだろうか。私に、伝統を壊す権利があるのだろうか。そもそも、私がやることによって、乗客が聞き取りづらくなってしまうではないか。それだけは、絶対に避けなければならない。

 で、その男の出した結論が、声を、半オクターブほど高く出すこと、でした。

 「えぇー、お下がりくださいぃー。お下がりくださいぃー」
 サラリーマンやOLでごった返す朝日のまぶしい駅、オカマ声が、列車の到着を告げます。

 2番線のあなた。
 今、同期の間では、あなたの話でもちきりになっています。「気持ち悪い」「朝からやる気が無くなる」「夢に出てきた」「マイクを持つ小指が立ってた」「新宿2丁目で見かけたらしい」等々。

 俺は、全部分かってるから。全部分かってる。乗客のためを思って、がんばっているんだよね。
 俺は、あなたを、応援しています(おしりを手で隠しながら)。





2004-02-16   思考  
ダリアンガールズ大注目ですね。

 半年くらい前のことになるけど、会社の友達がバーベキューを計画したことがあります。仕事の都合で結局流れてしまったんだけど、友達がめちゃめちゃやる気で、バーベキューのしおりまで作っていました。
 そのしおりを見て、びっくり。場所が、お台場なのね。

 え、お台場って、そんな、野性味溢れた場所だったかしら。だいたい、どこで火を起こすんだ。俺の知ってるお台場は、なんか目的を失ったカップルがいっぱい居てフジテレビなんかを見学したり、あ、あのフジテレビの銀色のボールをうまいこと使って火を起こすとかそういうことですか?
 まあ、百歩譲って、お台場で火を起こせたとしよう。でも、肉とか鉄板とかは一体どうするんだ。お台場で生肉をぶら下げたり鉄板を抱えている奴なんて見たことが無い。で、よくよく聞けば、肉も、鉄板も全部、あちらさんで用意されてるとか言うじゃないですか。きょうび、都会のバーベキューとは手ぶらで行くのが当たり前なのだとか。

 なんだ、その、生ぬるいバーベキューは。バーベキューて、確かに外で肉を焼けばバーベキューですけども、なんだろーなー、前日、肉班を太い奴が買って出て、なんか汚れるから、と渋る新車買ったばっかの奴に無理やり車を出させ、当日、薪が足らなくなって買いに走らせ、さらに肉班の太い奴が自分の食べる量掛ける人数分の肉を持ってきてしまっていて、最後は肉怖い肉怖い言いながら食べきる、と、そこまでが、バーベキューの醍醐味ではないのか。

 それを、なんだ。

前日に買出しをして(他人)
器具の調達をして(他人)
車で搬送して(他人)
調理して(自分)
飲食して(自分)
後片付けをする(他人)

 ひどい!
 これ、バーベキューだからまだ許されてますけど、ほかのものに置き換えたら、けっこうひどいことが分かります。例えば、えー、魚釣りに置き換えたら、こんな感じ。

餌付けして(他人)
投げて(他人)
引きが来て(他人)
リール巻いて(自分)
魚を引き上げて(自分)
針を外す(他人)

 なんか、どっかの馬鹿な殿様じゃないか。余が釣った魚じゃ! とか言ってんの。

 RPGゲームだったら、こうなる。

冒険に出発して(他人)
さまざまなモンスターを倒して(他人)
不思議なアイテムを手に入れて(他人)
素敵な仲間を集めて(他人)
魔王と対決し(他人)
仲間を失い(自分)
最後、不思議なアイテムの力で勝って(自分)
感動的なエンディング(他人)

 面白いのか、それは。話も把握してないじゃん。仲間死んでも、なんにも、こう、来ないし。

 大学生活に置き換えると、こんな感じでしょうか。

入学して(自分)
友達と交流し(他人)
クラブ活動で大活躍し(他人)
恋をして(他人)
単位を取り(他人)
卒業(他人)

 あんなものがバーベキューと呼べるのなら、古賀議員は、ペパーダイン大学卒、って言ってしまっていいと思う。




2004-02-12   思考  
 リロードのできない人が居る。

 電車の中でよく見るのが、あのー、ありえない場所のつり革を握っている人。なんか、人の頭を越えた先のつり革をわざわざ頑なに握っている人をよく見かけて、あー、と思う。あのー、なんだ、おそらく、10分前までは、その人にとって、直近のつり革は、それだったんだろう。でも、さっきの駅でいっぱい人が乗ってきたことによって、電車内の地図は大幅に変わってしまった。しかしその男は、それに気づかない。もう一回自分の周りを見渡せば、より近いつり革の存在に気づくのに。

 こんな感じで、僕たちは、一旦立ち止まってリロードして、新しい情報に書き換えなければならないことがあります。でも、意外とそれを忘れている人が多い。それは、周りが見えていない証拠。遠くのつり革をいつまでも握っているお前! だからお前は駄目なんだよ! だからお前は女房にも逃げられるし、飼い犬にはなつかれないし、メールは送信に失敗するんだよ! と、思いっきり馬鹿にしていたのですが。

 この前テレビを見ていまして、えー、あの、なんだ、日曜にね、よくやってる、都内の美味しい店を芸能人が巡ってうまいうまい言う番組だったんですけど、「どうせ俺はいけねーよ」とか思いながら見てました。よく考えたら、俺、横浜来てるんだし、行き放題じゃないか! いつまで仙台気分なんだ。丸一年、都内で働く身分でありながら、ああ、東京の旨い店とか一度でいいから行ってみてー、とか思ってました。どんだけリロードしてないんだ、俺は。





2004-02-09   思考  
 最近引っ越したアパートのエレベーターなんですけど、たまに、何故か押してない3階に止まるんですよね。でも、誰も乗ってくるわけでもない。つーか、この3階っつーのが、ほんと奇妙で、いつも電気が消えている。奥に、変な会社の事務所っぽい表札がかかっているんだけど、まったく人の気配がない。
 そんなのが、数回続いた。

 幽霊じゃないか。ギャー! 今考えるとほんと怖いんですけど、あのー、ちょっと最近までほんと会社のほうで仕事が詰まっていて、こう、すんごい疲れて帰ってくるわけですよ。でね、3階のドアとか開くじゃないですか。怖いっていうより、半分キレてますからね。「殺すぞ! 馬鹿!」みたいなことをつぶやきながら閉めるボタンを連打。殺すぞ! とか言われた幽霊もたまらないと思うんだけど、あのー、なんだろ、ほんと、幽霊とかそういうの考えてる暇が無かった。
 ほんと、ごめん、せっかく3階でわざわざエレベーター止めて、怖がらせようとしていたのに、こんな反応薄くてごめん、て感じなんですけど、あの、よく考えると、幽霊って、うすら寒いなあ、と思う。3階でエレベーター止めて、人間が怯えた瞬間、こうやって出て……みたく、幽霊的に、なんか、プチ演出してるわけじゃないですか。もしかしたら、練習みたいなのもやってるかもしれない。

 一般的によく話に聞く幽霊の出現方法も、練習無しではありえない。例えば、トンネルを通っていると、女性の笑い声が。横に気配を感じたので、見ると、壁のところに人影が! ギャー!
 みたいなよくある話ですが、これも、タイミングが大事で、笑い声が聞こえてから止まるまでの距離を計算に入れなければいけない。
 仮に、笑い声が聞こえてから全員が急に止まる、と仮定しても、歩いている人と自転車に乗っている人とでは、止まるポイントが変わってしまう。つまり、被験者の移動速度に合わせて、笑い声を聞かせるポイントを微妙に調節しなければならないわけだ。すごい、練習のにおいがする。なんか、地面に印みたいのつけてるかもしれない。

 同じようにうすら寒いのが、風邪だと思っていて。あのー、なんか、ばい菌みたいなのが体に入ってきて、せきとかくしゃみとかを起こしてるわけでしょ、「人間を困らせてやれ! デヘヘ!」みたいな感じで。あーもー、そういうの、まじでうぜー。幼稚園レベルじゃないか。え、なんつーか、その、人間いじめは、楽しいの? 風邪菌に対して、俺めっちゃ冷たいですよ。君の面白いと思ってやってることって、心底面白くないから、いいかげん気づいてください。ちなみに、風邪に対してこういう冷たい態度を取るようになってから、俺、一回も風邪引いてません。多分、病気を克服するって、こういうことだと思う。




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