Amazonで雑誌を買ったんだけど、待てど暮らせど来ない。
でもちょっと目を離した隙に不在連絡票が入ってて、品名のところに「ガスメーターBOX」と書かれていた。
そんな暖房器具は買ってねえよ、と、Amazonに怒りのメールを出そうとして、ほぼ書きあがったんだけど、あーわあ! と突然閃いて、外へ出て、あの、ほら、壁によくあるガスメーターの扉を開けたら、Amazonの箱がちょこりんと入っていた。
あぶねー。Amazonに「ガスメーターBOXに入っていませんか?」みたいなこと言われるところだった。「ガスメーターBOXに入っていませんか? このレビューは3人中3人が参考になったと投票しています」みたいなこと言われるところだった。
なにより、アホなことがAmazonにばれなくてよかった。マイページに脳トレとか知育玩具が並ぶところだった。
え、ていうか、これって何、普通なの? 連絡票に、品名じゃなくて、隠し場所を書くという行為は、通常行われているの? それともこの配達ドライバー、松岡さんのオリジナルなの? 松岡クエストなの?
そして、今回レベル1をクリアしてしまったことで、松岡クエストレベル2が来るの? 「ガスメーターBOX 北に2歩 東へ3歩」みたいな。
や、違うわ。ちょっと待って、松岡、ちょっと待って。松岡よ、なんで俺がお前のゲームに付き合わなければならない。お前が小さなミニゲームによって日常のルーチンワークを楽しいものに変えようとする気持ちは分からんでもない。分からんでもないけれど、どうか俺を巻き込むのはやめて欲しい。
クエストで思い出したわ。
最初に勤めた会社に、めちゃくちゃ怖い怖い柴木さんという技術リーダーが居た。柴木さんは、自分が認めない人に一切メールとかコンタクトを送らない、という、まあ、今考えればものすごく社会生活不適合者だったんだけど、当時は何だろ、必死なので、その異常さに気づかなかった。
はじめてメールを送ってもらえたのは3年目の冬だった。こんなメールだった。
-----------------------
試験用ツール作ったから送ります。
abc-company
柴木
-----------------------
で、パスワードつきのZIPファイルが添付してあった。パスワードは?
で、まあ、パスワード分かんないから、柴木さんのところへ行ったら、「abc-companyって書いてあっただろ!」「いや、うちの会社名だから署名かと」「今まで俺書いてないだろ! こんなところに会社名を!」
「チーム員の俺にメールよこしたの初めてじゃないか! この社会生活不適合者!」という言葉を飲み込み、はあ、すみません、と引き下がったのですが、全然納得行かないわけで。
で、あとで先輩にグチったところ、「俺もあった! 会社名がパスワードだったよ」って。なんだ、みんな通る道なのか、と安心していたら、
「でも俺柴木クエスト解いたよ。だってあの柴木さんがパスワード忘れるはず無いと思ったから」
ここで俺の出世の道が閉ざされたのでした。
でもちょっと目を離した隙に不在連絡票が入ってて、品名のところに「ガスメーターBOX」と書かれていた。
そんな暖房器具は買ってねえよ、と、Amazonに怒りのメールを出そうとして、ほぼ書きあがったんだけど、あーわあ! と突然閃いて、外へ出て、あの、ほら、壁によくあるガスメーターの扉を開けたら、Amazonの箱がちょこりんと入っていた。
あぶねー。Amazonに「ガスメーターBOXに入っていませんか?」みたいなこと言われるところだった。「ガスメーターBOXに入っていませんか? このレビューは3人中3人が参考になったと投票しています」みたいなこと言われるところだった。
なにより、アホなことがAmazonにばれなくてよかった。マイページに脳トレとか知育玩具が並ぶところだった。
え、ていうか、これって何、普通なの? 連絡票に、品名じゃなくて、隠し場所を書くという行為は、通常行われているの? それともこの配達ドライバー、松岡さんのオリジナルなの? 松岡クエストなの?
そして、今回レベル1をクリアしてしまったことで、松岡クエストレベル2が来るの? 「ガスメーターBOX 北に2歩 東へ3歩」みたいな。
や、違うわ。ちょっと待って、松岡、ちょっと待って。松岡よ、なんで俺がお前のゲームに付き合わなければならない。お前が小さなミニゲームによって日常のルーチンワークを楽しいものに変えようとする気持ちは分からんでもない。分からんでもないけれど、どうか俺を巻き込むのはやめて欲しい。
クエストで思い出したわ。
最初に勤めた会社に、めちゃくちゃ怖い怖い柴木さんという技術リーダーが居た。柴木さんは、自分が認めない人に一切メールとかコンタクトを送らない、という、まあ、今考えればものすごく社会生活不適合者だったんだけど、当時は何だろ、必死なので、その異常さに気づかなかった。
はじめてメールを送ってもらえたのは3年目の冬だった。こんなメールだった。
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試験用ツール作ったから送ります。
abc-company
柴木
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で、パスワードつきのZIPファイルが添付してあった。パスワードは?
で、まあ、パスワード分かんないから、柴木さんのところへ行ったら、「abc-companyって書いてあっただろ!」「いや、うちの会社名だから署名かと」「今まで俺書いてないだろ! こんなところに会社名を!」
「チーム員の俺にメールよこしたの初めてじゃないか! この社会生活不適合者!」という言葉を飲み込み、はあ、すみません、と引き下がったのですが、全然納得行かないわけで。
で、あとで先輩にグチったところ、「俺もあった! 会社名がパスワードだったよ」って。なんだ、みんな通る道なのか、と安心していたら、
「でも俺柴木クエスト解いたよ。だってあの柴木さんがパスワード忘れるはず無いと思ったから」
ここで俺の出世の道が閉ざされたのでした。
こんなのも書いたよ。