2008-04-16   創作  
「一休さんをビジネスに生かす、という本がなぜ出ない」

「急になんだ」

「孫子の兵法とかより身近だし、サラリーマンはどんどん生かしていったらいいんじゃないかな!」

「どう生かすの。あれを」

「例えば、タイガー魔法瓶の社長が、『魔法瓶のロゴに入ってる虎が夜な夜な外に出てきて困ってるんすわ』みたいなことを言ってくるわけだ」

「言わねえよ! まず、タイガー魔法瓶の社長とそんな気さくに話したことねえよ!」

「で、『じゃあ、その虎を出してください!』とか言って」

「そのまんまじゃねえか」

「デジカメ持って」

「せめて縄を持て」

「撮りたいだろ! 出てくる瞬間!」

「出てこないよ!」

「お前、2次元が3次元になるとこ見たくないの? や、漫画とかではあるけど実際見たらすげえぞ多分」

「お前とんち分かってないだろ」

「お前の方こそ、この危機的状況を分かってないだろ」

「どういうこと?」

「魔法瓶の虎が出てっちゃったら、そらー大変なことだからね」

「何で?」

「ぜんっぜん保温効かなくなるし」

「は?」

「魔法瓶に封印してあった虎が出て行ったら、魔法解けんだろーが!」

「別に虎パワーじゃねえよ! 保温は!」

「お前1回虎に踏まれたほうがいいよ」

「え、普通噛まれたほうがいい、とか食われたほうがいい、とかじゃないの?」

「したらお前死ぬだろーが! お前死んだら悲しいだろーが!」

「あ、そう。なんかお気遣いありがとう」

「あとは、吉野石膏の社長とかに相談されるわな」

「あ、その会社知らない」

「うちの虎が勝手にロゴから抜け出してCM出てるんですわ。ぼっくっはターイガー!とか言って」

「ああ、タイガーボードの! ちょっと待て。あれは勝手に出てたのか。」

「どこからどう見ても虎目線の歌詞だろーが! ぼくはタイガーって!」

「そう作ったんだよ! 人間が!」

「CM制作会社の気持ちになってみろよ。虎がいきなり来るんだよ。『僕をCMに出してください、ガオー!』って」

「はあ。これは怖いね」

「制作会社の人は『やばい! 拒否したら踏まれる!』ってなってね」

「虎の恐怖は踏むことじゃないからね! さっきから!」

「で、なんかよく分からん歌詞で歌ったり踊ったりしてるんだけど、言えないからね」

「言ったら踏まれるからね」

「踏まれるだけで済むと思うなよ!」

「お前がさんざん言ってたんじゃないか!」

「両足踏み!」

「結局踏んでんじゃねえか!」

「クロス踏み!」

「うるせえ!」

「まあー、あとは、阪神タイガースね」

「うーん」

「球団社長に相談されるわけですわ。『猛虎打線復活にはどうしたらいいですかね』」

「普通の相談じゃないか。もういいよ」





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