2007-08-31   思考  
 学生時代、恐山へ行ったんですけど。

 あのー、まあ、あれですわ。恐山と言えば、なんだ、その、地獄に近いだことの、霊が集まる場所だことの言われるわけですが、あの、学生時代最後の夏休みですわ。東北六県を制覇しようぜ! ってことに急になって、友達と車で行ったんです。
 で、そう青森県は恐山。山中に湖があるんですよ。その湖っていうのもなんとも不気味な静けさと言うか、ほんと、生物の居る感じがまったく無い、不思議な湖でね。

 でもまあ、せっかく来たんだし、写真でも撮ろうかと、タイマーセットして友達と写真を撮ろうとしたんですけど、あの、そこに蜂がブーンて飛んできて。なんつーか、それが、死ぬ感じの蜂で。うわあ! って車の中に戻ったわけです。
 で、数分して、もう行っただろう、ってな感じで、またカメラのタイマーをセットしていると、また蜂が寄ってきて、うわあ! って車の中に戻って。

 そしたら、友達が言うんです。
「これさあ、写真を撮らせないようにしてるんじゃない?」

 またー! そういうこと言ってー! もう、強引に撮ってしまえ! ってなことで、タイマー使わずに、外へ出てこちらへカメラを向けてパシャリと撮ったわけですが。

 おもっくそ、映ったね。おもっくそ。なんだろ、右半分に、もやみたいなのが。

 で、俺、思わず、ピッて消しちゃった。デジカメだったから。ピッで消える心霊写真。

 デジタルっていいよね。ピッで無かったことにできる。
 でも、本当に正式に供養ってなったらどうするんだろう。SDカードを供養すんのかな。SDカードにお経を唱えるのかな。容量で値段違ったりするのかな。それはそれで非常にやってみたい。
 

 話ぜんぜん変わるんですけど、先週富士山登ってきたんですわ。

 あれ、登りは普通なんだけど、下りがきつい。ずーーーーっとなだらかなジグザグ道。1ジグザグで10〜20分くらい。それが、結局どのくらいだろう。数十回あったのかな。いつ終わるのかもわからず、1ジグザグ降りても景色はまったく変わらず。ずっと同じ道を歩いてるみたいで。俺あれだもん。富士山バグったかと思ったもん。

 それはいいんだけど、途中で、「わー疲れたー」って道の上で仰向けに寝転がったとき、あのー、UFO居た。でまあ、周りのみんなも見てるんですけど、あの、ホントにUFO見たとき、「UFO!UFO!」って空気にはならないですよ。ならないですわ。「あーあ、見ちゃった」みたいな。「あーあ」って言ってました。分かるかなあ。なんかめんどくさいじゃないですか。別に、これを下山したあと誰かに言ったところで信用されるわけもなく。変なものを背負い込んでしまったような、なんかこう。

 下山してからも、誰にも言ってない。UFOなんか見てない。めんどくさいし。見てません。5機も見てません。





2007-08-27   思考  
 数ヶ月前に、資格試験みたいの受けたんですけど、あのー、ああいうのって、受験票に証明写真を貼るじゃないですか。何のために必要なのか良く分からないですけど。替え玉防止? でも最初から替え玉の人の写真貼ればよさそうだしなあ。待てよ、そもそも、自分の写真を貼れ! と明言されてなかった気がする。今度フルーツの写真貼ってみようかな。みずみずしい巨峰とか。

 まあ、それはいいんだけど、あの、そう、写真をね、試験へ行く足で撮ったんですよ。駅にスピード写真って言うんですか、あの、証明写真の機械があるので、はさみとのりさえ持っていけば、現地で切り貼りすれば、受験票を完成させることができる。

 で、そう、証明写真の機械ね。カーテン閉めて座って。なんか丸っこい枠に顔を合わせて。で、機械がカウントダウンはじめるんですよね。「さん、に、いち、はい………カシャリ」

 フラッシュをまぶた越しに感じた。完全に、目をつぶった。ああ。
 でも、ああいう機械って、あの、2回撮れるじゃないですか。ね。だからもう一回撮る、ってほうのボタンを押した。仕切りなおし。髪の毛ちゃんとまとめて、パンパンってほっぺた叩いて、今度は目を閉じないように、カウントダウンを良く聞いて。「さん、に、いち、はい………カシャリ」

 フラッシュをまぶた越しに感じた。

あれ。なんでなんで? ってめちゃくちゃ考えたんですけど、分かった。おまえ! 機械! カウントダウンおかしいだろ! 「さん、に、いち」ってきたら、「ゼロ」にあわせて、目をつぶらない努力をするのが人間というもの。それを、「はい………カシャリ」って。しかも「………」の沈黙は何だよ。もう、まばたき我慢しすぎて、むちゃくちゃ長く感じる。俺はあの沈黙を永遠と呼べる。永遠と呼ぶことができる。で、我慢の限界で、目をつぶりかけたところで、シャッターがおりる。絶対わざとだ。この機械でちゃんとした証明写真が撮れる人が居たら神か、機械の特性を1回目で見切った天才かのどちらかだ。


 「1回目と2回目のどちらにしますか? ボタンを押してください」

 目を閉じた俺の写真が2個並んでいる。

 「1回目と2回目のどちらにしますか? ボタンを押してください」



 髪の毛が比較的はねていない方を選んだ。




2007-08-13   思考  
 東本願寺には、「毛綱」という、人間の毛髪で編んだ綱があるという。

 明治時代、寺の再建工事のために作ったものらしい。当時、工事には麻の綱を使っていたんだけど、強度が足りなかったため、急遽約8万人の信者の頭髪で綱が編まれた、と。長さは3千メートルあるとか。
 総本山の再建のため、「使ってください!」と頭髪を差し出す。信心の結晶が、この綱なのだ。

 きのう京都行ってきたんだけど、東本願寺が、工事中だった。毛綱、使ってるのかな。

 このご時勢、もう毛綱なんて使わなくても、なんか強力な素材で編んだワイヤーや重機があるだろう。でも、なんか、あれじゃないですか。8万人の信者の善意の綱を、使わないっていうのも、なんか、悪いじゃないですか。せっかくだし……使う? みたいな感じで、未だに使っているような気もしないでもない。

 ちなみに工事は2010年までかかるそうです。これは、多分使ってる。

 まあ、というか、既に100年の時を超えた、人間の毛髪を編みこんだもの。そろそろ妖怪化して意思を持って自由に動けるようになっている気がする。意外と役に立つかもしれない。重いもの運んでくれたり。あとはなんか、わあ、角材が上から落ちてきた危ない! みたいなときに、フワッと何かしてくれたり。

 休日には自慢の手料理をふるまってくれる。しかも旨い。たまに毛が入ってるけど。




2007-08-02   思考  
 辛く長い仕事が(だいたい)終わったので、また、ぼちぼち更新したい。

 お客さんに、ものっすごく食べ物の好き嫌いが激しい人が居る。

 このまえ、会議のあとみんなでご飯食べにいきましょう、ということになって、お客さんのチーム+俺で行ったんですけど。で、あの、なんだろ、オフィス街の広場の、なんか、ワーって屋台が集まってるようなとこ行ったんですよ。外で、エスニックとかアジアとか、世界各国の料理が楽しめる。

 そしたら、なんか、その人、すっごいうろうろしたあげく、「食べられるものが無い」と。あれだけ、屋台があって、食べられるものが無い。あのワールドワイドなバリエーションを前にして、食べられるものが無い。

 で、じゃあ、ってことで、地下街へ行ったんですけど、そこでも、ものっすごくうろうろして、まあ、なんとか、一軒の居酒屋のランチやってるとこに落ち着いた。
 料理を待ちながら、何が食べられて何が食べられないのかを聞いてみた。

×肉全般
○魚全般
×エビ・カニ
×ピーマン
×きのこ
×ししとう
×たけのこ

 まあ、要は、魚しか食べない。前世サメか何かかなー、と思って聞いてたんですけど、なんつーか、この、肉がダメで魚は良い、ってところにものすごく引っかかった。例えば、くじらは食べるだろうか。魚肉ソーセージは、食べるのかな。両生類はどうだ。どこまで行けるのか、その境界線みたいなところを、いちいち調べたい。
 今度もし仲良くなれたら、長机にこうグラデーションみたいな感じで魚から肉までの食材を並べて、魚側から食べさせてみたい。ちょっとずつ肉に近づくからなんだかよくわかんなくなっちゃって、鶏肉まで普通に行ったりしてね。「それ鶏肉っすよ」とか言ったとたんに、ゲエ、みたいな。あー。やりたい。

 あとあれだ。前にも言った気がするけど、あのー、高所恐怖症の人をぐんぐん宇宙レベルまで持ち上げて、どうでもよくなる境界線を調べたい。あと月に近づいたらこんどは月に対しての高所恐怖症が発動するのか、とか。NASAに提案したい。どうすればいいんだろう。そういうフォーム無いの? NASAのフォーム。




2007-07-29   思考  
 そういえばカミナリについて一言言っておきたかった。

 さっきもなんだ、都内ではカミナリ鳴ってましたけども、あの、ドーン! って鳴ってから女の子が「キャアー」とか言うのが、もう、見てて、腹立たしくて腹立たしくてね。

 だって、アレでしょ。カミナリの怖さの本質は、電気じゃないですか。それが自分に落ちてきたら、そりゃあ、怖い。死ぬる。死ぬるわ。でもね、ドーン! て、遅れて音が聞こえたときは、もう、その、電気本体は、どっかに落ちてるじゃないですか。ドーン! が無事聞けたってのは、当たらなかったよー! やったー! の、ドーン! じゃないですか。祝砲ですよ。言ってみればね。

 なんつーか、本質がね、見えてないんですよ。ドーンは本質じゃない。それをなんだ、ドーン! キャアー! っつーのは、青山! おしゃれ! みたいな、チワワ! かわいい! みたいな、そういうOL的条件反射みたいなものから来てるんじゃないか。かわいくないチワワも居る。居るぞ。

 もっと言えば、アレだな、じゃあ、アレだな。君たちはさあ、花火もさあ、パーって光が見えたときはノーリアクションで、遅れてドーン! って鳴ったときに、漆黒の闇夜に向かってワーキャー言うんだな。

 でも、隅田川にそんな人は居ないわけで。
 そこはちゃんとするんだなあ。

 まあ、隅田川行ってないけども。




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