2004-04-24   思考  
 近所をぷらぷらと歩いていたら、ある看板が目に飛び込んできました。

 「世界初! 物々交換の店」

 物々交換でモノが買えてしまう。例えば、要らなくなった椅子を持っていって、欲しかったシェルフを手に入れることが出来るのだ。すごい。お金という概念をとっぱらって、モノの価値とモノの価値を直結した、斬新なシステム!

 でも、ちょっと、待て、と。それは、原始時代、僕らがやっていたことじゃないか。
 なんだ、野菜と、肉を交換してもらったり。でも、それだと不都合が多すぎた。だから、貨幣が生まれた。そうやって、進化して来たんじゃなかったっけ。

 その、なんだ、廃れたものを今更持ち出して、「新しいでしょう!」みたいなことを言われても、笑うしかない。それを「世界初」と言ってしまえるのなら、俺だって、いろいろな世界初を作ることができる。

 「世界初! 汲み取り式のトイレ」
 「世界初! 紙で出来た傘」
 「世界初! ザンギリ頭」

 そうは言っても、昔廃れたものを現代に持ち出すことによって、新たな風が起きることがある。数年前から和風の家具に凝っているんだけど、西洋風にデフォルメされた「違い棚」なんて、最高に美しい。まさに、決して交わることの無かった2つの時代が、出会ってしまった、という偶然の産物。汲み取り式トイレだってそうだ。今、この、資源を大切にしよう、という時代背景にとてもマッチして、大流行するかもしれない(しないと思うけど)。

 「世界初! 物々交換の店」は、今後も動向を探っていきたい。
 思うんですけど、歴史は繰り返すから、そのうち、その物々交換の店でも、貨幣的なものが生まれてくる気がする。昔の人が、その辺にあったちょっと綺麗な貝殻を貨幣としたように、それは何でも良くて、例えば大量に誰かが売りに来た虎舞竜が貨幣になるかもしれない。その店内だけが、まさにパラレルワールドのように、独自の進化を遂げていく。
 外の世界の円安だ、ドル安だ、なんていう複雑極まりない経済の流れに動じることの無い、とても平和な世界。

 でも、その閉じた世界の中にも時々問題が起こる。
 虎舞竜を大量に買っていく奴が出て虎舞竜の数が激減。虎舞竜恐慌、とか。まあ、そのくらいか。





このサイトについて。
ヤスノリさんが適当にあることないことを書くサイトです。1997年11月からあります。現在Ver.3です。

詳しいことやお仕事についてはこちら

書いてるものとか、出てるものとか

オモコロのライターやったりやらなかったりしてます。
特集一覧
日記一覧


今日の商品 というしょうもない企画がはじまりました。

オフ喜利4は7月14日(土)・新宿ロフトプラスワン!
「オフ喜利」というオンラインでテキスト書いてる人はオフラインでも面白いのかを検証する大喜利イベントをやってます。新宿ロフトプラスワンで不定期開催中。


オフ喜利のDVDが出てます。送料込み980円ダス

週刊アスキーの大喜利コーナー「Web0.2」。オフ喜利メンバーと連載中です。(ただいまヤスノリは休業中)

WEB0.2 頑固親父が威厳をなくした寝言の内容とは?
で、その悪ふざけが本になりました。あっぱれか喝かで言ったら間違いなく喝。

オモコロ! あたまゆるゆる大全
オモコロ本出ました。



あわせて読みたいブログパーツ