2010-04-15   思考  
嫁が気に入っていたクレープ屋が無くなっていた。

横浜に行ったら必ずと言っていいくらい寄っていたクレープ屋へ行ったら、トイレになってた。
そのときの嫁の悲しそうな顔。

いやあ、しかし、すごいよ。クレープ屋がトイレですからね。
クレープ屋もよくその話を承諾したな。
「ここにトイレを作りたいので立ち退いてください」

いやまあ。3月末で場所の契約切れだったから、とかあるんでしょうけども、あるんでしょうけども、まあまあ人入ってたし、あれだ。元締め側が、契約更新させなかったんだよ。

まあ今考えるとその兆候はあって、あのー、そのあたりが、イタリアン料理のお店を集めました、みたいな地下通りで。
いや正確には(俺もそのあたりに昔住んでたので記憶に間違いが無ければ)だんだんそうなってきていた。最初は、アジア家具のお店とかもあった気がする。だんだん、イタリアン街でーす、みたいなノリになってきて、いつのまにか壁とか床とか完全にイタリアを意識してる感じになってたんだけど、あのー、今考えると、そうだ。だんだん、無くなっていった。
そして、あのクレープ屋が最後のアンチ・イタリアンだったのだ。

もしかしたら、裏で、閉店を迫る様々な嫌がらせを受けていたのかもしれない。
イタリアマフィアからの脅し。
夜道で、茹でる前のパスタで後ろから頭をパシーンって叩かれる。
お風呂上がって、床を踏んでイテテテってなったら、茹でる前のあの変な形のパスタがまき散らされている。

まあ、イタリアのイメージがこの程度なので、このくらいしか思いつかないんだけども、逆にこれ以外のことをされていたら、イタリアにちなんでいることにおそらく気づかないんだけども、まあ、いろいろな苦労があったのかもしれない。

お疲れ様でした。
トイレになっても、俺たちはあそこにクレープ屋があったことを忘れない。何てクレープ屋だったかは忘れた。





2008-01-01   思考  
 まあー。すっかり間が開いたわけですが。
 生きてます。でもぜんっぜん更新できない。仕事忙しくて。9月くらいから土日無いですもん。心に全く余裕が無い。仕事の夢ばかり見る(飼っている牛が逃げるとかそういうの)。

 飼っている牛が次々に逃げるので、この1年間で、ちょうど良かった生活のリズムが大いに狂ってしまった。このままでは死ぬ。俺死ぬ。なので、会社やめよっかな、と思います。社長には、「ホ〜ムペ〜ジの更新があるんで仕事やめま〜す」って言う。意味わかんない。でも、まとめるとそういうことだなー。しかもうちの社長はクールなんで、「あ、へー」って言って納得してくれると思います。いい会社だったな。まあ、ということで、またぼちぼち更新したいと思います。ニートなのに独自ドメインで更新します。

 まあ、それはそうとして、私事ですが引っ越しました。

 で、あの、親元を離れてから11年、初のバストイレ別! バストイレ別! これはむちゃくちゃテンション上がる。お風呂に入っても目に便器が入ってこない! 便器の無い風景! どこを探しても、便器が無いんですよ! や、便器はあるんですよ。別の部屋に! 便器部屋が別にあって、バスはまた別にあるの。要は、お風呂につかってても目に入ってこない別の部屋に、便器があるの。逆に言えば、便器に座ってても、お風呂は見えないの。ぜんっぜん見えない。目をこらせば何とか、とかそういうレベルじゃない。ぜんっぜん見えない。

 やーあのねー、ほんと、バストイレを最初に一緒にした奴をひっぱたきたいですよ。あんなの、いいことひとっつも無いですよ。湯気でトイレットペーパーしわっしわになるし、便座カバーなんとなーく湿ってるし、誰か風呂入ってるときトイレ行けないし、トイレの床びっしょびしょになって、まあ明らかに風呂で濡れたんだけどなんとなーく気持ち悪いし、なんというか、合理性のかけらも無い合体だと思う。水周りをいっしょくたに、という、なんか、こう、建築者側オンリーの発想で、利用者側にはいいことひとつも無い。
 あれだなー、バストイレを最初に一緒にした奴の、「あっ!」て顔が目に浮かぶなー。「あっ! 一緒にできる!」っていうね。「あっ! アフリカ大陸とアメリカ大陸はくっつく!」みたいなね。腹立つわー。くっつかねえよ。あ、アフリカ大陸とアメリカ大陸はくっつきますよ。パンゲアね。昔はくっついてて動物ドッコドッコ移動してた。バストイレの話ね。くっつかないのはね。

 まあ、あいつは、あれですよ。常に、一緒に出来るものは無いか、一緒に出来るものは無いか、みたいな感じで世間を見てますからね。東ドイツと西ドイツをいっしょくたにしたのはあいつですからね。あとは、スクウェアとエニックスをくっつけたのもあいつですからね。ほんと気持ち悪い。東京三菱UFJ銀行とかね。なんじゃそりゃ。冷静に聞いて。東京三菱UFJ銀行。なんじゃそりゃ。まあ、これはあいつではないですけど。

 まあでも、流しも言ったら水周りじゃないですか。流しとね、バストイレを一緒にしなかったのが唯一残った良心といいますか、まあ、すごい低レベルな良心ですけども、まあ、カツアゲしたあと「じゃあの」と挨拶をする、みたいな良心ですけども、まあ、良かったなあ、と思う、わけです。

 思うのは、世の中、くっつきすぎてるな、と。

 なんか、合理性だとか、競争力を高めるためだとか、友好だとかで、いろいろなものがくっついている昨今ではありますが、あの、離していきませんか? 今年は。離して。

 まあ例えば、柿ピーなんてのは、柿の種とピーナッツ別々に売ればいいんですよ。混ぜるかどうかは、買った人が決めたらいいんですよね。で、今まで作っちゃったやつも、分けて売ろう。袋分けて、分別していこう。誰が分ける作業するかは知らないけど。なんか暇そうな人集めてきてやればいいんじゃないでしょうか。賞味期限は分けた日じゃなくて作った日にしないと、また面倒なことになるので、そこは気をつけたい。

 あとは、電動機付自転車なんかも、電動機と自転車に分けよう。自転車は自転車で使えるじゃないですか。電動機は、なんだろ、まあ、何かに使えるんじゃないでしょうか。 あ、もう混ぜちゃった柿ピーを柿の種とピーナッツとに分ける動力に使ったらいいんじゃないでしょうか!




2004-05-31   思考  
 今行っている会社、というのは、実は去年の年末にもお世話になっていたところで。実は、あまり良い思い出が無い。

 今はそのビルの15階のわりと快適な部屋に鎮座して、なんだ、お菓子とかむしゃむしゃ食べながら自由にお仕事させてもらっているのですが、去年の12月頃だったかなあ、同じビルの7階でせこせこと一人作業をしておりました。同じビルでも15階と7階の待遇の違いは雲泥の差。7階はサーバールームといって、まあ、高いマシンがいっぱい並んでいる暗い部屋。で、マシンの温度を下げるためになんか常に寒い。もちろん飲食禁止。しかも、その部屋は本当はそこの社員の人しか入れないため、なんだろ、出入りするのに、社員カードが必要なんですよ。つまり、出入りするときは、いちいちそこの社員さんを呼ばなければならない。それがおっくうなので、まあ、めったなことないと外に出なくなり、まあ、本当に暗い生活を送りました。まあ、囚人ですわ。言ってみればね。

 そんなところに居ると、何か、変なことに熱中する気持ち、わかるでしょうか。グリーンマイルで年老いた囚人がネズミを手慣らしたように、俺も、自然と何かそういう方向へ気持ちが向いていた、といいますか。

 ある日、俺、こう、トイレで用を足してたわけですけど、あの、何気なく、何気なくね、トイレットペーパーのロールを、あの、なんだ、ホテルのトイレみたく、三角折りに、したんですよ。
 次の日、まあ、昨日のことなんてすっかり忘れてトイレへ行ったんですけど、あの、ペーパーが、三角折りされている。もう、びっくりしましたよ。この会社に何人の人が居るかは知らないけど、昨日から今日までのあいだ、三角折りの、なんつーの、リレーが、続いたわけじゃないですか。すごい。まあ、内容は何であれ、こう、みんなが一つになるのって美しい。それがトイレであっても。

 その日から、俺がトイレへ行くと、いつもトイレットペーパーは三角折りになっていました。俺は、それをまた三角折りにし、次の人に繋ぐ。たったそれだけのことだけど、とても、楽しかった。まだ見ぬたくさんの人たちと、一つの何かを作っている。そう実感できた。

 で、なんだろ、そのリレーが始まってから、半月くらい経った頃でしょうか。
 俺、いつものようにトイレへ行ったんですけど、あのー、すぐ後に打ち合わせが控えていまして、かなり慌ててたんですわ。で、こう、まあ、三角折りどころではなくって。まあ、折ることは折ったんだけど、なんだろ、三角形の頂点が、かなり右側に偏ったような、すごい不恰好な折り方になってしまった。まあ、でも、時間無いですから、そのまま行ってしまったわけですよ。

 で、次の日トイレへ行ったんですけど。そこには、見慣れた、右側に偏った三角折りが。

 えー! あれー!! 何で!!!
 この事実から、考えられることは2つ。

・この会社の人はとてもユニークで、右側に偏った三角形の形状をそのままリレーした。
・そもそも、俺しかこのトイレを利用していなかった。

 嫌だ。後者は嫌すぎる。まじかよ。いや、そんなことは無い。無いと思いたい。無いと思いたかったけれど、一応、会社の人に聞いてみたんですよ。そしたら、

「ああ、7階はサーバールームのほかは空きなので、ヤスノリさんしか居ないと思いますよ」

ギャー!! 俺は、一人で、何をしていたんだ。誰かと一緒に何かを作っているつもりが、実は一人ぼっちだったという事実。そもそもこの世界は俺一人だった。あの感動は全部まぼろしだった。痛い。心臓がリアルで痛い。

 俺は、ごく自然に、トイレットペーパーを3つ盗んだ。




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