2007-01-06   思考  
 毎年クリスマスシーズンにもなると、なんか、庭先を電飾している家が目立つようになる。サンタとか、トナカイとかね。俺ナリエ、とでも言おうか。

 でさあ。あのー。この時期になっても、意外に、残ってるのね。

 まあ、大掃除だの、年明けたら明けたで親戚まわりだので忙しいのは分かるけど。片付けろよ。もしくは、百歩譲って、年を越すことを見越した飾り付けにしろよ。なんか、鏡餅がソリ引いてるとか。ちなみに、うちの実家はこういうことに非常に長けていて、プレートにに「Happy!」とだけ書いて、電飾の目的をぼんやりさせている。こういう良いものはどんどん参考にしていってほしいと考えています。弊社ではそう考えております。

 まあ、それはいいんだけど、あのー、こっちへ来て美容室を探したんですわ。まあ、まあまあ腕の良いところが見つかった。ただ、あのー、客を覚える気が全く無い。会員カードみたいなので囲い込む気も無いし、カルテをつけようという意思も感じられない。1回目に行ったときに、速水いまいちみたいな人に「最近引っ越してきたんスか」と言われ、「あ、はい」と返し、そのうちお互いカレーの食べ歩きをしていることが分かって、「デリー!」「プティフ・ア・ラ・カンパーニュ!」「エチオピア!」と盛り上がったにもかかわらず、2回目に行ったら、速水いまいちみたいな人に「最近引っ越してきたんスか」と言われた。

 だから、俺は、「あ、はい」と返した。

 前回の要望だけでなく、顧客との会話、嗜好までもデータベース化すると言われるこの情報化社会において、短期記憶だけで生きている人たちを見つけた。逆に、すがすがしさを感じる。覚える気、ゼロだもんなー。情報漏えいとかの心配なくて良いなー。情報、ゼロだもんなー。

 でも、帰りがけに、「お会計、4000円になります。あっ、4500円になります」

 それくらいは覚えようや。





2006-08-15   思考  
 駅近くは若い人で賑わっている街なんだけど、ちょっと外れると、昭和にタイムスリップしたような住宅街が広がっている。鬱蒼と茂った柿の木。耐震構造? 何それ? みたいな共同住宅。野良猫の数。かろうじてウチは平成元年築なんだけど、まあ、そんなところ。あとこのあたりは玄関に狸の置物とフサフサした生命力が強めの植物の鉢を置くのが流行っている。

 引っ越してしばらく経つんだけど、この付近はどうやら古くからある住宅街らしい。おじいちゃんおばあちゃんがいっぱい住んでる。この前郵便局へ行ったら、おじいちゃんが自動ドアにガン! って挟まってた。で、動きが遅いものだから、数回ガンガン挟まれて。で、そのあと自分の番が来たときに窓口の郵便局員にめちゃくちゃ当たってた。「郵便番号を書く枠が小さい!」って。郵便局員はその挟まったとこ見てないから、なぜこの人がこんなに機嫌が悪いのか分からないまま、ただただ萎縮していた。

 まあ、それはいいんだけど、あのー、俺、おばあちゃんの顔が覚えられない。なんか、似てるじゃないすか。で、あのー、近所をうろうろしてると、うちの大家にそっくりなおばあちゃんと3,4回はすれ違う。で、まあ、大家さんを無視したら感じ悪いので、とりあえず全部に挨拶する。結果的に、ご近所の老人にかたっぱしから挨拶する好青年になっている。ただの、馬鹿なのに。馬鹿ですよ! 騙されないで! ただの馬鹿ですよ! おはよう詐欺ですよ! いや、まあ、いいんだけど。いや、つーか、似てるんだよ。なんか、格好とか。回覧板脇に持ってるとことか。

 ちょっと思い出したのが、高校時代、すれ違う人全部に挨拶する同級生が居た。クラスも違って話す機会そんなになかったし、途中から留学しちゃったから、あんまりよく知らないんだけど、まあ、すげえ奴なんだろうな、ってずっと思ってた、んだけど、もしかしたら、同級生の顔を覚えられない悲しい病気だったのではないか、と、ちょっと思った。悲しいなあ。悲しい。




2004-08-07   思考  
 えー。あの、最近フットサルまた始めたりですとか、運動はそれなりにやっているんですけど、やっぱり、体の合計運用時間といいますか、そういうものがやっぱり下がっているんでしょうね、体がどんどん退化しています。
 腕が最近ひどいんですけど、あの、学生の時ぴったりだった筈の腕時計が、今、隙間に指2本入る。それに伴って、筋力がどんどん落ちていまして、今常駐している会社のエントランスのドアが、まあ、はじめっから重かったんですけど、だんだん、マジで開けるのがきつくなってきた。

 特に、仕事終わって、帰るとき。疲れてるし、開かない。この前なんて、普通に押し戻された。一生懸命押して、押して、ああん! みたいなね。これを3回くらいやった。帰れない、と本気で思った。

 実はその隣に、メインで回転ドアがあるんだけど、あの、六本木ヒルズの事故以来、「点検中」になっている。いったい、どこを、どういう風に点検してるんだ、っていうね。是非、なんだろ、その、点検、というものを見てみたい。ちゃんと回転するかな? とかそういうのかしら。逆回転もするかな? とか。1日中ぐるぐる回ってんだ。多分。ご飯食べて、うえー、とか言いながらも。

 それはそうと、なんか、このまま、回転ドアが消えていく気がするなあ。
 モノが世の中から姿を消す時って、こう、意外と突然やってくる。

 かく言う俺も、小学生のとき、一個、モノを消したことがあります。

 なんか、昔ね、小学校に、地上1メートルくらいのところにネットが張ってあって、ああ、なんかデパートのエスカレータの下なんかにあるセーフティネットみたいな感じのね。その上でぴょんぴょん遊ぶ、という遊具があったんですよ。
 正式名称は知らないんだけど、何て言うんだろ、でも、当時はけっこう見た。

 で、ウチの学校にあったやつはね、あのー、今なら考えられないんだけど、ネットが、ところどころほつれていて、こう、穴が開いていたんですわ。
 安全指針、安全指針が先行しているスリル亡き現代からしたら、まったく考えられないですよ。ネットの上でぴょんぴょん飛び跳ねていて、ちょっとでもバランスを崩して穴に落ちたら、死ぬ。よくある「ここ触ったら死ぬ」とかいう遊びじゃなくて、本当に落ちる。リアル・マリオじゃないか。
 そんなのが学校に平然と置かれていた時代。平和ですよ。平和だったなあ。うわばきの色はアースグリーンだったものなあ。まあ、直せよ! っつー話なんだけど。来年直す、来年直す、みたいな感じだったんだろうなあ。用務員さんとか、ホームセンターにネットを買いにいったはずなのにたこ焼き機買ってきちゃった! みたいな。ようし、今日は職員室でたこ焼きパーティーだ! みたいな。タコタコ! みたいな。

 で、ぶっちゃけ、大層危険な状態だったんですけど、危険が目に見えていると、いくら子どもでも、注意するんですよ。穴のそばではぴょんぴょん飛ばない。穴に近づくと、上級生が、「危ないよう!」みたいに注意してくる。ね、こういうところで、社会的な生活技術を学ぶんだ。危険のないところに仲間意識は生まれないんだよ!

 まあ、それはいいんだけど、あのー、そう、みんな、穴のそばでは飛ばないように気をつけていた。いた、んだけど。俺ね、友達とカンチョーごっこしてたんですよ。ネットの上で。
 カンチョー! ぴょんぴょん! カンチョー! ぴょんぴょん!
 地上戦とはまた違う、スリルあるファイトを繰り広げていたのですが、ある時、すんごいうまく、俺の指が友達の肛門に入ってしまった。
「ギャー!」
 おしりを押さえて、前に飛ぶ友達。

 そして、飛んだ先には、例のブラックホールがぽっかりと口を広げていた。
 おしりを押さえていた友達は、顔から落ちた。

 俺、その光景を、今でもはっきり覚えている。
 しばらくして立ち上がった友達は、顔の左半分が血で真っ赤で。
 それでも、おしりを押さえていて。顔よりおしりのほうが痛いんだ! って思った。

 結局友達は大したアレでもなく済んだんだけど、次の日から、その遊具は使用禁止になって、1ヵ月後には撤去されていました。
 で、他の学校の子から聞いたんだけど、その子の学校でも同種の遊具が撤去た、と。

 俺だなー。明らかになー。




2004-05-07   思考  
連休を利用して、京都へ行ってきました。
 金閣寺に行ったのですが、そこで、こんな光景を見ました。



 義満公の、お茶の水。
 義満公が、「お茶を立てようかのう」とか言い出したら、従者はここへ水を汲みに行くわけだ。さすが将軍。風流な岩清水でお茶とは、羨ましい限り。
 
 と思っていたら、すぐ隣りに、こんな看板がありました。



 義満公、お手洗いの水。
 今は水は枯れていましたが、当時はお茶の水と同じようにこんこんと湧き出ていたと思われます。

 えー、両者の違いが、まったく分からない。場所も隣り、同じように湧き出た水なのに、かたやお茶の水、かたやお手洗いの水。そこに意味は無く、そう決めたから、そうなっただけ。絶対、新人とか覚えられないよ。俺が従者だったら、アレだもの。絶対、ウッカリ、お手洗いの水を茶室に持ってくもの。絶対やる。
 で、もっと言うと、俺と同じタイプの馬鹿従者は絶対居たはずで、義満公は、何回か、お手洗いの水でお茶飲んでると思う。「うまいのう」とか言って。

 似た二つのモノの区別に迷う。その区別というのが勝手に決めたものなら、なおさらだ。

 今、ちょっと別の会社に常駐しているわけですけど、二台のパソコンを借りたんですわ。
 一つは、俺が自由に使っていいマシン、もう一つは、別のプロジェクトで使うマシン。で、その二つ、外見も何から何までまったく同じなんですよ。案の定、俺、その、俺に割り当てられていないほうのマシンをいじっちゃいまして。

 しばらくして、その、別のプロジェクトの方から「ヤスノリさんのマシンはあちら」みたいなことを言われて、「わー。まじっすか」とかなってね。
 そしたらあちらの人がすごくいい人で、「今MO持ってるんで、ヤスノリさんが必要なファイル全部入れてあげますよ」と。「まじすか。すげえ助かります!」ってなったわけですけど、一つ問題が。俺、こう、自分用のデータとかを詰めるフォルダの名前を、「unko」にする癖があるんです。まさか顧客先で「ウンコフォルダを……」とは言えない。
「じゃあ、えー、えーと、ユー・エヌ・ケー・オー、というフォルダがあると思うんで、それコピーお願いします」って、こう、アルファベット読みでごまかしたわけですけど、「はい、ウンコですね」。

 終わった終わった。終わったよーい。




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