2006-08-30   思考  
 たまに見るのが、ネズミの耳がついた帽子をディズニーランド敷地外でかぶってる子。最近では、アメ横で見た。豚足とか売ってる店の前に居た。まだ夢の中なんだろうか。わーい、ピグレットの足が売ってるよ! かわいい! みたいなことを言ってるのだろうか。

 まあ、ディズニーランドの中で日常を忘れてキャッキャキャッキャするのはいいよ。俺もキャッキャキャッキャする。同じの3回とか乗る。でも、ディズニーランドの退場ゲートのポールをガコンとやった瞬間に大抵の人間はこっちの世界の記憶を取り戻して、あー電話料金払ってないだことの、あー仕事めんどくせえなだことの、地球やばいよねーだことの。
 でもたまに、なんかの加減でディズニーランドの記憶そのままに外へ出てしまう子が居る。で、正気に戻るまで、耳をつけながら移動する。あのー、多分、けっこう遠くまで移動する。家に着いちゃうかもしれない。そのまま次の日会社へ行っちゃうかもしれない。「はい?」とか聞きなおすときに、頭上の耳に手をやるかもしれない。チュロス食いながら。恐ろしい! 最近夢見がちな少女が多いのは、こういうことが遠因としてある気がしてならない。

 これは、何らかの対策をしなければまずいことになると思うんですよ。でかいネズミがちやほやされる一種の異世界で遊んだ人間が、こう、日常に戻るためのクールダウン的な何かを、ディズニーランドは提供するべきだと思うんですわ。例えば、まあー、ミッキーが曙にボッコボコにされてる映像を退場ゲートで流すとか、そういうの。曙に負けるんだー、みたいな。

 すべてのテーマパークは、クールダウン用の施設を作ることが義務付けられる必要があると思う。もっと言えば、テーマパークは、客のテンション管理を綿密に行う義務がある。

 その点、宮城蔵王キツネ村は評価できる。
 まだ仙台に住んでる頃だから、5年くらい前に行ったんだけど、あのー、まあ、何種類かのキツネが居て、意外に楽しい。けっこう歩いて、わー、キツネいっぱい居るなあー、とテンションが上がったところに、「寄生虫・エキノコックスについて注意喚起」という看板がドーンと登場する。えっ、キツネ、触るとやべえじゃん、っていう。ここでまあ、やや上がったテンションが、ガクーンと下がる。一応、キツネ村のキツネは大丈夫、という締めくくりなんだけど、それでも、下がる。いや、違う。故意に、下げているのだ。
 でまあ、そのあと、ヤギとか居て、まあ気分は持ち直すんだけど、最後の最後で、なんかの加減で1本足が無くなってしまったキツネが首に縄つけられてしょんぼりしてる。その足が無くなった経緯みたいな説明書きは何も無く、ただただ、出口そばの柱にくくりつけられている。え、なんでなんで? なんでここに居るの? と、当時はすっごい不思議だったんだけど、最近やっと分かった。そういうことか。すべては、客をクールダウンさせるため。

 天才が作りしテーマパーク、宮城蔵王キツネ村。ほんと、ディズニーとかは見習うところは多いと思う。

こんなのも書いたよ。




2004-03-07   思考  
 あのー、この前テレビで、吉野家よりも前に牛丼を切らした、なんだったかな、あのー、どっかの牛丼チェーンの最後の牛丼を食べた人、ってのがインタビューされてたんですよ。なんか、「え、これで牛丼終わりなんですかー?」みたいな、カップルで「たまたま来たんだよネ」みたいな、全然、こう、消え行く牛丼の悲しさがまったく伝わらない人が最後の客だったんですけど。まあ、そんなもんだよなあ、と思います。最後の客が、都合よく、牛丼で泣けるような奴のはずが無い。

 最近本で読んだんだけど、テーマパークの入場者100万人記念とかは、ヤラセらしい。

 まあ、数えてることは数えてるんですけど、その近辺で、こう、絵になりそうな人を、選んでいるんだとか。まあ、そうだろうなあ、とは思っていたんですけど、だって、なんだろ、男子大学生だけ、とか、もっさいだけじゃないですか。多分インタビューとかしても、ものっすごいエロいこと言うよ。エロでエロを包んだようなことを言うよ。それよりもね、なんか、あったか家族みたいなのが良いだろうし、可愛い子とか居ればなおさら見栄えもよくなるし。

 馬鹿正直に100万人目を選んでいたら、どんな猛者が現れるか知れない。

 で、ちょっと思い出したんですけど、ウチね、昔、家族でつくば万博行ったんですけど、あのー、うしろのうしろの家族が、なんやら、その、何万人記念、みたいなやつもらってたんですよ。
 当時は、「あー惜しい!」みたいな、父親が、「あのときもうちょっと寝てれば、なあ。お母さんがせかすから」「お父さんは起こさなかったらずっと寝てたじゃない!」「そうかい? あっはっはっは」みたいな、そんな、ほのぼの空気だったのですが、今考えると、俺ら、絵にならなかっただけじゃん。落選してんじゃん。

 まあ、確かに、ウチは、絵にならない。ならないわ。だって父親は変なジャージに、カナダのお土産の妙にリアルな狐の絵が書いてあるTシャツをいつも着ていて、俺もまったく同じ服装をしていたから。まあ、片田舎から出てきたような、そんなにおいが立ち込めていたんだと思う。なんだろ、科学万博には行ったものの、科学とは縁遠いところに住んでたからね。すんごい田舎で、まず、家の前の道が、こう、山に向かって続いているんだけど、どこに繋がっているのか、近所の人も含め誰も知らない、という。「富士の樹海に繋がっている」「いや、途中で川になって、切れてるんだ」と、さまざまな憶測が飛び交う。科学万博だの、ロボットだの、3Dだのそういうモノの前に、ウチの道の終着点をはっきりさせてくれっつー。

 俺も、何だろ、子供の頃すんごい頑張って探検したんだけど、結局最後を見ることは無かったですね。なんかねー、すげえ怖いの。5時間くらい歩いたんですけど、どんどん森は深くなっていくし、見たことも無い文字が書いてあるほこらとか出てくるし。猿が木をゆっさゆっさして威嚇してくるし。何だ、ここは、みたいな感じで逃げ帰って来た覚えがあります。

 で、どうしてもその道の最後を知りたくなった俺は、そうだ、地図を見よう、と思って。ね、地図を見れば、一目瞭然じゃないか。これ思いついたのが小学校5年なんですけど、まあ、もっと早く気づけっつーアレですけど、まあ、本屋へチャリンコを飛ばしたんですよ。まあ、この本屋っつーのが、これ話すだけでまた長くなるので割愛するんですけど、まあ、本屋で地図をむんずと掴みまして、確認したわけですよ。ウチの前の道路は、点線で書かれていました。うっすーい、点線で。で、山の中腹辺りで切れている。適当!! ウチ、適当な扱いされてるよ!!

 あの時のショックは、今でもはっきり覚えています。家に帰る道が、点線に見えたもんね。点線沿いに住む家族の物語。父は点線のような薄いコーヒーを飲み、母は点線のように薄い愛で僕たちを包み、犬は点線のように薄く僕たちになついていた。

 そんな家族が、記念の人に選ばれる筈も無かった。

こんなのも書いたよ。



1|
このサイトについて。
ヤスノリさんが適当にあることないことを書くサイトです。1997年11月からあります。現在Ver.3です。

詳しいことやお仕事についてはこちら

書いてるものとか、出てるものとか

オモコロのライターやったりやらなかったりしてます。
特集一覧
日記一覧


今日の商品 というしょうもない企画がはじまりました。

オフ喜利4は7月14日(土)・新宿ロフトプラスワン!
「オフ喜利」というオンラインでテキスト書いてる人はオフラインでも面白いのかを検証する大喜利イベントをやってます。新宿ロフトプラスワンで不定期開催中。


オフ喜利のDVDが出てます。送料込み980円ダス

週刊アスキーの大喜利コーナー「Web0.2」。オフ喜利メンバーと連載中です。(ただいまヤスノリは休業中)

WEB0.2 頑固親父が威厳をなくした寝言の内容とは?
で、その悪ふざけが本になりました。あっぱれか喝かで言ったら間違いなく喝。

オモコロ! あたまゆるゆる大全
オモコロ本出ました。



あわせて読みたいブログパーツ