数ヶ月前に、資格試験みたいの受けたんですけど、あのー、ああいうのって、受験票に証明写真を貼るじゃないですか。何のために必要なのか良く分からないですけど。替え玉防止? でも最初から替え玉の人の写真貼ればよさそうだしなあ。待てよ、そもそも、自分の写真を貼れ! と明言されてなかった気がする。今度フルーツの写真貼ってみようかな。みずみずしい巨峰とか。
まあ、それはいいんだけど、あの、そう、写真をね、試験へ行く足で撮ったんですよ。駅にスピード写真って言うんですか、あの、証明写真の機械があるので、はさみとのりさえ持っていけば、現地で切り貼りすれば、受験票を完成させることができる。
で、そう、証明写真の機械ね。カーテン閉めて座って。なんか丸っこい枠に顔を合わせて。で、機械がカウントダウンはじめるんですよね。「さん、に、いち、はい………カシャリ」
フラッシュをまぶた越しに感じた。完全に、目をつぶった。ああ。
でも、ああいう機械って、あの、2回撮れるじゃないですか。ね。だからもう一回撮る、ってほうのボタンを押した。仕切りなおし。髪の毛ちゃんとまとめて、パンパンってほっぺた叩いて、今度は目を閉じないように、カウントダウンを良く聞いて。「さん、に、いち、はい………カシャリ」
フラッシュをまぶた越しに感じた。
あれ。なんでなんで? ってめちゃくちゃ考えたんですけど、分かった。おまえ! 機械! カウントダウンおかしいだろ! 「さん、に、いち」ってきたら、「ゼロ」にあわせて、目をつぶらない努力をするのが人間というもの。それを、「はい………カシャリ」って。しかも「………」の沈黙は何だよ。もう、まばたき我慢しすぎて、むちゃくちゃ長く感じる。俺はあの沈黙を永遠と呼べる。永遠と呼ぶことができる。で、我慢の限界で、目をつぶりかけたところで、シャッターがおりる。絶対わざとだ。この機械でちゃんとした証明写真が撮れる人が居たら神か、機械の特性を1回目で見切った天才かのどちらかだ。
「1回目と2回目のどちらにしますか? ボタンを押してください」
目を閉じた俺の写真が2個並んでいる。
「1回目と2回目のどちらにしますか? ボタンを押してください」
髪の毛が比較的はねていない方を選んだ。
まあ、それはいいんだけど、あの、そう、写真をね、試験へ行く足で撮ったんですよ。駅にスピード写真って言うんですか、あの、証明写真の機械があるので、はさみとのりさえ持っていけば、現地で切り貼りすれば、受験票を完成させることができる。
で、そう、証明写真の機械ね。カーテン閉めて座って。なんか丸っこい枠に顔を合わせて。で、機械がカウントダウンはじめるんですよね。「さん、に、いち、はい………カシャリ」
フラッシュをまぶた越しに感じた。完全に、目をつぶった。ああ。
でも、ああいう機械って、あの、2回撮れるじゃないですか。ね。だからもう一回撮る、ってほうのボタンを押した。仕切りなおし。髪の毛ちゃんとまとめて、パンパンってほっぺた叩いて、今度は目を閉じないように、カウントダウンを良く聞いて。「さん、に、いち、はい………カシャリ」
フラッシュをまぶた越しに感じた。
あれ。なんでなんで? ってめちゃくちゃ考えたんですけど、分かった。おまえ! 機械! カウントダウンおかしいだろ! 「さん、に、いち」ってきたら、「ゼロ」にあわせて、目をつぶらない努力をするのが人間というもの。それを、「はい………カシャリ」って。しかも「………」の沈黙は何だよ。もう、まばたき我慢しすぎて、むちゃくちゃ長く感じる。俺はあの沈黙を永遠と呼べる。永遠と呼ぶことができる。で、我慢の限界で、目をつぶりかけたところで、シャッターがおりる。絶対わざとだ。この機械でちゃんとした証明写真が撮れる人が居たら神か、機械の特性を1回目で見切った天才かのどちらかだ。
「1回目と2回目のどちらにしますか? ボタンを押してください」
目を閉じた俺の写真が2個並んでいる。
「1回目と2回目のどちらにしますか? ボタンを押してください」
髪の毛が比較的はねていない方を選んだ。
こんなのも書いたよ。
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