「石焼き〜いも〜! おいも〜おいも〜おいもだよ〜!」
まだまだ寒いこの季節、石焼き芋屋さんのワゴンが、甘い声で客を誘う。
ずっと勘違いしていて最近気づいたのは、あのワゴンから発する声は、生声ではなくてテープだということ。
気づいたとき、えー! ってめちゃくちゃびっくりした。「あったか〜い、あったか〜い、おいもですよ〜!」って、今まさにそこに芋があるからこそ出ていると思っていたあの臨場感、あの声がテープだなんて!
いや、あのほくほくした声はさあ、芋がそこに無いと出んよ。出んよね? せめて家で石焼き芋作って、そのノリで録音してるよね? しててほしい。え、もしかして芋も用意してないの? 芋まったく無い状態で録った? 芋無しで? 芋無しでいけるの? だとしたら、たいしたもんだ。たいしたもんだよ。
芋が無い状態であのほくほく芋をイメージさせる言葉を吐き出す。
よく考えると、それはものすごい技術なんじゃないか。
もうこれは、仮想をどこまでリアルな体験に持っていくかみたいな最近流行りの技術のひとつに十分数えられるべきものなのではないでしょうか。
例えば、被験者に青い空のイメージを与えようとしたら、石焼き芋のおっさんが「青い空だよ〜! 青い〜青い〜青いよ〜! し〜ろいく〜もも〜と〜んで〜るよ〜!」みたいな感じで呼びかけたら、わりと、いい感じでスカっとした風景が広がるんじゃなかろうか。
イメージを直接植え付ける効果があるおっさんの声。
なんかもう、スピーカーで、いろいろ人間の深層心理に訴えて欲しい。
「犯罪ない街〜たのし〜いよ〜!」
街から犯罪が無くなる。
「買〜い占〜めな〜くて〜もへ〜いき〜だよ〜!」
みんな我に返る。
おっさんのパワーはものすごいので、人間以外の生物にも効果がある。
「あったか〜い、あったか〜い、春ですよ〜!」
つくしがにょきにょき生える。
そうなると、実はおっさんの声が世界を回しているのでは、とも思えてくる。
いまだに春が来ないのは、おっさんの芋がまだ売上達成していないからか。
まだまだ寒いこの季節、石焼き芋屋さんのワゴンが、甘い声で客を誘う。
ずっと勘違いしていて最近気づいたのは、あのワゴンから発する声は、生声ではなくてテープだということ。
気づいたとき、えー! ってめちゃくちゃびっくりした。「あったか〜い、あったか〜い、おいもですよ〜!」って、今まさにそこに芋があるからこそ出ていると思っていたあの臨場感、あの声がテープだなんて!
いや、あのほくほくした声はさあ、芋がそこに無いと出んよ。出んよね? せめて家で石焼き芋作って、そのノリで録音してるよね? しててほしい。え、もしかして芋も用意してないの? 芋まったく無い状態で録った? 芋無しで? 芋無しでいけるの? だとしたら、たいしたもんだ。たいしたもんだよ。
芋が無い状態であのほくほく芋をイメージさせる言葉を吐き出す。
よく考えると、それはものすごい技術なんじゃないか。
もうこれは、仮想をどこまでリアルな体験に持っていくかみたいな最近流行りの技術のひとつに十分数えられるべきものなのではないでしょうか。
例えば、被験者に青い空のイメージを与えようとしたら、石焼き芋のおっさんが「青い空だよ〜! 青い〜青い〜青いよ〜! し〜ろいく〜もも〜と〜んで〜るよ〜!」みたいな感じで呼びかけたら、わりと、いい感じでスカっとした風景が広がるんじゃなかろうか。
イメージを直接植え付ける効果があるおっさんの声。
なんかもう、スピーカーで、いろいろ人間の深層心理に訴えて欲しい。
「犯罪ない街〜たのし〜いよ〜!」
街から犯罪が無くなる。
「買〜い占〜めな〜くて〜もへ〜いき〜だよ〜!」
みんな我に返る。
おっさんのパワーはものすごいので、人間以外の生物にも効果がある。
「あったか〜い、あったか〜い、春ですよ〜!」
つくしがにょきにょき生える。
そうなると、実はおっさんの声が世界を回しているのでは、とも思えてくる。
いまだに春が来ないのは、おっさんの芋がまだ売上達成していないからか。