そういえば、前の会社の送別会で、電気カミソリを貰った。

　ブラウンの結構なやつ、らしい。つか、あれ、なんで俺がシェーバー持ってないこと知ってたんだろう。いつも無精ひげ生やしてたからか。いいかげん剃れよ、というメッセージかしら、とか、いろいろ考えたり。

　まあ、それはいいんだけど、あの、実は俺、電気カミソリ使えないんですよ。怖くて。怖いじゃないですか。や、ちょ、待って、俺が正しい、絶対俺が正しいから聞いて。刃がグルングルン回ってる機械ですよ。何で、みんな、そんなもんを頚動脈に沿わせることができるのか。あなたたちは、ブラウンという会社を何故それほど信用しているのか、その、理由が分からない。君らは全員性善説か。その優しさがあれば、戦争とか無くなると思う。

　で、まあ、話戻すと、結局、まだ一回も使ってない。
　ほんとごめん。せっかく買ってもらったのに。箱からは出したよ。ちゃんと充電もしたんだ。でも、無理。

　それよりも、電気カミソリが入っていたレジ袋が、今、大活躍している。

　一緒に花束が入っていたので、特大のレジ袋なんだけど。あのー、うち、前も言ったかもなんだけど、コインランドリーなんですわ。で、週に何回も行くとお金かかってしまうので、週１回、と決めている。でも、１週間分の洗濯物って結構な量で、普通の洗濯かごには入りきらず、仕方ないのでバスタオルは肩とか首にかけたり、シャツは上に着たりしながら運んでいた。もう、なんだろ、洗濯物が歩いてる感じで。ずんぐりむっくりで。ずんぐりむっくり君で。

　家からコインランドリーまでの間に駅があるので、このあたりはわりかしよそ行きの格好をした人が多くいるエリアです。ずんぐりむっくりは、ちょっと恥ずかしい。逃げるように駅前のエリアを走り抜けるんだけど、この前、OLっぽい人に「パンツ落ちましたよ」みたいなこと言われた。思わず、「や、俺じゃ、ないですね」とか言ってしまった。明らかに、お前だよ！　口にあんこついてるパターンだよ！
　帰ってきたら、パンツ無かった。横浜で、パンツを無くした。

　まあ、それはいいんだけど、そう、袋。この特大レジ袋に、１週間分の洗濯物が、なんと全部入るのだ。イオンで大きな家電を買った人として、悠々と駅前を歩けるのだ。この大容量、白く美しいフォルム、堅牢な手提げ紐。これだよ。これを、求めていたんだよ。すっごい嬉しい。ありがとう！

　なんか、未開の人が日本に来て、つまらないものですごい嬉しがる番組を思い出した。