2011-03-28   思考  
「石焼き〜いも〜! おいも〜おいも〜おいもだよ〜!」

まだまだ寒いこの季節、石焼き芋屋さんのワゴンが、甘い声で客を誘う。

ずっと勘違いしていて最近気づいたのは、あのワゴンから発する声は、生声ではなくてテープだということ。
気づいたとき、えー! ってめちゃくちゃびっくりした。「あったか〜い、あったか〜い、おいもですよ〜!」って、今まさにそこに芋があるからこそ出ていると思っていたあの臨場感、あの声がテープだなんて!

いや、あのほくほくした声はさあ、芋がそこに無いと出んよ。出んよね? せめて家で石焼き芋作って、そのノリで録音してるよね? しててほしい。え、もしかして芋も用意してないの? 芋まったく無い状態で録った? 芋無しで? 芋無しでいけるの? だとしたら、たいしたもんだ。たいしたもんだよ。

芋が無い状態であのほくほく芋をイメージさせる言葉を吐き出す。
よく考えると、それはものすごい技術なんじゃないか。
もうこれは、仮想をどこまでリアルな体験に持っていくかみたいな最近流行りの技術のひとつに十分数えられるべきものなのではないでしょうか。

例えば、被験者に青い空のイメージを与えようとしたら、石焼き芋のおっさんが「青い空だよ〜! 青い〜青い〜青いよ〜! し〜ろいく〜もも〜と〜んで〜るよ〜!」みたいな感じで呼びかけたら、わりと、いい感じでスカっとした風景が広がるんじゃなかろうか。

イメージを直接植え付ける効果があるおっさんの声。
なんかもう、スピーカーで、いろいろ人間の深層心理に訴えて欲しい。

「犯罪ない街〜たのし〜いよ〜!」
街から犯罪が無くなる。

「買〜い占〜めな〜くて〜もへ〜いき〜だよ〜!」
みんな我に返る。

おっさんのパワーはものすごいので、人間以外の生物にも効果がある。
「あったか〜い、あったか〜い、春ですよ〜!」
つくしがにょきにょき生える。

そうなると、実はおっさんの声が世界を回しているのでは、とも思えてくる。
いまだに春が来ないのは、おっさんの芋がまだ売上達成していないからか。








前後に書いたやつ。
さくらツイート 今年も惰性でやってます。[2011-03-30]
東電がんばれ[2011-03-18]
このサイトについて。
ヤスノリさんが適当にあることないことを書くサイトです。1997年11月からあります。現在Ver.3です。

詳しいことやお仕事についてはこちら

書いてるものとか、出てるものとか

オモコロのライターやったりやらなかったりしてます。
特集一覧
日記一覧


今日の商品 というしょうもない企画がはじまりました。

オフ喜利4は7月14日(土)・新宿ロフトプラスワン!
「オフ喜利」というオンラインでテキスト書いてる人はオフラインでも面白いのかを検証する大喜利イベントをやってます。新宿ロフトプラスワンで不定期開催中。


オフ喜利のDVDが出てます。送料込み980円ダス

週刊アスキーの大喜利コーナー「Web0.2」。オフ喜利メンバーと連載中です。(ただいまヤスノリは休業中)

WEB0.2 頑固親父が威厳をなくした寝言の内容とは?
で、その悪ふざけが本になりました。あっぱれか喝かで言ったら間違いなく喝。

オモコロ! あたまゆるゆる大全
オモコロ本出ました。



あわせて読みたいブログパーツ