2005-09-05   思考  
 1000円の床屋へ行った。

 や、あのねー、あのー、こっち来てからずっと、元町の美容室(かっこ、いい!!)へ行ってたんだけど、あのー、最近仕事が土日あるものだから、全然行けなくて。そのうち、髪の毛が、ひどいことになってきて。鬼太郎に出てくる、なんか髪の毛のおばけにたいなの。まあ、なんだろ、はじめは、「仕事が忙すぎるから、僕はおばけになってしまいましたよ!」みたいな、会社に対するこうメッセージというか、過労のシンボル、みたいな自覚があってわざとやっていたような節もあったんだけど、まあ、よく考えたら、内情をしらない人が見たら、ただの気持ち悪い人だなあ、ということに気づいて、まあ、切ろうと。電車の中で俺の隣りが空いているにも関わらずかたくなに座らないで立ちながら無理な姿勢で本を読む女の子を見て決意した。気持ち悪くてごめんね! おばけでごめんね!

 さて、切ることは決まったんだけど、この限られた時間で切るとすれば、その、なんだ、最近よくある、10分1000円の床屋、みたいなとこしかないなあ、と。

 ただ、10分でなんとかしてくれる、みたいなとこに、そこまで、求められない、っていうアレが、あるじゃないですか。俺、けっこう、いろいろ注文つけるんですよ。10分で思い通りに仕上げてもらえるとは到底思えない。そもそも、あそこって、できる髪型のバリエーションはそんなにあるのか。角刈りとスポーツ刈り、どっちにしますか? みたいな二択だったらどうしよう。とかいろいろ考えていたのですが、そのうち、いいこと思いついてね。とにかく、細かいこと言わずに、「まんべんなく2,3センチずつ切ってください」って言おう。それなら、10分でできるだろ。理論的には2,3ヶ月前の髪型に戻る。前回美容室で切ってもらった時の髪型が再生されることになるわけだ。完璧じゃないか。仕事が暇になったら、また美容室へ行けば良い。そう、これは、繋ぎだ。

 で、行きましたよ、その、なんか、1000円のとこ。で、言いました。「こう、形とかは今のままで、2,3センチ、切ってください」。
 そしたら、なんか、その、担当してくれた人が、すごいやる気で。
「ここもうちょっと切ると、夏っぽくなりますよ」
いいから! そういうのはいいから! お前には、ホームランは期待してないの! バントで繋いでくれればいいの! 

 や、で、あのねー、結論から言うと、ものっすごい、うまくいったんですよ。
 ものっすごい、うまくいった。あー、これこれ、みたいな。

 で、ちょっと思ったのは、このまま一生1000円の床屋で「2,3センチ切ってください」と言いつづければ、美容室行かなくても、この髪型は保てるんじゃないか。やったー!

 と思って、今回3回目の1000円床屋へ行ったんですけど、なんか、だんだん、アレだな。だんだん、その、1000円床屋風になってきてるな。じわじわと。や、どこが、というアレは特には無いんだけど、トータルとして見たとき、そのかもし出す何かが。居酒屋で、俺の注文だけすっとばされた時に、思った。





前後に書いたやつ。
空気読めないちゃん[2005-09-23]
自分の生活水準で考えてしまう[2005-08-29]
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