2014-02-27   思考  
あけましておめでとうございます。

最近息子(2) と、あ、(2)って2歳のことだと思いました? 同じフォルダに息子を2つ作っただけです。何言ってんのか自分でもよく分からないんですけど、あけましておめでとうございます。

で、最近息子(2)と、電車をよく見に行きます。(2)は2歳だと考えていただいて差し支えありません。最近は、ナントカ線、みたいのをちゃんと覚えていて、「小田急線乗ってみたい」とはっきりと要求してきます。乗せると「小田急線乗ったね。大江戸線乗ってみたい」とどんどん変わっていくので、欲望の終わりが見えない。怖い。無限って怖い。

で、電車乗せにいってボーッと駅から線路眺めてたんですけど、息子(2)が、「線路に石があるねー」って、あ、ほんとだ、線路って石めっちゃあるなーって。線路に石めっちゃあるなーって思ってたんですけど、あの、ときに、線路って置き石すると重罪じゃないですか。どういうこと? こんなにいっぱいあるのに? めっちゃ石が脇にあるのに、線路の上に置くと重罪。数センチで重罪。どういうこと?

じゃあ例えばね、銃を撃ったら重罪ですけど、あの、ありとあらゆる道路の脇に、銃が10センチ間隔でこう立てかけてあるの。でも持ったり撃ったりしたら重罪。はあ? ってなるでしょ。

調べたところ、線路の石はすごい優秀らしいんですけど、

http://r25.yahoo.co.jp/fushigi/rxr_detail/?id=20080319-90003785-r25

しかし、その、なんだろ、犯罪のしやすさと罪の重さが釣り合わない。
だったら、あれだ、逆に、置き石の罪を「あ~ッ!」くらいにして欲しい。「あ~ッ!」「テヘ、メンゴメンゴ!」くらい。脇で電車おもっくそ脱線してるんですけど。


線路の話はおいといたとしても、やっちゃ駄目なもの同士を近くに置くこと、近くに置きつつ、「やっちゃ駄目!!!!」って顔真っ赤にして言うことのおもしろみってある。


お菓子とかに入ってる「食べられません」の小袋も同じイメージ。
あれ、食べられないことめっちゃ浸透してるから良いものの、普通食べるからね。きわどいきわどい。

食べやすさと、食べたときのダメージが釣り合わない。
今突然日本語読めなくなってその食べられません関連の記憶一切なくなったとしたら、俺は多分、かけるとおいしくなる粉か何かだと思ってかける。
食べるものに、食べられないもの入れるなよ、っていうのがすごくある。

っていうかあれはモノによっては食べられんこともないらしい。


http://www.j-poison-ic.or.jp/public.nsf/7bf3955830f37ccf49256502001b614f/c1edf49c964bbf9e492575d70023a3c0?OpenDocument


だとしたら、何か、もう、食べられるってことに寄せてしまったらすっきりしない? そしたら、「食べられません!!!! NO!!!!」とかヒステリックにパッケージでうたう必要がない。
いっそのこと、かけておいしくなる粉の機能を持たせてしまったらどうだろう。魔法のスパイス入り! って言いつつ、乾燥も防いでる。誰か旨い乾燥剤作ったら良いんじゃないでしょうか。あけましておめでとうございます。







2013-07-30   創作  
あれは事故だった。今でも私はそう思っている。

10年前の春。20世紀の悪夢を振り払うべく、銀行同士が合併を繰り返していた。

その日は最後の大きな合併手術が行われる手はずだった。
大きいとは言えない待合室には、東京銀行、三菱銀行、UFJ銀行が居た。
そのほかに、同じ階にある歯医者の患者が大勢居た。
私は、その日、たまたま歯医者へ来ていた。ここ数週間、親知らずがキリキリと痛むので、ようやく抜く決心をしたのだった。
「えっ、あそこに居るの、銀行よね」
帽子を深く被っているので分かり辛かったが、目が円マークだった。ほかの人たちは気づいていない様子で、雑誌を読んだり、携帯をいじったりしている。
銀行が座っているのを、私は初めて見た。待合室のViViを手に取ったが、全く内容が頭に入ってこない。雑誌を見るふりをしながら、私は銀行たちを観察することにした。

まず、東京銀行と三菱銀行が呼ばれた。両行とも、兄弟かのように等しくずんぐりむっくりしている。
大きな部屋には不釣り合いな小さな扉を開け、中へ入っていった。扉は彼らの体にはギリギリだった。
次に博士らしき白衣の初老の男性と、そのうしろに背の高い数人が中へ入っていき、扉を閉めた。
鍵のガチャリという音が構内に響き渡る。

「合併中」のランプが光った。
ジジジ、という音が遠くからかすかに聞こえる。しばらくすると、音は止んだ。
電光掲示板がカチャカチャとランダムに文字を出している。そのあと、もったいぶったように一文字ずつ「東京三菱銀行」と表示した。

博士とともに、「東京三菱銀行」が出てきた。全体的にシュッとしていて、こういう感じのモデル見たことある、と思った。
次に、UFJ銀行が呼ばれ、再び小さな扉へ入っていった。
扉が閉まったが、今度は鍵の音がしなかった。

思わず立ち上がっていた。私は、私の欲望に気づいた。銀行の合併をこの目で見たい。この機会を逃したら、たぶん一生見られない。
私は、雑誌を返しに行くふりをして、扉に耳を近づけた。あの、ジジジ、という音が聞こえてきた。
私は扉を少しだけ引いてみた。案の定、鍵はかかっていなかった。あの音とともに、すべてを白く染めそうな光が、扉の隙間から漏れた。

光の先を目で追った。待合室でスポーツ新聞を読んでいたジャージのおっさんが、光の中で体をくねらせていた。光は限定的であったので、周りの人は無関心に、携帯をいじっていた。
私は急いで扉を閉めたが、おっさんは、扉の隙間へ、寒天のようにちゅるんと吸い込まれていった。間に合わなかった。

「どうしよう、どうしよう、どうしよう」
しばらくの間、目を瞑って、扉を押さえていた。おそるおそる手を離した。扉は動かなかった。
振り返って、待合室を見た。皆一様に下を向いていた。窓際の若い男が一瞬こちらを見て、すぐに携帯の画面に戻っていった。私は、待合室のソファに戻った。心臓の存在感を久しぶりに感じている。吐きそうで、どうにかなってしまいそうだ。

ジジジ、という音が止んだ。電光掲示板がカチャカチャとランダムに文字を出している。そのあと、もったいぶったように一文字ずつ「三菱東京カズヨシUFJ銀行」と表示した。

「大泉様ー。大泉カズヨシ様ー。いらっしゃいませんか。大泉カズヨシ様ー! ええと、それでは、川本綾音様ー」
歯科助手に呼ばれたので、私はフラフラと治療台へ向かった。医者が何か喋っている。もう、なるようにしかなるまい。私は口を大きく開けた。

次の日のニュースは「メガバンク、三菱東京カズヨシUFJ銀行誕生」の話題でもちきりだった。カズヨシ部分に疑問を呈する人は居なかった。コメンテーターも、さも当たり前のようにその銀行名を口にしていた。しかし、私は知っている。その銀行名を聞くたびに、私の奥歯がズキリと痛んだ。幸い、私の口座を持つ銀行は、みずほ銀行に統合された。勝手な話だが、三菱東京カズヨシUFJ銀行に関わらないことで、私は精神の安寧を保つことができた。そうやって、10年が過ぎた。

そして、今、私は、三菱東京カズヨシUFJ銀行の前に立っている。
今年からお世話になっている派遣会社の都合で、給料を受け取るために渋々口座を作ったのだった。
何も恐れることは無い。みんなが使っている普通の銀行だ。普通の。大銀行2つに、おっさんが1人取り込まれたところで、海への一滴じゃないか。おっさん要素はどこにも残っていない。
キャッシュカードをATMに入れる。いらっしゃいませ。スーツ姿の男性と女性、ジャージ姿の男性のキャラクターが深々と頭を下げる。居た。






2013-06-24   思考  
息子の偏食がすごい。

もともと警戒心が強くて、新しい食べ物はちょっとずつ口に入れ、べろーんと出すのを繰り返し、それを数分繰り返して、納得がいくと「食べ物」と認定する。息子による超難関試験をクリアした者だけが、晴れて食べ物株式会社の社員となり、息子のおなかに入ることを許されるのだ。

それが2歳前くらいまで。そうやって、だんだんと社員は増えていったのですが、もうちょっと進むと、いわゆる「こだわり」が出てくる。
あれ? みたいな。あれ? これ、何かちがくね? みたいな。

で、今、どんどん削られている。
あああ……。せっかく増えてきた社員が次々にリストラされていく……。

いやたしかに、切られても仕方ない食べ物もあるんですよ。
息子、ちょっと前まで、トマトスープをがつがつ食べてたんです。野菜ゴロッゴロ入ったやつ。
食べるから作るけども、正直何で食べてんのか不明で。いつ気づくかなーと思ってた。
食べなくなった日は、「あ、来たか……」と、結構冷静に受け止めることができた。
そういうのじゃなくて、こう、なんか、ほんと、ガンガン切ってくの。

もずく、茶碗蒸し、焼き魚、卵焼き、ポテト。
おお、いくねー! ばっさばっさいくねー!
食べてたじゃーん。おいしそうに食べてたじゃーん!

この前、遂に、ソーセージが肩たたきにあった。
「キミ、アシタカラ、コナクテイイカラ」
ざわつく社内。まさかソーセージ部長までやられるとは!

ソーセージ部長、絶対自分は無いと思ってたよ。だってソーセージですよ? ソーセージ嫌いな子供って何? えー? 何? じゃあ何食うのよ? 逆にねじとか食べんのかな。あげないけど。あげたらなんか、逮捕みたいな法律あるんでしょ? 法律怖い怖い!

それはいいんですけど、あの、嫁がね、その、魚肉ソーセージを、そのときだけ、切って出してたことに気づいた。
いつもは、こう、長いまま、かじって食べてるのね。
で、ちょっと思うところがあって、新しいやつを、長いまま、まるごと出してみたんですって。

そしたら、食べる。

何なんだ。ふつう気づかないよ。ハードモードすぎるだろ。
ソーセージは長いもの、みたいなのがあるのか。
ちぎったやつは何か違う、みたいな。

まあ、分からんでも無いか。というかよく考えるとそういうのすごくある。

味の好き嫌いって、何に基づいてるのか分からない時がある。
そもそも「好き」「嫌い」という感情が、何に基づいているのか非常に説明しづらい。君は何故この女性が好きか。論理的に説明することもできなくもない。小説や歌でさんざん語られているので、フレームワークとしての語る言葉を多く持っている。でも、感情をしっかり言葉に移植できているかは別で、だから、頭では好きでも感情的に受け付けなかったり、そういう矛盾が起こる。

味の好き嫌いに関しては、そもそも語る言葉が少ないのでさらにハードルが高い。
例えば俺はカレーが好きすぎるんだけど、何でカレーが好きか、には答えられる気がしない。や、きっかけは大学に貧食っていうカレーばっか出す食堂があってそこでカレーばっか食べてたらカレー食べないと死ぬ体になった、とかはあるけど、それはきっかけであって、好きな理由ではない。

なぜ人はカレーが好きか、という問いに科学的に答えるときによく言われるやつで「油と辛さを人は本能的に求めて中毒性があるから」というのがある。まあ、本能って言われちゃったらそうなのかもしれないけど、全然納得がいかない。それなら食べるラー油でいいじゃん。あ、食べるラー油うまいな。そうか。え、そうなの? 違うわ、全然納得いかない。
俺は辛いモノがそんなに好きじゃない。辛いラーメンとか、ホント無理。何やってんのって思う。辛い鍋とかも好きじゃない。

それなのに、和風カレー好きの延長で、激辛のインドカレーを食べ歩くし、好きだと思ってる。
「本当に、おぬしはインドカレーが好きか?」と変なターバン巻いた象に聞かれると、え、どうなんだろう、と立ち止まってしまう。辛いの無理して食ってやしないか。「矛盾してるゾウ〜!」と言われたら返す言葉が無い。無理矢理返すとしたら、象とゾウをかけたダジャレ部分に絞って攻撃をかけるしかない。

味の好みなんて、曖昧なものなのかもしれない。好きと思えば好きだし、嫌いと思えば嫌い。
風邪で味覚がわけわからなくなってるとき、よりどころは、「これは僕の好きな○○である」という記憶であったり、視覚的な情報であったり、そういうものであったりする。自分のカレーに立ち返ると、インドカレーで口がバカになりながら「うん、カレーは旨い」と常に確認している。ほんとに味が分かってるのかは怪しい気がしてきた。

だから、そう、まだ好き嫌いが曖昧な幼児が、視覚的な「長いソーセージはおいしい」という記憶に頼るのって、普通にありえる。
そのくらい、味の好みって曖昧。

たまに長崎皿うどん食べに行く。
あれに、酢を死ぬほどかけて食べるのが好き。

で、その日も豪快に皿うどんの酢漬けを作っていたんだけど、あの、白菜とかの葉物を口にほおばっているときに、あれ、って。
あれ、これ、漬け物の味じゃね? って。皿うどん本来のしょっぱいたれに、酢をどばどばかけた葉物が、完全に、漬け物の味だ、ってことに気づいて、漬け物をほおばっている俺、みたいな感覚にうえってなって、もう、だめね。いや、漬け物はそんなに嫌いじゃないんだけど、そんなに量食べられないじゃないですか。もう漬け物だもん。漬け物焼きそばだもん。気持ち悪いでしょ、漬け物焼きそば。頼む? 漬け物焼きそば。俺は頼まない。 俺は頼んだ覚えは無い。や、自分が完全に悪いんだけど。

ごめんと言って、とぼとぼと漬け物屋を後にする。

いや〜危うい。危ういわ! 味の好みってめちゃくちゃ危うい。
味覚としての刺激以外で決まってる部分が、多すぎるのだ。

振り返れば、一時期マクド食べれなかったの、目の前でハンバーガー食べてた女の子が吐いたからだったなあ、とか、ネギぬたを無理矢理食べさせられてうえってなって、未だに食べれないなあ、とか、そういうのを思い出す。

なので、息子の偏食も、こう、良いイメージがつけば食べるんだろうな、的な長い目で見ることにしている。
分かる、分かるよ! お父ちゃん分かるよ! 長〜いソーセージが好きってインプットしたんだもんな。
長〜いソーセージおいしいよな!


最近、遂に、長〜いソーセージも食べなくなった。
今までありがとうございました、部長。







2013-04-02   思考  
東京に出てきてから、鼻毛がものすごく伸びる。
多分、複雑に入り組んだ地下鉄網にインスパイアされてるんだと思うんですけど、くねくねくねくね伸びてくる。

で、そんな奴らを一斉に狩るために、数年前から鼻毛カッターを導入したのですが、鼻毛カッター気持ちよすぎて、ジャギジャギ切っちゃう。思わずツルッツルにしちゃう。

ちなみに、いま私が使っている鼻毛カッターを紹介しますね!!!!



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最近気づいたんだけど、鼻毛をツルッツルにすると、風邪引く。
その相関に気づくのに数年かかった。定期的に風邪引くよなーと思ってたんだけど、よくよく考えると、鼻毛をツルッツルにした数日後に風邪引いてる。
いやあ。鼻毛って一応働いてたんだなあ。人の体に無駄なことなんて無いんだなあ。

で、そう、鼻毛。気づきそうなもんだけど、こういうのってほんと気づかないですよ。こう、鼻毛を決まった日に切ってるんだったらね、例えば、ハナだから毎月87日に切るとか決まってれば、あれ、毎月89日に風邪引くな……アーッ! そうか! 87日に鼻毛を切るからだな! みたいなことになりますけども、鼻毛は気づいたら切る方式ですので、そうはならないわけです。あと何だよ87日って。

こういう、気づいてない関係、ほかにもある気がする。

絶対なんかある。例えば定期的にできる口内炎も、絶対なんかあるんだけど、分からない。口内炎になった1週間前に「口内炎なろうぜ!」っていう雑誌を読んでるかもしれないけど思い出せないですし、「口内炎なろうぜ! 当方ボーカル」とか、何言ってんですかね、私。それはどうでもいいんです。そう、他にも絶対あるんですよ。

なんというか、こういうの見つける人ってすごいなと思う。

フグとかは食べてすぐ症状が出て死ぬから、「あ、この魚を食べると死ぬな……」っていう気づきはたぶん100%できると思うんです。俺でもできると思う。あ、でも、その人の頭に矢が刺さってたら悩みますね。矢かも……。
何の話でしたっけ、そう、すぐ死ぬから分かる。じゃあ例えば、いやまあ極端な話、これが30年後に死ぬとかだったら、完全に気づかないですよ。誰も気づかない。フグは今も家庭でお手軽に調理されているかもしれない。

で、こういうのってさ、ライフログ的なアプローチってものすごく有効ですよね。
要るか要らないかはおいといて、とりあえず全部の生活情報をためておく。問題が発生したら、今までの情報を検索して、原因を見つける。

情報があれば、口内炎になったあとから、「あ、俺、口内炎なろうぜ公園で拾ってエロいページだけ読んだんだった!」みたいな、そういうのが分かるんです。

そういう意味で、ライフログってすっごい興味があるんです。
でも、スマホアプリにライフログ系っていくつかあるんだけど、どうもしっくりこない。仕事に何時間費やしただとか、何キロ歩いただとか、グラフがきれい、とか、そんなのどうでもよくて、そういうのは調べたくなったらあとで集計するんですよ。ただただ記録ができればいいんだけどなー。いいのあれば教えてください。

つっても多分入力がめんどくさくなるから自動化したいんだけど、適してるのはGoogle Glass みたいな、視覚情報をガメるタイプのガジェットなんじゃないか。

Google Glass

今歩いてるのか、走ってるのか、何食べてるかとか、鼻毛カッターやってるとかは、視覚情報を解析できればなんとかなる。多分将来的には自動ライフログできるんじゃないかなーとか。

で、こういうのが出来たら、俺みたいなもんにもあとから簡単に法則が見つけられる。
風邪の理由もすぐに気がつく。風邪の前によくしている動作とかが自動でピックアップされるのだ。
あ、でも、鼻毛カッターやるとき、鼻毛が飛んでレンズにつくのやだなーとか思ってGoogle Glass外す気がする。なので、やっぱり気づかないかもしれない。





2013-02-28   思考  
嫁がパンが好きすぎて、昔パン屋でバイトしてたり、子供産まれる前はパン教室行ったり、あ、最近すごいな、と思ったのは、ちょっと3駅ほど離れたところの、さらに歩いてけっこうかかるところにある小さなパン屋のことを「あそこ旨い、やばい」と言ってたんだけど、最近なんかの雑誌で1位だった。

多分、彼女のパンを見る目は本当。

でもその分、神様は、彼女のごはんに対する何かをごっそり無くしたようで、ごはんの食べ方が最近まで分からなかった。食べ方? っていうか、なんていうの。いっつもごはんが残る。ごはんをいつ食べたら良いか分からないと言う。おかずと一緒に食べればいいじゃん、って言ってもよく分からない顔をする。

おにぎりは食べる。おにぎりは何故か食べ切る。

で、最近なんか嫁が急にひらめいてて、ワー! って、ごはんが分かったー! って言ってて。「おかずと一緒にごはんを口に入れて、口の中でおにぎりを作ればいいんだー!」って。頭にピカーン! っておにぎりが出てて。
えーっ! って。
で、嫁はね、最近それをなんか「おにぎり戦法」とか自分で編み出した何かみたいな感じで言ってるんですけど、いや、普通みんなそうだから。おかずと一緒に食べるってそういうことだから。名前つけないで。みんなが普通にやってることに名前つけないで。
じゃあ俺も心臓動かして血をめぐらせるのに名前つけちゃおうっと。ドクドク戦法。みんなも俺のドクドク戦法使って生きて。

何の話でしたっけ。
そう、パンが好きすぎて、あの、でっかいオーブンを買いたいってなって。
でっかいオーブンだと、こう、成形パンが2段でいっぱい焼けるから。クッキーなんかもたくさん焼ける。

すっごいでかい。昔か! ってくらいでかい。何でしょう。昔か! ってくらいでかい。
パンを作るときに非常に重要な、発酵の温度調節が細かくできるんですって。よく知らないですけど。
冷めた天ぷらを温めてもパリパリ! 1年に何回使うか分からないけど、パリパリ!

で、でっかいオーブンを買うってなったんですけど、そしたら、ネットショップの、こう、「よく一緒に買われている商品」ってとこに、ちっちゃいトースターがいっぱい出てるんですよ。
高機能オーブン買ってんのに、なんでちっちゃいトースター買うの、これおかしいよねー、って言ったら、「買うつもりだけど」って。

はい?

なんか、そのでかいオーブンって、多分どこのメーカーのやつもですけど、食パンのトーストがうまく出来ないんですって。でかいからだろ! でかくて熱が届かないんだろ!

全方向に高性能化、巨大化した末に、家庭で最もよく使う食パンをトーストする機能に支障が出た。ひどい。

メーカーの開発チームもさあ、「やったー! 遂にナントカ機能の開発に成功したぞ!」「待たせたな。こっちも、ナントカ機能の完成だ」「ぼくちんもナントカ機能をつけたでし!」とかこうみんなでワイワイやったあとで、一人が、「あれ、ちょっと待って、これ、食パン焼けなくね?」みたいな。

ギョッとする開発陣。
そんな野暮なこと言う奴を、みんなで巨大オーブンに押し込む。ひろびろ庫内に楽々入る。




感動の焼き上がり。







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